食品安全情報blog過去記事

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論文

  • 子どものグルテンフリーダイエット:リスクが利益を上回るか?

The gluten-free diet in children: Do the risks outweigh the benefits?
13-May-2016
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-05/ehs-tgd051016.php
The Journal of Pediatricsに発表された意見。
2013年から2015年の間にグルテンフリー食品産業は136%の増加を示したがセリアック病がそれだけ増えているわけではない。2015年に1500人のアメリカ人に尋ねた調査ではグルテンフリー食品を選ぶ理由として最も多かったのは「理由はない」だった。この意見の著者コロンビア大学医学センターNorelle Reilly博士によるとグルテンフリー食についての誤解の一つはデメリットのない健康的なライフスタイルである、というものである。もう一つはグルテンが毒であるというものでそれらに根拠はない。

このプレスリリースのニュース記事
グルテンフリー食品はセリアック病ではない子どもにとって健康的ではない
Gluten-Free Food Not Healthier For Kids Without Celiac Disease –
15 May 2016, By Rhodi Lee
http://www.techtimes.com/articles/158396/20160515/gluten-free-food-not-healthier-for-kids-without-celiac-disease.htm
セリアック病の人はグルテンに過敏なので消化が難しい。セリアック病と診断された子どもの家族には特別な食事が必要になるかもしれない。
不幸なことに、子どもが病気でもないのに、より健康的なものを与えていると信じてグルテンフリー食を与える保護者が増えている。「子どもの健康を心配して、病気の検査や栄養士への相談なしに、症状が良くなったり病気を予防したりより健康的と信じて親たちが子どもにグルテンフリー食を与えている。」コロンビア大学医学センターNorelle Reillyが言う。グルテンフリー食品はセリアック病の子どもには薦められるがそうでない子どもにとっては健康的な代用品ではない。例えばグルテンを含む食品より脂肪や砂糖やナトリウムが多かったりする。2014年のConsumer Reportsの調査ではグルテンフリー食品にはコメをベースにしたものが多く、コメは他の食品よりヒ素が多いのでがんリスクに関連する。
(コメのヒ素が常識レベルになりつつあるようだ)

Obesity on the rise in Indonesia
12-May-2016
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-05/uos-oo051216.php
PLOS ONEに発表されたシドニー大学の研究。栄養不良と過剰栄養が同時期に同じ場所でみられる。子どもの発育不良が多いのは出生時の体重が少ない、両親が背が低いまたは低体重、母親が教育を受けたことがない、田舎の人。一方肥満が多いのは最も若い集団で、男の子、両親が肥満または過体重、父親の教育レベルが高い。

  • 喫煙者にCOPD症状はよく見られる、診断されていなくても

COPD symptoms common among smokers, even when undiagnosed
16-May-2016
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-05/uomh-csc051316.php
New England Journal of Medicineに発表された新しい研究によると、喫煙者は慢性閉塞性肺疾患と診断されていなくてもその症状を示すことを発見した。喫煙者、もと喫煙者、一度も吸ったことがない2700人の呼吸器の症状と肺活量のデータを調査した。現在またはかつて喫煙していた人の約半分がCOPD同様の症状を経験していて症状の再燃リスクが増加している。