食品安全情報blog過去記事

はてなダイアリーにあった食品安全情報blogを移行したものです

その他

  • オープンアクセスインデックスは数千の雑誌をリストから外す

Natureニュース
Open-access index delists thousands of journals
Monya Baker 09 May 2016
http://www.nature.com/news/open-access-index-delists-thousands-of-journals-1.19871
疑問のある出版社を外す努力の結果として約3300のタイトルを削除
しかしブラックリストを作っているJeffrey Beallはまだダメなものが含まれていると指摘。

Researcher under fire for New Yorker epigenetics article
Chris Woolston 09 May 2016
http://www.nature.com/news/researcher-under-fire-for-new-yorker-epigenetics-article-1.19874
遺伝子の調節を巡るSiddhartha Mukherjeeの記事を科学者が批判
5月2日にThe New Yorkerに記載されたエピジェネティクスの記事が遺伝子の調節について不正確に説明していると厳しく批判されている。この記事はコロンビア大学の医師でがん研究者で受賞歴のあるSiddhartha Mukherjeeの書いたもので、環境要因がいかにして遺伝子配列を変えることなく遺伝子の働きを変えるかを検討したものである。シカゴ大学の環境生態学者Jerry Coyneがこの記事は遺伝子調節の重要な部分を無視した「うすっぺらで誤解を招くものだ」という二つのブログ記事を投稿し議論になっている。他の研究者は「おそろしくダメージを与える」「全く読むに耐えない」などと呼び、Mukherjeeはオンラインで反論している。Natureの取材に対してMukherjeeは科学の重要な分野を無視したことは間違いだったと認めたが誤解を招こうとしたわけではないという。「私は正義を行ったと考えている」という。
Mukherjeeの記事は「同じ、だけど違う」という題でエピジェネティクスについての個人的見解をのべたものである。その話は彼の母親と、性格の違う一卵性双生児の叔母をとりあげたものである。Mukherjeeは2011年にベストセラーとなった本The Emperor of All Maladies: A Biography of Cancer (Scribner, 2010)でピュリッツァー賞を受賞している。一卵性双生児が傷害や感染やその他の偶然で、遺伝子の上にエピジェネティックマーカーが徐々に積み重なって行く。エピジェネティクスのメカニズムとしてMukherjeeはヒストン修飾とDNAメチル化を説明している。Coyneの批判の主要部分はMukherjeeの記事は遺伝子調節への寄与が比較的小さいヒストン修飾とDNAメチル化を過剰に強調し、確立されている調節機構である転写因子やRNA分子について無視した、ことである。
The New Yorkerはこの記事はMukherjeeのこれから出す本の「一部のみに焦点をあてた」ものであると支持する。
(日本の一般誌でこのくらいのレベルの議論ができるか?)

  • 「カビドクター」が調査に直面

'Mold Doctor' faces investigation
By: Randy Travis May 05 2016
http://www.fox5atlanta.com/news/i-team/136904322-story
自宅や学校や職場にカビが生えているのを発見し、心配性な人はオンラインで検索し、Michael Puglieseのような人物を発見する。FOX 5 Iチームはジョージア複合医事当局がそのゲーンズビルの男と彼の会社「国立環境疾患治療センター」を捜査していることを確認するメールを得た。Puglieseは「ワールドクラスの環境問題専門家」を自称し、ホメオパシーを提供している。彼は人々にカビを検査してその有害影響を治療するという一連の企業の背景にいる。彼はジョージアでもどこでも医師免許はないが自分をドクターだと主張している。たくさんの怒った彼の患者や従業員などが、彼のビジネスは絶望的な人々を搾取していると州に苦情を申し立てている。
(以下テレビ局の調査報告)

このカビの検査はMycotoxin Panelというもので尿中のカビ毒を測定する
詳細は以下
A Skeptical View of RealTime Laboratories and Its President, Dennis Hooper, M.D.
Stephen Barrett, M.D.
http://www.quackwatch.org/11Ind/hooper.html
"環境医environmental medicine"を自称する数百人の医師がこのような検査を根拠に診断・治療を行っている。代表的なのが化学物質過敏症で有名なWilliam J. Rea。まともな学会や機関(ACOEMやAAAAI 、CDC、NIOSHなど)は尿中マイコトキシン検査は役にたたないと言っている。
http://d.hatena.ne.jp/uneyama/20150224#p4
(environmental medicineはめんどくさい単語で、まともな分野を意味することもあればインチキ分野のこともある。この文脈だとインチキのほう)

  • 膨大なリコール食品リストが増え続けている−冷凍果物、野菜、炒飯、調理済みチキン

Huge food recall list continues to grow – frozen fruits, veggies, fried rice, cooked chicken affected
May 9, 2016
http://www.tri-cityherald.com/latest-news/article76592327.html
大規模食品リコールが全国で拡大し続けている

リステリアだけど製品数が膨大
FDA Investigates Listeria Outbreak Linked to Frozen Vegetables
http://www.fda.gov/Food/RecallsOutbreaksEmergencies/Outbreaks/ucm499157.htm
リスト
http://www.fda.gov/Safety/Recalls/ucm498841.htm
(オーガニック製品も多いが、どういう管理してるんだろう?)

