食品安全情報blog過去記事

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その他

  • 専門家に聞こう プロバイオティクスの前にプレバイオティクス?

Ask the Experts
Before Probiotics, Prebiotics?
by Berkeley Wellness | May 24, 2016
http://www.berkeleywellness.com/healthy-eating/nutrition/article/probiotics-prebiotics
Q:プロバイオティクスについてはたくさん聞いたことがあるが、最近プレバイオティクスという用語を聞いた。これは何?
A: プレバイオティクスはプロバイオティクスの栄養になる成分のことを指す。典型的には私達が消化吸収できないが腸内細菌は消化できる、繊維やある種の糖で、それにより最近の増殖や活動を促進する。フルクトオリゴ糖やガラクオリゴ糖ラクツロース、イヌリンなどがある。
プレバイオティクスは天然に多くの炭水化物を含む食品に少量含まれる。最近ますます食品に添加されるようになった。またダイエタリーサプリメントとしても販売されている。
プロバイオティクスのようにプレバイオティクスも腸内の細菌のバランスを変える。お腹の調子などのようなプロバイオティクス同様の多くの健康上のメリットが宣伝されているが、ほとんどの研究は動物や試験管である。ヒトでの僅かな試験でカルシウムやマグネシウムの吸収を促進するという報告がある。
基本:プレバイオティクスは安全だとみなされているのでヨーグルトやその他の食品に加えられたものを食べるのは大丈夫。少なくとも食物繊維にはなる。しかしプロバイオティクス同様、どの状態にとって何が良いのかは明確ではない。大量に摂ると腹痛や下痢などが起こる可能性がある。天然にオートミールや大麦やアスパラガスなどに含まれている。サプリメントは薦めない。

  • 命名ゲーム:如何にして非倫理的な環境団体や有害な狂信者があなたを単語で怖がらせるか

The Name Game: How Unethical Environmental Groups and Toxic Fanatics Scare You With Words
Paperback – May 17, 2016
by Josh Bloom Ph.D. (Author)
http://www.amazon.com/Name-Game-Unethical-Environmental-Fanatics/dp/0991005570/
もともと中立の意味だった科学の用語が恐怖とパニックを引き起こす単語に操作されていることを記した本。オーガニックとか農薬とか

  • 残念ながら、朝食にはそんな魔法の力はない

Sorry, There’s Nothing Magical About Breakfast
Aaron E. Carroll
THE NEW HEALTH CARE MAY 23, 2016
http://www.nytimes.com/2016/05/24/upshot/sorry-theres-nothing-magical-about-breakfast.html?_r=0
私は朝食を食べない。嫌いなわけではない、朝だろうと昼だろうと私は卵やワッフルを食べる。単に仕事に出掛ける朝7:30にはお腹が空いていないというだけの理由だ。
実際昼までに空腹感を覚えないので、朝のコーヒー以外はあまり食べない。この習慣のせいでこれまで何度も私がいかに自分を傷つけているかを聞かされてきた。一日のうちで最も重要な食事を抜くなんて馬鹿じゃないか、と。
多くの栄養に関する助言と同様、我々の朝食のパワーへの信念はバイアスのある研究と間違った提示に基づく。多くの朝食研究は因果関係ではなく関連を示すものである。さらに出版バイアスがある。栄養研究者らは朝食を抜くと太るという研究を発表したがる。他の研究の引用においても不適切な言葉を使い、朝食を抜くのは悪いことだと信じたがっている。数少ないRCTでは朝食の必要性を支持していない。
多くの研究には食品企業からのお金が出ているが、広く引用されている朝食シリアルを食べることは痩せていることと関連するという研究はケロッグがお金を出している。オートミールやフロストコーンフレークを朝食べることが体重とコレステロールを減らすという研究はQuaker Oatsがお金を出している。
朝食が重要だという根拠には混乱がある。お腹が空いているなら食べればいい。しかし抜いたからといって罪悪感を感じる必要はない。朝食に神秘のパワーはない。

  • 糖尿病が手術適用に−専門家の反応

SMC NZ
Diabetes goes under the knife – Expert reaction
May 25th, 2016.
http://www.sciencemediacentre.co.nz/2016/05/25/diabetes-goes-under-the-knife-expert-reaction/
新しいガイドライン2型糖尿病の肥満患者に外科手術を薦めるが、研究者らはニュージーランドには手術を標準治療とするためのリソースと能力がない、という。
(BMI40以上の人ってそんなにいるんだろうか)

