食品安全情報blog過去記事

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外を焦がさず中まで調理しよう:グリルのコツについてのBfRウェブ映像

Cooked on the inside, but not charred on the outside: BfR web film on the art of grilling
22.06.2016
http://www.bfr.bund.de/en/press_information/2016/24/cooked_on_the_inside__but_not_charred_on_the_outside__bfr_web_film_on_the_art_of_grilling-197831.html
グリルに関する健康リスクについて「BfRの100秒」は情報を提供する。
夏の開始に間に合うように、ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)はホームページ上で「グリル」についての新しい映像を発表する。「BfRの100秒」シリーズのこの映像で、消費者は肉、ソーセージ、魚を焼くときに健康リスクを避けるために気を付けるべきことを学ぶ。「焼くコツは低温でゆっくり調理することである」とBfR長官Dr. Andreas Hensel氏は述べた。「肉は外を焦がさずに中まで完全に調理するとよい。」食品の衛生的な取り扱いと正しい冷やし方も夏のグリルの重要な側面である。
暖かい季節には食品中の病原菌が急速に増殖するため食中毒リスクは特に高い。これはとりわけ肉、ソーセージ、魚のような動物由来の生の食品に当てはまる。全病原菌を確実に死滅させるには、肉を必ず完全に調理する必要がある。これは例えばネックステーキでは、肉の中心部の色がピンクや赤からグレーに変化することで示される。
一方、食品は過度の熱で焦がさないようにするべきである。発がん性の疑いのある複素環芳香族アミン(HAA)のような望ましくない物質が生じる恐れがある。肉の外面を焦がさずに中を完全に確実に調理するには、過剰に高温にすることなく低温でゆっくり調理するべきである。このためには、肉が炎で直接調理されないようにバーベキューグリルは高い位置に設定し、炭が分散していることを確認するとよい。
バーベキュー時には食品の衛生的な取り扱いが重要である。特に生の動物由来食品は、食べる前に再加熱しないすぐに食べられる食品と接触しないようにしなければならない。これは、消費者は生やマリネした肉と魚をよく冷やした状態を保ち、野菜やサラダとは離して調理しなければならないという意味である。生のバーベキュー用肉は、調理した肉に使用するトングとは別のトングで触らなければならない。さらに、肉とサラダ用ソースはよく冷やして食事の直前に出すべきである。サルモネラ菌は約7℃で急速に増殖するので、暖かい季節にはマヨネーズやデザートなど生の卵を避けるべきである。
グリル中に、燃えさしに脂肪や油が滴ると発がん性多環芳香族炭化水素(PAHs)が形成されることがある。これを避けるために、あらゆる液体を受け止めるグリル皿を使用するべきである。グリル皿から食品にアルミニウムイオンが移行する可能性がある。だが、リスク評価によると、BfRはアルミニウム皿の使用は理にかなった選択肢であるという意見である。アルミニウムは塩と酸に接触すると溶けだすので、食品へのアルミニウムの移行を最小化するために、可能であれば、バーベキューに使用する食品は焼く工程の最後に塩や調味料を使うべきである。
亜硝酸塩を含む塩漬けした肉やソーセージ食品は全てバーベキューすべきではない。包装された製品の場合は、成分表に、亜硝酸塩が含まれるかどうかを表示しなければならない。亜硝酸塩を含む食品を加熱すると発がん性のニトロソアミンが形成されやすい。
グリルについての映像「BfRの100秒」はBfRのホームページ上www.bfr.bund.deでアクセス可能。グリルについてのさらなる情報はBfRが発表したFAQで見ることができる。http://www.bfr.bund.de/en/frequently_asked_questions_about_barbecues-60851.html