食品安全情報blog過去記事

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その他

欧州議会は栄養プロファイルを廃止することを投票で決定
European Parliament votes to scrap nutrient profiles
12-Apr-2016
http://www.foodnavigator.com/Policy/European-Parliament-votes-to-scrap-nutrient-profiles
賛成402反対285で、市場を歪める可能性と履行に「重大で持続する問題」のある栄養プロファイルの概念を廃止。
栄養プロファイルは食品を栄養組成や健康的かどうかの基準でランキングするもので、EUの規制では既に脂肪・砂糖・塩の実際の含量が消費者に提供されているので必要ではない。
しかしネスレはこの基本原則を推進し続ける、という。消費者権利団体BEUCはこの結果を残念だと言っている。公衆衛生団体も不健康な食品のマーケティングを減らす機会が失われたという。

  • 歴史的Deepwater Horizonの重油流出事故から6年、科学を吟味するドキュメンタリー

Scienceニュース
Six years after historic Deepwater Horizon spill, documentary examines the science
By Marianne LavelleApr. 20, 2016
http://www.sciencemag.org/news/2016/04/six-years-after-historic-deepwater-horizon-spill-documentary-examines-science
6年前の今日、メキシコ湾で11人の労働者を殺した米国の史上最大の重油流出事故がおこった。その影響を調べようとたくさんの科学者が動員された。当時米海洋大気圏局の主任科学者だった海洋生態学者Steven Murawskiもその一人で、彼は新しいドキュメンタリーDispatches From the Gulfで取りあげられている科学者の一人である。この映画はJourney to Planet Earthテレビシリーズの一部で、今日YouTubeに公開された。
映画の作成はメキシコ湾研究イニシアチブの資金援助を受けている。
Science はMurawskiにインタビューした。
まだ解決していない問題として分散剤の使用が良かったのか悪かったのか、などがある。最も驚きだったのは油が必ずしも浮かばないこと。
メキシコ湾研究イニシアチブの究極目標は?
政府が解決のために十分な資金がない問題のいくつかの答えを出そうとしている。そして確実に論文は出せるが、結局どうやって政策に影響する?掘削政策、安全性の問題、危機対応。我々はただ論文を出すためではなく、公共の福祉のために科学をしようとしている。いつか必ずやってくる深海での噴出がおこったとき、我々はより良く、より早く、より明晰な理解の元で対応できるだろうか?5億ドルも使ってもしできなかったら、恥ずべきことである。

  • Tampa Bayの「農場から食卓へ」レストランで、あなたはフィクションを食べている

At Tampa Bay farm-to-table restaurants, you’re being fed fiction
By LAURA REILEY Times Food Critic
First in a series | April 13, 2016
http://www.tampabay.com/projects/2016/food/farm-to-fable/restaurants/
レストランのメニューボードには特定の産地や特別な育て方をした食材を使った、というような文言が書かれているが、実際には違うことを突き止めていく長い、シリーズの記事
地元産を食べようという主張をしているMichael Novillaのお気に入りのレストランのひとつであるThe MillはFlorida Trendのゴールデンスプーン賞でベスト新レストランを受賞したような人気レストランでオーナーTed Dorseyによると半径250マイルの食品を使っているという。Dorseyは豚肉は小規模のTallahassee の農家のものをMaster Purveyorsから買ったと言うがMaster PurveyorsはTallahassee産の豚肉は扱っていないという。DorseyはLake CityのMagnolia農場のウズラを使っていると言うがMaster PurveyorsはウズラはWyoming産だという。Dorseyは乳製品はMyakkaのDakin酪農場のものをWeyand Food Distributorsを介して買っていると言うがWeyandはDakinのものは扱っていないという。Dorseyは地元産農産物をSuncoast 食品組合と Local Rootsから買っているというがどちらもThe Millに売ったことはないという。
あなたが食品を食べるとき、毎日嘘をつかれている。
「持続可能」「自然に育てた」「オーガニック」「ノンGMO」「フェアトレード」「責任をもって育てた」といった宣伝がいたるところにある。レストランの誇大広告は新しいレベルに到達している。
食品を買うことが他の商品を買うことと違うのは何か?それは信頼をもとにしたシステムであることで、あなたの皿のシタビラメドーバー産だと知っているのはレストランがそう言ったからというだけの理由である。それが本当にそうかどうかを確かめるにはレストランに食材を販売した記録を追跡してその農場まで行かなければならない。私はそれを何ヶ月もやってきた。これまで239のレストランのうち54のレストランで産地を宣伝していてその追跡をした。結果は?みんなが空想の物語を語っていた。時に大嘘、時に小さな嘘、あるいは無知あるいは怠慢、そしてしばしば不作為あるいは「グリーンウォッシング」をしていた。
私は1991年からレストラン批評家でメニュー表示には嘘が多いことは既に知っている。「自家製」デザートは市販のケーキで「生鮮魚」は長い間冷凍されていたものである。私はSt. Petersburgのレストランがエビアンのボトルに水道水を詰めているのを知っているしおしゃれなTampaのレストランの「ハウスワイン」は残った空けたワインを集めたものである
ほとんどのレストランは直接農家を監視したりする時間はなく、農家や生産者は自分で販売・配送するインフラは持たない。そこに物語が始まる。
(とても長い記事)

