食品安全情報blog過去記事

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FDAは食品企業向けに加工および市販の調理済み食品の自主的ナトリウム削減ガイド案を発表

FDA issues draft guidance to food industry for voluntarily reducing sodium in processed and commercially prepared food
June 1, 2016
http://www.fda.gov/NewsEvents/Newsroom/PressAnnouncements/ucm503874.htm

  • FDAは企業向け自主的減塩ガイドを発表

FDA Issues Draft Guidance to Industry for Voluntarily Reducing Sodium
June 1, 2016
http://www.fda.gov/Food/NewsEvents/ConstituentUpdates/ucm504264.htm
FDAは本日食品企業向けの自主的減塩目標ガイド案を発表し、パブリックコメントを募集する。案では短期(2年)目標は1日ナトリウム3000mg、長期(10年)目標は1日ナトリウム2300mgを目指す。約150の食品分類をカバーする目標値は多くの既存の努力を補完するものである。
アメリカ人はほとんどの専門家が薦める量の約50%多いナトリウムを摂っている。3人中1人が高血圧で、それは食事からのナトリウム摂取量の多さと関連し心疾患と脳卒中の主要リスク要因である。ナトリウム摂取量の多くは加工および調理済み食品由来である。
意見は2016年8月31日まで受け付ける。
Sodium Reduction
http://www.fda.gov/Food/IngredientsPackagingLabeling/FoodAdditivesIngredients/ucm253316.htm
レストランで提供される食品も減塩対象。
解説に、塩はGRASであるがGRASに制限を設けることができるとしている。
食品分類ごとの具体的目標値が設定してあって、例えば醤油(soy sauceという項目がある)は2010年ベースライン平均が6833、短期目標4250-6100(mg/100g、数字いくつかある)、パン粉をまぶしていないシーフードはベースライン平均409、短期目標310-550、ドレッシングをかけたグリーンサラダはベースライン平均323、短期目標210-400など

  • 食品供給網の塩を減らす

Reducing Sodium in the Food Supply
June 1, 2016 by FDA Voice
By: Susan Mayne, Ph.D.
http://blogs.fda.gov/fdavoice/index.php/2016/06/reducing-sodium-in-the-food-supply/
Yale公衆衛生大学院の慢性疾患疫学部の前部長として、私はナトリウムと慢性疾患の関連についての根拠の全体性を批判的に吟味してきた。データは明確である:アメリカ人の食事はナトリウムが多すぎる。一人の科学者として、元大学研究者として、そして今は政策決定者として、私はFDAが本日企業向けの減塩目標案を発表したことを正しい一歩だと確信している。このガイダンスは既に多くの製造業者が減塩のために行っている努力を補完するものである。
我々は食品企業やレストランがこの問題について必須の役割を果たすことを認識しているため、徐々に減塩することで企業と一緒に対応している。
科学の示すこと
ナトリウムの摂取と血圧の関連は強く、よく研究されている。高血圧は心疾患と脳卒中の重要なリスク要因である。1日2300mg以下に減塩する必要性についてはIOMなどの専門家団体の間で強い合意がある。現在の摂取量から減らした方がよいことを示し続けている。
実際には現在の市場でナトリウムを摂りすぎないことは非常に難しい。平均摂取量は3400mg以上で推奨されるガイドライン値である2300mgを相当上回っている。そして大人だけでなく子どもや若者も推奨量以上を摂っている。
我々のアプローチ
FDAのアプローチはこの問題の解決のための技術的課題も考慮している。このためFDAは市販されている数千の製品のナトリウム含量を評価し企業や大学や政府の専門家が参加して最良の科学的技術的知見を得た。ナトリウムは多くの食品にとって味やテクスチャーや微生物安全性などの重要な機能を担い、単純に排除することはできないことを知っている。我々のアプローチはナトリウムを含む多くの食品から徐々にナトリウムを減らしていくことである。ナトリウムは我々が含量が多いと考える食品だけでなく多くの異なる食品に由来する。そのため我々はナトリウムを含む食品を150のカテゴリーに分類しそれぞれに目標値案を設定した。このアプローチは画一的戦略より正確であるだけでなく食品により減塩の余地が異なることも考慮した。
さらに我々の目標案は加工食品と外食にも適用される。2年と10年の目標があるのは一部の削減は簡単だがさらなる削減には開発のための戦略が必要だからである。
我が国の食品のナトリウム含量は多すぎる、まだやるべき重要なことがある。本日の発表により、我々は企業と密接に協力して食品のナトリウムを減らし公衆衛生を向上させるための最良の道筋を進んでいく。

(基本的にはトランス脂肪酸と同じような話なのだが、日本人にとってはより重大なこのニュースが日本でどう報道されるだろう?多分トランス脂肪酸ほど報道されないと思う。)