  • マインドヒーリング:健康的な食生活が病気になるとき

Mind Healing: When healthy eating becomes a disorder
By Linda Blair 9 May 2016
http://www.telegraph.co.uk/wellbeing/mood-and-mind/mind-healing-when-healthy-eating-becomes-a-disorder/
摂食障害について、特にDSMにはまだ記載されていない正しい食事病について
健康的食生活への異常な執着により食事に関する制限が過剰になっていく精神疾患
最初の兆候は食が心配になる、特にネガティブな情動で。不安や罪悪感のほうが喜びや楽しみより多くなる。それから食べ方に厳格になる。良い食品と悪い食品の二分法で分類する。そしてみんなと一緒にではなく一人でこっそり食べるようになる。二つ以上あてはまるなら医師に相談したほうがいいかもしれない

  • プロバイオティクスは健康な成人にとってお金の無駄

Probiotics Are a Waste of Money for Healthy Adults
Daily Beast
http://www.thedailybeast.com/articles/2016/05/09/probiotics-are-a-waste-of-money-for-healthy-adults.html

Queensland girl given cannabis oil by father dies of cancer
May 10, 2016
http://www.9news.com.au/national/2016/05/10/01/51/queensland-girl-given-cannabis-oil-by-father-dies-of-cancer
父親が娘のがん治療のために大麻油を与え、娘は4才の誕生日から数日後死亡した
Rumer Roseは2014年12月に神経芽細胞種と診断され、生存率は50%と言われた。父親のAdam Koesslerは同年のクリスマスから、大麻油で調理した食品を与え始めた。別居している妻が少女の食べものにへんな臭いがすることに気がつき、医師に相談し医師が警察に通報してKoessler氏は昨年逮捕された。この事件がオーストラリアで大きく報道され医療用大麻の使用についての議論の口火を切った。3月に有罪を認めて500ドルの罰金と2年間の善行保証預託金(Good Behaviour Bond)。医師は大麻油はRumerの健康に良くも悪くもなかったと言っている。

  • 害獣蔓延対策として過去最大の1080投下−ニュースから

SMC NZ
Biggest ever 1080 drop to counter pest plague – In the News
May 10th, 2016.
http://www.sciencemediacentre.co.nz/2016/05/10/biggest-ever-1080-drop-to-counter-pest-plague-in-the-news/
国中の80万ヘクタール以上を対象に、ニュージーランドの歴史上最大の害獣コントロール作戦が行われる
「我々の鳥のための戦い2016」がこの冬始まる。強力な対策をしなければラットとオコジョの数が爆発的に増加し固有の鳥や昆虫、コウモリ、爬虫類が脅かされるだろう。1080が使われる。
保護大臣Maggie Barryが1080の使用を支持するプレスリリースで「生分解される1080が最も安全で最も効果的な害獣コントロール方である。もし我々の貴重な固有種を守りたければこれを使わなければならない。我々は間違った情報を拡散する非科学的反対キャンペーンを許すことはできない。」という。
以下ニュースへのリンク
(ドングリが豊作だったので増えることが予想されている。)

CDC to Chipotle: Public has a right to know about outbreaks
By Coral Beach | May 6, 2016
http://www.foodsafetynews.com/2016/05/cdc-to-chipotle-public-has-a-right-to-know-about-outbreaks/
連邦担当官はChipotleメキシカングリルの顧問弁護士による、人々には2015年後半に14州で少なくとも60人を病気にした大腸菌アウトブレイクの詳細について知る必要はないという主張を退けた。
Chipotleの弁護士であるBryant “Corky” MessnerはCDCに対してアウトブレイク進行中の11月の情報提供が間違っていて法律違反だという趣旨の文書を2015年12月21日に送付した。CDCはこれに対して4月15日に文書を送付し、それを今週公開した。CDCの疫学副部長Jeremy Sobel博士はCDCは法の精神に則って対応したと述べている。
以下やりとりの詳細など
(これChipotleが消費者の安全より金儲けが大事だと白状したことになるんだけど。)

  • 専門家に聞こう ヤギのミルクと牛乳:対決

Ask the Experts
Goat's Milk and Cow's Milk: A Faceoff
by Berkeley Wellness | May 09, 2016
http://www.berkeleywellness.com/healthy-eating/nutrition/article/goats-milk-and-cows-milk-faceoff
Q: ヤギのミルクと牛乳はどう比べられる?
A:ヤギのミルクの方がいいと主張する人たちがいるが、栄養の差はあっても少ない。欠点としては牛乳より種類が少ない、殺菌されていないものがあるので安全のためには殺菌されていることを確認する

  • 大豆食品の賛否両論

Pros and Cons of Soy Foods
by Leslie Goldman | May 09, 2016
http://www.berkeleywellness.com/healthy-eating/food-safety/article/pros-and-cons-soy-foods
大豆が米国の主流になった。幼児は枝豆を食べ、Chipotleはスパイシーマリネ豆腐ブリトーを売り、多くの人がソイミルクラテを飲んでいる。しかしイソフラボンががんに関係するという懸念もある。その複雑で矛盾の多い現在進行中の大豆と健康についての研究をみてみた。
以下良い話、良いかもしれない話、安全上の懸念など
基本は食品としての大豆を食べることでサプリメントは避けること