食品安全情報blog過去記事

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2016年5月24日の会議の議題

COT Meeting: 24 May 2016
http://cot.food.gov.uk/cot-meetings/cotmeets/cot-meeting-24-may-2016
の、乳児食のヒ素についてのペーパー
Second draft statement on potential risks from arsenic in the diet of infants aged 0 to 12 months and children aged 1 to 5 years
http://cot.food.gov.uk/sites/default/files/tox2016-21.pdf
前回の議論で、土壌からのヒ素暴露、井戸水からの暴露の可能性、JECFAのBMDL0.5 (3.0 μg/kg bw/day)とEFSAの最も低いBMDL01 (0.3 μg/kg bw/day)のどちらを使うかについての説明などが求められた。
土壌データはイングランドは中央値14 mg/kg で 95thパーセンタイルは32 mg/kg、ウェールズは18 mg/kgと36 mg/kg。(注:日本の土壌も平均ではそれほど変わらない。一部極端に高いところがあるけれど)土壌を飲み込む量は6-12ヶ月の子どもが60 mg/dayで、1-5才は100 mg/dayを使った(EPAのデフォルト値)。ただし生物学的利用度は60%ではなく100%とみなした。
EFSAのBMDL01のもとになった研究(症例対照研究)よりJECFAのBMDL0.5の研究(質の高い前向きコホート研究)の方が質が高いので3.0 μg/kg bw/dayを採用。
この声明では「無機ヒ素」とは亜ヒ酸(As(III)) ヒ酸(As(V))およびモノメチル化ヒ素(メチル亜アルソン酸(MMAIII) とメチルアルソン酸(MMAV)としてのモノメチルヒ素MMA)の合計を指す。
食事(母乳やミルク含む)、水、土壌からの暴露量を合計すると6から18ヶ月までの子どもの暴露マージンは2-10で、健康上のリスクとなる。
ALARP(合理的に実行可能な限り低く)を維持すべき