食品安全情報blog過去記事

はてなダイアリーにあった食品安全情報blogを移行したものです

論文

  • 塩の摂取量の多さは慢性腎疾患患者のCVDリスクを増やす

Higher salt intake may increase risk of CVD among patients with chronic kidney disease
24-May-2016
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-05/tjnj-hsi052016.php
JAMAの5月24/31日号に発表された研究で、3500人以上の慢性腎疾患患者の尿中ナトリウム排泄量と臨床的CVDイベントを検討した。各種リスク要因とは独立して、尿中ナトリウム排泄量の多いことがCVDリスクの増加と関連することを発見した。

  • 胸から直接授乳された赤ちゃんは耳の感染リスクが低い

Babies fed directly from breast may be at less risk for ear infections
24-May-2016
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-05/nch-bfd052416.php
Journal of Pediatricsに先週発表された全国子ども病院研究所のSarah Keim博士らの研究によると、直接授乳の方が搾乳したものをボトルに入れて与えるより耳の感染リスクが少ないかもしれず、調整ミルクに比べて母乳は下痢リスクを減らすかもしれない。491人の母親の調査。ミルクのみで育てる意向の母親はこの研究には含まれない。4人中3人は最初の12ヶ月間、直接授乳、搾乳、ミルクの混合。一ヶ月の直接授乳は耳の感染オッズの4%削減、6ヶ月の直接授乳は17%削減。母乳のみを与えられている乳児のうち、搾乳したものを1ヶ月与えられていると約14%の耳の感染増加、6ヶ月だと115%。下痢については6ヶ月どちらかの方法で母乳を与えられていると25%、直接授乳で26%のリスク削減
この研究では授乳パターンに大きな社会経済的違いがあることを明らかにした。母乳を与えている母親はミルクを与えている母親より社会経済的地位が高い。母乳でもミルクでもほ乳瓶を使っている女性は直接授乳している人より社会経済的地位が低い。
(今度は直接授乳がベスト、一番豊かな人たちがそうだからだって?どんな思いで職場で搾乳していると思っているんだろう?そんなちっぽけなメリット(?)のために負荷の多い人たちにさらに負荷をかけてどうする?母乳研究の世界ってどうしてこうなんだろう。仕事するならミルクでいいよ、大した問題ではない。)

Zika conspiracy theories on social media putting vulnerable people at risk
24-May-2016
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-05/e-zct052416.php
Vaccineに発表された米国でのソーシャルメディアのリアルタイム解析。小頭症はMMRワクチンのせいで製薬会社がZikaワクチンを売るためにZikaウイルスのせいにしているのだといった疑似科学的主張がTwitterで見られ、そうした情報に影響を受けやすいのは事実にアクセスできない最も脆弱なコミュニティーである。

  • 注意して焼くように:バーベキューブラシのワイヤーの剛毛が重大な傷害の原因となりうる

Grill with caution: Wire bristles from barbecue brushes can cause serious injuries
24-May-2016
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-05/uom-gwc052416.php
メモリアル・デーの週末から夏のバーベキューシーズンが始まると多くの人が考えるが、ワイヤブラシで掃除したグリルを使って調理した食品を食べるときには注意。ミズーリ大学医学部の研究によると2002年以降ワイヤブラシによる傷害が1600件以上報告されている。掃除の時に抜け落ちたブラシの毛が食品についてそれを食べて口や喉に怪我をする。
Otolaryngology-Head and Neck Surgeryに発表。

  • 抗生物質は牛にガスを与え気候変動に寄与するかもしれない

Scienceニュース
Antibiotics may give cows gas, contribute to climate change
By Sid PerkinsMay. 24, 2016
http://www.sciencemag.org/news/2016/05/antibiotics-may-give-cows-gas-contribute-climate-change
研究者らが牛にテトラサイクリンを3日与えた場合の糞尿からのメタン産生への影響について調べたところ、投薬していない牛の堆肥に比べて80%多いことをProceedings of the Royal Society Bに発表した。これは抗生物質に感受性の高い菌が抑制されてメタン産生菌が相対的に増えたためであろうと研究者らは考えている