  • 医学研究:糖尿病について考え方を変えるとき

Nature
Medical research: Time to think differently about diabetes
Francesco Rubino 24 May 2016
http://www.nature.com/news/medical-research-time-to-think-differently-about-diabetes-1.19955
2型糖尿病の手術による治療の新しいガイドラインは完治への希望を支えるが、長年にわたる先入観を捨てなければならない、とFrancesco Rubinoは書く
今週Diabetes Careに発表された2型糖尿病の臨床ガイドラインはほぼ1世紀にわたる治療の歴史の中で最も劇的な変更があった。適用患者に対して胃または消化管の手術を標準治療法として提案している。これは多数の臨床試験で手術がライフスタイルの変更や薬物治療より血糖を改善することが示されてきたためである。
(いかにもアメリカっぽい。日本人にはあまりあてはまらないんだろうけど)

  • 遺伝子組換え(GM)植物:Q & A

英国王立学会
Genetically modified (GM) plants: questions and answers
May 2016
https://royalsociety.org/topics-policy/projects/gm-plants/
社会が新しい技術や科学的方法を利用するかどうか理性的に議論するためには、関係者全てに信頼できる情報が入手できることが必要である。
英国人の半分はGMについて十分な情報が与えられているとは思っていない。GMに関する議論は科学的根拠に基づかないものがある。全ての質問に答えがあるわけではないが、わかっていることもたくさんある。
以下説明
図や写真がたくさん。食品に遺伝子が含まれるか、といった質問からあつかっている

BBCがこれを報道して
王立学会が欧州のGM禁止を見直すよう求める
Royal Society calls for review of European GM ban
24 May 2016
http://www.bbc.com/news/science-environment-36359682
学会長のVenki Ramakrishnan教授が技術を丸ごと禁止にするのは不適切、という
米国科学アカデミーの報告も結論は同じ。
ただしSoil Associationは学会が偏っていると主張。

Dear Prince Charles: an open letter about homeopathy from a chemist
May 13, 2016 Mark Lorch教授
http://theconversation.com/dear-prince-charles-an-open-letter-about-homeopathy-from-a-chemist-59412
殿下
あなたは最近抗生物質の過剰使用を解決するためにホメオパシーを使おうと提案する演説をしました。あなたのスピーチは国際的科学者や政府の役人を集めて行ったものであることから、あなたは自分がホメオパシーの長所を説明する資格がある者だとみなしていることは明らかです。
ですから私の質問に答えて下さい。
(以下いつもの指摘なので略
ロンドン王立学会で開催された抗生物質耐性サミットでスピーチをしたらしい。所有する有機農場の家畜にはホメオパシーを使っているし、ついでに「我慢すれば」回復するヒトの軽い感染症には抗生物質使用禁止と言ったらしい。誰だよ呼んだの)

  • 環境団体が一部の日焼け止めの危険性を警告、他の団体が反論

Environmental group warns of danger in some sunscreen, others protest
Denver Channel
May 24, 2016
http://www.thedenverchannel.com/lifestyle/health/environmental-group-warns-of-danger-in-some-sunscreen-others-protest
EWGが恒例の日焼け止めガイドを火曜日に発表した。750の製品について調べて3/4が日光からの保護が不適切だったり有害化合物を含むとして不適切としている。EWGが分類した理由はいろいろである。これに対して、昨年も間違いを指摘した皮膚がん財団がこれらの化合物の安全性は研究されていて、危険性があるのは普通でない高用量に暴露された時だけである、という。アメリカ皮膚科学会の広報担当で皮膚科医のJoel Cohenは、「あなたが自分の使っているものを知ることは重要だが、EWGの研究には信頼性に疑問がある」、という。一部のデータは非常に古い時代の齧歯類の研究である。このような発表が、日焼け止めを使わないことにつながるのを心配している。日焼けは悪性黒色腫リスクがある。
大事なことは、適切な成分の日焼け止めは安全で有効である。二時間ごとに塗り直すことと相当量を塗ることが重要である。
(EWGのリストなんか使っても安全性は高まらないけど)