食品安全情報blog過去記事

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その他

  • スタチン関連メディア報道がスタチン使用に与えた影響についての研究への専門家の反応

SMC
expert reaction to study on the impact of statins-related media coverage on the use of statins
June 28, 2016
http://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-study-on-the-impact-of-statins-related-media-coverage-on-the-use-of-statins/
メディア報道とスタチン使用の関連についての研究がBMJに発表された
オックスフォード大学臨床試験サービスユニット共同部長で医学疫学教授Rory Collins卿
著者のMatthewsらは2013年10月のBMJに発表されたスタチンの副作用についての誇大な主張が公衆衛生に害を与えたことの根拠を発見した。この主張の発表後、スタチン治療を止める人が増え、スタチンが必要かどうか医師に診察を受ける人が減った。このために英国だけで2000-6000人がスタチンを使わなかったための命に関わるあるいは致死的心臓発作や脳卒中をおこしたと推定される。世界的影響はもっと大きいだろう。BMJはその責任をとるべきである。
Open大学応用統計学名誉教授Kevin McConway教授
これは質の高い研究で明確に報告されている。この結果は驚くべきことではない。ただしこれまでの報告と比べて影響がとても大きいわけではない
オックスフォード大学臨床試験と疫学教授で臨床試験サービスユニットと疫学研究、公衆衛生名誉コンサルタントJane Armitage教授
正確な情報に基づく議論は役にたつがスタチンの議論がニュースになったのはBMJにスタチンの副作用がRCTより多いと主張する二つの論文が発表されたためである。この英国の研究は注意深く行われ規模も大きいが観察研究なのでメディアのせいでスタチンの使用を止めたことを確信はできない。但し時期は一致していてこれまでのオーストラリアやデンマークでの報告と一致している。この論文が試みているように、公衆衛生への有害影響を定量化するのは重要である

  • 欧州委員会は議論になっている除草剤を土壇場で一時的に救う

Scienceニュース
European Commission gives controversial weed killer a last-minute reprieve
By Erik StokstadJun. 28, 2016
http://www.sciencemag.org/news/2016/06/european-commission-gives-controversial-weed-killer-last-minute-reprieve
農家にとってほっとしたことに、グリホサートは欧州市場にさらに18ヶ月留まることになった。6月30日が期限だったが政治的行き詰まりで決定できなかった。2017年12月まで認可を延長した。この決定は今日の健康食品安全コミッショナーVytenis Andriukaitisの記者会見中に言及され、明日公式発表されるだろう。AndriukaitisはECHAがグリホサートのレビューを完了するまで18ヶ月の延長を与えた。加盟国の一部は投票前にECHAの意見を知りたいと言っていた。

  • 英国の科学者が離脱ショックの後不安定に

Natureニュース
UK scientists in limbo after Brexit shock
Alison Abbott, Daniel Cressey& Richard Van Noorden
28 June 2016
http://www.nature.com/news/uk-scientists-in-limbo-after-brexit-shock-1.20178
英国がEU離脱準備をするなかで研究者らは科学のためにロビー活動を組織する
Brexit’が科学にどう影響するのかについて誰も確実なことはわからないが、多くの科学者が長く続くダメージを心配している。資金の不足と国を超えた移動がし難くなることを恐れている。離脱派は移民の受け入れを拒否しつつEUからの研究費はこれまで通りもらえると主張しているがEU加盟国ではないスイスは2014年に移民の制限を決めてから研究者の研究費へのアクセスを制限されている。
(いろいろ略)
英国Sheffield大学の科学政策研究者James Wilsdonは、「EUの資金についての疑問以上に、英国の研究者が真剣に取り組まなければならない基本的問題がある:つまりほとんどの大学の専門家や研究団体やその他専門家達がEU残留を望んだのに、それが一般の人たちから無視されたということである。52%の人々に拒否されたということについて猛省が必要である。」という
(現状の不満を外からやってきた○○のせいだとするアジテーターに勝てる気はしないのだけれど。扇動合戦をしてはいけない、としか。)

PepsiCo announces to bring back Diet Pepsi with aspartame
June 29, 2016
http://www.businesstoday.in/current/world/pepsico-announces-to-bring-back-diet-pepsi-with-aspartame/story/234370.html