食品安全情報blog過去記事

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その他

  • あなたの飲料水はどのくらい安全?

How Safe Is Your Drinking Water?
by Berkeley Wellness | April 20, 2016
http://www.berkeleywellness.com/healthy-community/environmental-health/article/how-safe-your-drinking-water
米国とカナダは、他の多くの先進国同様、飲料水については誇れる。安全な公共水道は前世紀の偉業の一つである。
しかし最近のフリントの水危機が明らかにしたように、まだ懸念要因はたくさんある。一部の地方自治体の給水には鉛や、ヒ素や微生物や汚染物質が含まれる可能性がある。私用の井戸も定期的監視が必要である。安全な水の供給には定期的監視が必要である。
ここにいくつかの飲料水についてあなたが知るべきことを記す
公共飲料水
連邦安全な飲料水法は1974年に成立した。EPAが基準を設定して規制を執行する。水処理だけでなく水源を守ることも含まれる。また蛇口から出る水に関する情報を人々に提供することに重要性も認識している。水が安全でない可能性があった場合には何が問題でどう対応しているかの情報を提供する必要がある。また毎年EPAが消費者信頼性報告書を発行し公表している。
個人の井戸水
約1500万戸のアメリカ人は私設の井戸水を利用している。個人の井戸水はEPAの規制対象ではないのであなたが責任をもつ。
飲料市中の汚染物質:有機および無機
水の汚染物質は有機と無機に大別される。いずれも重大な病気の原因となりうる。有機汚染物質:微生物
無機汚染物質
鉛、殺菌副生成物、ヒ素
各項目の説明略、情報サイトへのリンク有り

  • 何故ボトル入り水が良くはないのか

Why Bottled Water Isn't Better
by Berkeley Wellness | April 20, 2016
http://www.berkeleywellness.com/healthy-community/environmental-health/article/why-bottled-water-isnt-better
ボトル入り水は流行してはいるが水道水より安全でも健康的でもない。水道水のほうが細菌数が少ない傾向があるという研究があり、一部のボトル入り水は水道水基準を満たさない。時にボトル入り水は単に水道水を詰めただけである。そしてボトル入り水はお金がかかり場所をとる。プラスチックボトルのほうがガラスボトルより軽いが水の味に影響する。
そしてもう一つボトル入り水を避けるべき大きな理由がある:それは環境へのダメージが大きい。毎年ボトル入り水を作るために何百万トンものプラスチックが使われている。それらを廃棄することは大気汚染につながる。水を持ち運びたいなら再利用できる金属ボトルやBPAフリーハードプラスチックボトルがある。
BPAフリーは余計だと思うけど。持ち運び用ならまだわかるけど自宅用なら水道水一択。ただ日本の場合地方自治体の責任なので限界集落みたいな状況だと維持に苦労することに)

  • SMC説明会:医療用大麻製品

SMC NZ
SMC BRIEFING: Medical cannabis products
April 20th, 2016.
http://www.sciencemediacentre.co.nz/2016/04/20/smc-briefing-medical-cannabis-products/
Sativex や Epidolex のような医療用大麻について、多くの患者がもっと入手しやすくすることを要求しているというニュースがここ数ヶ月報道されている。しかしこれらの製品は正確には何で、さらに効果はあるのか?
SMCはオンライン説明会を開催する。

  • ReutersのIARC特集の続き

あなたの除草剤は発がん性?
Is your weed killer carcinogenic?
By Kate Kelland
http://www.reuters.com/investigates/special-report/health-who-iarc/#sidebar-weed
IARCの周りで吹き荒れている議論の最新のものは世界で最も多く使用されている除草剤グリホサートについてである。2015年3月にIARCモノグラフは「おそらく発がん性」と結論しその7か月後EFSAが「ヒト発がん性ハザードとなることはありそうにない」と言った。EFSAの結論はドイツBfRの仕事に基づいたものである。
一部の活動家団体はEFSAの結論はモンサントの影響を受けていると言う。EFSAは独立したものも企業のものも含めて何百という科学的研究を考慮したという。
WHOと米国EPAもこれまでの評価ではグリホサートのヒトへの毒性は低いと結論している。この違いはあまり大きくないと思われるかもしれないが農家や食品企業や消費者への影響は膨大である。なぜならIARCの判定は欧州での認可に影響するからだ。EUは現在矛盾する科学的助言を受け取っている。除草剤がないと食品の生産に影響するだろう。
EFSAとIARCの言葉による戦いは続く。この戦いは96人が署名した、昨年11月のEUの役人への、EFSAの評価を無視してIARCの判断を優先させるように強く求める手紙で始まった。この手紙はChris Portierによるもので彼は2013年から米国のNGO であるEnvironmental Defense Fund (EDF)で働いている。2014年にはPortierはIARCが次に評価する物質を決める会議の議長になった。そしてグリホサートを評価することにした。次の年にはPortierはグリホサートがおそらく発がん性であると決めたワーキンググループの「招待スペシャリスト」を努めた。
EFSAは反撃した。2015年12月の欧州議会でのスピーチでBernhard Url長官がこの手紙を「フェイスブックサイエンス」と呼んだ。「これは私達の道ではない。好き嫌いを考慮したりしない」。そして18ページの回答を発表した。その中でIARCと話し合いをしようと招待した。IARCモノグラフの部門長Kurt StraifはEFSAの招待を断った。

