食品安全情報blog過去記事

はてなダイアリーにあった食品安全情報blogを移行したものです

論文

  • パスタは太る原因ではない、むしろ逆

Pasta is not fattening, quite the opposite
4-Jul-2016
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-07/inmn-pin063016.php
最近パスタが太ると評判が悪い。食べる量を減らす、あるいは全く食べるなという主張すらある。イタリアのI.R.C.C.S. Neuromed疫学部のNutrition and Diabetesに発表された研究でイタリアの栄養健康調査のデータを解析した。パスタの摂取は体重増加と関連しない。パスタは健康的な食生活の一部を構成できる。

  • 不飽和脂肪の摂取量の多さが死亡率の低さに関連する

Higher consumption of unsaturated fats linked with lower mortality
5-Jul-2016
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-07/htcs-hco063016.php
JAMA Internal Medicineに2016年7月5日発表される研究によると、不飽和脂肪の摂取量の多さは死亡率の低さと関連する。飽和脂肪とトランス脂肪の摂取量の多さは同じカロリーを炭水化物からとった場合に比べて高い死亡率と関連する。これらの結果は2015-2020アメリカ人のための食事ガイドラインの、脂肪の総摂取量ではなく脂肪の種類のほうが重要であることを支持する。医療従事者大規模研究に参加した126233人のデータを解析したもの。
(単価および多価不飽和脂肪の摂取に関連する死亡率の低下は飽和脂肪やトランス脂肪と比べたのではなく、同じカロリーの炭水化物と比べた場合であることに注意。総脂肪を炭水化物に置き換えても死亡率が高くなる。)

  • 補助を受けている食品からのカロリー摂取量が多いことと心臓代謝リスクが関連

More calories consumed from subsidized food commodities linked to cardiometabolic risks
5-Jul-2016
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-07/tjnj-mcc063016.php
NHANESのデータを用いてアトランタCDCのKaren R. Siegel博士が解析したところ、連邦農務省が補助金をつけている作物、トウモロコシ、大豆、小麦、コメ、ソルガム、乳製品、家畜とそれ由来食品からのカロリー摂取量が多いことと肥満リスクの高さが関連する。JAMA Intern Med
この研究へのコメントとしてテキサス大学のRaj Patel博士が「如何にして社会は巨大食品企業と健康不良を援助しているか」と書いている。
(食糧を安く供給しようとすることが肥満の原因だと言われるとどうしようもない。悪いのはトウモロコシなど食品そのものではなく食べ過ぎる人だと思うんだが)

  • エネルギー密度の高い食品の摂取がメキシコでの課税後減少

Energy-dense food consumption declines after Mexico's tax
5-Jul-2016
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-07/p-efc070116.php
2014年にメキシコが、スナックや冷凍デザートのような、必須でないエネルギー密度の高い食品に課税してから、課税対象となった食品の購入が減少した。PLOS Medicineの糖尿病予防特別号に発表。
2014年、メキシコは100gあたり245kcal以上の必須でない食品に8%の課税を導入した。家計支出データを追跡して、課税前と比べて課税後の、課税対象食品購入容量が減っている(1ヶ月一人あたり25g)ことを発見した。

  • 長生きは健康と関連、百才研究が発見

Living longer associated with living healthier, study of centenarians finds
5-Jul-2016
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-07/aeco-lla070516.php
約3000人の研究で、百才以上の人は病気の発症時期が数十年遅く、病気でいる期間が短い。
Journal of the American Geriatrics Societyに発表されたAlbert Einstein College of Medicineの研究

  • 研究者らが多数の有毒魚を集計する、医療への応用可能性

Researchers tally huge number of venomous fishes, tout potential for medical therapies
5-Jul-2016
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-07/uok-rth070516.php
Integrative and Comparative Biologyに発表された論文で、有毒水棲生物のカタログを作った。淡水魚と海水魚で毒素が18回別々に進化してきたことを示す。
他に、ヘビやトカゲと違って、魚の場合毒牙を進化させたものはほとんどいない、魚の毒は主に防御目的、海水魚は幅広く毒があるが淡水魚は主にナマズのみで毒がある、深海鮫の約30%が有毒で、深海硬骨魚の約5%に比べて多い、など。

  • HPVワクチンは若い女性の頸部異常を減らす、研究が発見

HPV vaccination reduces cervical abnormalities in young women, study finds
Jul 05, 2016
http://www.cbc.ca/news/health/hpv-vaccine-1.3664904
HPV予防接種を受けた若い女性はがんになる可能性のある頸部異常が、予防接種をしていないヒトと比べて有意に少ない。1万人以上を対象にした研究。
HPVワクチンは極めて効果的である。
またGardasilに新しいリスクがあるという根拠はなかった。
さらに予防接種を受けた女性の方がPap検査もより行っている。理由は不明だが予防接種をする際に親がHIV感染のリスクも説明しているためではないかと想像している。予防接種をするとリスクが低くなるのでスクリーニングの間隔は再検討する必要がある。
CMAJに発表された論文
Effect of human papillomavirus vaccination on cervical cancer screening in Alberta
http://www.cmaj.ca/content/early/2016/07/04/cmaj.151528