  • いくつかのライフスタイル要因が初めて胃がんと関連づけられた

世界がん研究基金
Several lifestyle factors linked to stomach cancer for first time
21 April 2016
http://www.wcrf.org/int/news-events/news/several-lifestyle-factors-linked-stomach-cancer-first-time
本日我々は、初めて加工肉を食べること、飲酒、過体重、が全て胃がんリスクを上げることを発見した新しい報告書を発表した。
世界がん研究基金インターナショナルが世界の研究を解析し、1日あたり50gの加工肉を食べることが噴門以外の胃がんリスクを18%揚げることを示す強い新しい根拠を示した。また1日45g以上のアルコールを飲むことが有意に胃がんリスクを上げることも示した。過体重または肥満は噴門の胃がんリスクを上げることも発見した。BMIが5上がると23%リスクが上がる。
また塩漬けにして保存した食品、特にアジアスタイルの漬物や乾燥塩漬け魚が胃がんの原因であることを確認した。添加された塩の胃がんの原因としての関連は弱くなったが、この原因の一部は塩の摂取量の測定が困難なためである。
噴門の胃がんは先進国に多く噴門以外の胃がんはアジアに多くピロリ菌感染に関連する。
これらの知見に基づき、我々は健康体重を維持し加工肉とアルコールを避けることを勧める。塩摂取量を測定するのは困難であるが塩の摂りすぎが胃がんリスクを上げる可能性を排除できないため、塩の摂取量は1日6g以内も薦める。
報告書の詳細は以下
Stomach cancer
http://www.wcrf.org/int/research-we-fund/continuous-update-project-findings-reports/stomach-cancer
(これでベーコンやハムを騒ぐなら漬物や魚の干物を騒がないと)

  • 警察が強力な薬物を押収したため当局はアルバータの医師にW-18の過剰使用者が増えるだろうと警告

Authorities warn Alberta doctors they may start seeing W-18 overdoses after cops seize powerful drug
April 20, 2016
http://news.nationalpost.com/news/canada/authorities-warn-alberta-doctors-they-may-start-seeing-w-18-overdoses-after-cops-seize-powerful-drug
フェンタニルの100倍強力なW-18とみられる違法薬物を警察が大量に押収したため、カルガリーエドモントンの救急医は警告を受けた。法の執行機関がアルバータの首都で4kgのW-18を押収した。
この薬物の由来は中国と考えられている

  • バーモントはGMO表示法の意図的違反を標的にする

Vermont to target 'willful violations' of GMO labeling law
April 9, 2016 by By Lisa Rathke
http://medicalxpress.com/news/2016-04-vermont-willful-violations-gmo-law.html
7月1日にバーモント州がこの国で初めてのGM成分を含む食品への表示を要求する州になるのを控えて、州の司法長官は法の執行の標的を、その日より前に製造されてまだ販売されている製品ではなく、「意図的に破った」企業にするだろう、と述べた。移行期間は6ヶ月ある。司法長官の事務所には多数の問い合わせが寄せられている。GMAは州毎に違う規制より国レベルでの統一を求めている