  • コロンビアはがんの恐れから止めていたコカ対策スプレーを再開

Colombia resumes anti-coca spray dropped over cancer fears
Published on Apr 19, 2016
http://www.trinidadexpress.com/20160419/features/colombia-resumes-anti-coca-spray-dropped-over-cancer-fears
違法栽培されているコカを枯らすために除草剤を使っていたコロンビアが、がんのおそれから使用を中断していたが、再開する意向であると発表した。防衛大臣Luis Carlos Villegasは、これまで20年間行ってきた、アメリカ人の操縦する散布機からのグリホサート散布ではなく人力で地上で使う、という。認可の手続きは今週完了する予定。
コロンビアのJuan Manuel Santos大統領は昨年IARCがグリホサートを発がん物質に分類したので使用を禁止した。この禁止はグリホサートをベトナム戦争での枯れ葉剤と比べてきた左翼やRevolutionary Armed Forces of Colombiaに歓迎されたが保守からはコカ漬けになると警告された。これまでずっと減少してきたコカ栽培が2014年は39%、2015年は42%増加している。
(芥子の話もあったような。松食い虫防除の空中散布反対と同じように、もともと反対運動があってIARCはその綱引きの一方に荷担)

  • GM作物栽培が初めて減少

GM crop planting declines for the first time
Heidi Ledford 19 April 2016
http://www.nature.com/news/gm-crop-planting-declines-for-the-first-time-1.19766
2015年に1%減
GM作物が市販されるようになって20年の歴史で初めて減った。主な理由はISAAAによると価格の低下によりGMと非GMの両方が全体として減ったことによる。しかし米国などの主要マーケットが飽和してきて拡大の余地がなくなってきたとも言っている

  • ヒト胚での遺伝子編集研究が拡大

Gene-editing research in human embryos gains momentum
Ewen Callaway 19 April 2016
http://www.nature.com/news/gene-editing-research-in-human-embryos-gains-momentum-1.19767
スウェーデン、中国、英国で実験が認められた

Poll Results: Science
April 13, 2016, 1:31 p.m.
https://today.yougov.com/news/2016/04/13/poll-results-science/
2016年4月8-10日の米国成人1000人が対象の調査
科学者が信頼できるか?
科学研究の情報を見たときにこの知見が企業や団体に影響を受けていることにどのくらい心配するか
遺伝子組換え成分を含む、の意味を理解しているか?
遺伝子組換え食品の健康影響について、ワクチンについて
(性別、年齢のほか収入、人種、地域ごとに集計があって、収入で意見が分かれているのがなんとも。答えたくないという人もいるので確実ではないが科学への不信は所得の少ない方が強い印象。)

  • 米国は専門家委員会に将来のGM製品の予想を期待

Scienceニュース
U.S. looking to expert panel to predict future GM products
By Kelly ServickApr. 19, 2016
http://www.sciencemag.org/news/2016/04/us-looking-expert-panel-predict-future-gm-products
NASが昨日ワシントンで今後5-10年でおこるバイオテクノロジーの予想のための会議を開催した。これは米国の規制機関が現在の法的枠組みを更新する準備である。昨年7月にホワイトハウスが24年経った農業バイオテクノロジーの規制枠組みを改訂するつもりだと発表している。
委員会の予想が発表されるのは12月以降だが、EPAやUSDA、FDAなどの規制機関は昨日の会合で最も懸念している新しい技術については見解を共有した。EPAの農薬計画事務所のChris WozniakにとってはそれはRNA干渉で、これまでそのような製品の評価を依頼してきた企業はないが関心はある。他にジーンドライブなどがあがっている。
この会議の背景にあるのはCRISPRではあるが、今週USDAはCRISPRで編集したマッシュルームや高収量ろうの多いトウモロコシについては外来DNAを含まないので監視対象にはならないと発表した。