食品安全情報blog過去記事

はてなダイアリーにあった食品安全情報blogを移行したものです

論文

Radiologists do not face elevated risk of radiation-related mortality
19-Jul-2016
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-07/rson-rdn071216.php
1940年以降に医学部を卒業した放射線科医の、がんなどのような放射線関連疾患による死亡リスクは増えてはいない。Radiologyに発表。1916年から2006年の間に医学部を卒業した放射線科医43763人と精神科医64990人を比較した研究。1940年以降に医学部を卒業した男性放射線科医はがんによる死亡では精神科医と同程度、全ての原因による死亡では精神科医よりリスクが低い。

  • 炭水化物や飽和脂肪の代わりに健康的脂肪を食べることは糖尿病のリスク要因を改善する

Eating healthy fats in place of carbs or saturated fats improves risk factors for diabetes
19-Jul-2016
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-07/tuhs-ehf071416.php
PLOS Medicineに発表された大規模メタ解析

  • 米国がん学会はCDCのHPVワクチン推奨を支持

American Cancer Society endorses HPV vaccine recommendations from CDC
19-Jul-2016
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-07/acs-acs071416.php
ACSはHPVワクチンを11-12才の女の子だけでなく男の子にも接種するようガイドラインを更新
さらにこれまで予防接種をしていない青少年は可能な限り早く予防接種を完了するよう強調。22-26才の予防接種を受けていない人には年齢が上がってからの予防接種はがんリスクを下げる効果が少ないという情報を提供すべき、等。
CA: A Cancer Journal for Cliniciansに報告

  • 三重の災害に高齢の日本人が最も耐性があった、研究が発見

Elderly Japanese most resilient in wake of triple disaster, study finds
19-Jul-2016
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-07/uoe-ejm071916.php
福島での地震津波とその後の核事故の後を研究した結果、最も高齢の人たちが既往の慢性疾患の悪化を経験することが最も少なかったことを発見した。また田舎に住む人の方が年住人より快復力があった。
この知見は都市部の若い住人が大きな災害後の影響が少ないというこれまでの研究とは違う。エジンバラ大学の専門家が東京大学のMasaharu Tsubokura医師と協力して南相馬公立病院で治療した400人の糖尿病患者を追跡した。2010年の血糖の管理状況と地震後の病気とのつきあいかたを比べた。2/3は糖尿病の管理が悪化していた。安定性を決める要因は年齢で、年齢が高ければ高いほど良い。教育は健康悪化から保護しない。患者の1/3は災害後にこの地域を去り、この集団は地域に残った人たちに比べて血糖コントロール能力が低下した。
エジンバラ大学のグローバル公衆衛生ユニット長のSarah Hillはいう:「我々はこれらの結果にほんとうに驚いた。災害の健康影響についてのこれまでの知識と違っていたので」
「若い、都市部の糖尿病患者のほうが災害によりより大きな生活の変化を経験し大きなストレスを感じたのかもしれない。高齢患者のほうが動かなかったため混乱やストレスが少なかったのかもしれない。日本人の年金受給者の長寿はよく知られていて、彼らの健康的な食事やライフスタイルも一要因かもしれない。この結果は災害時に最もリスクの高い患者を同定し適切な援助を与えるのに役立つだろう」BMJ Openに発表。
(田舎の年寄りを動かすのは危険。放射能のリスクを過剰に宣伝して生活を破壊することが放射能による最大の有害影響だったし今も続いている)

  • 抗酸化物質に注意、科学的レビューが警告

Beware of antioxidants, warns scientific review
19-Jul-2016
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-07/w-boa071916.php
一般紙や無数の栄養製品が酸素ラジカルや酸化的ストレスが悪いものだと警告し、いわゆる抗酸化物質で病気を治したり予防したりできると示唆している。Brighton and Sussex医科大学のPietro Ghezzi教授とMaastricht大学のHarald Schmidt教授がこの主張の背景にある根拠を解析した。結果は明確な警告である:医療の専門家によって明確な欠乏症と診断されていない限りこの種のサプリメントを摂らないこと。
人はエネルギーを作るのに酸素を必要とするが酸素は同時にいわゆる酸素ラジカルとよばれる酸化的ストレスや病気の原因となる可能性のあるものを作る可能性がある。酸化的ストレスマーカーは心血管系疾患、がん、糖尿病その他の病気と関連がある。このような関連があることから抗酸化サプリメントを摂る人たちが何百万人もいる。しかしRCTで調べたところ何らかの利益が見つかった抗酸化物質は一つもない。逆にいくつかは有害影響の可能性がある。これは酸素ラジカルは病気の引き金を引くだけではなく同時に免疫防御やホルモン合成などの人体にとって多くの重要な機能を担っているからである。従って抗酸化物質は健康的な酸素分子と病気に関連する酸素分子の両方に干渉する。
「一部の病気にとって酸化的ストレスは重要である可能性があるが患者の極一部である」とGhezzi教授は言う。「病気の原因となる酸素分子だけを標的にして健康的な酸素分子には影響しない薬物で、全く違う方法で標的を定めるべきだろう」とSchmidt教授が加える。このレビューはBritish Journal of Pharmacologyに発表。

  • 大豆タンパク質が飢餓ホルモンを増加させ食欲を刺激する

Soy-based protein boosts hunger hormone and stimulates appetite
19-Jul-2016
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-07/w-spb071916.php
研究者らが食欲刺激ホルモングレリンの分泌を促すタンパク質を発見した。この大豆グレトロピンはマウスに与えると血中グレリン濃度を増やして食欲を増やした。FEBS Lettersに発表。
(大豆で痩せようとか言ってる人には都合の悪い情報なのできっと無視される)

  • 運動時の脂肪燃焼を増やす方法

How to increase the fat burned during exercise
19-Jul-2016
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-07/f-sf-hti071916.php
運動するときの脂肪や炭水化物の酸化は活動の強度と持続時間に依存する。P-シネフリンの影響を解析した研究がBritish Journal of Clinical Pharmacologyに発表された。18人にp-シネフリン3mg/kgまたはプラセボを投与して実験した。p-シネフリンを摂っただけではエネルギー支出や心拍や血圧に影響はないが自転車型トレーニング機器で運動をすると脂肪の酸化を促進し炭水化物の酸化を低下させた。運動1時間あたり7gの脂肪酸化を増やす。
実際の体重としては運動時の脂肪燃焼で1ヶ月に約1kgの体重減になる。ただし運動と組み合わせなければならない。

  • 家で調理した離乳食は必ずしも店舗で購入したものより良くはない

Home-cooked meals for infants not always better than shop-bought ones
19-Jul-2016
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-07/b-hcm071916.php
通常安上がりだがエネルギー密度や総脂肪含量が多すぎる
Archives of Disease in Childhoodに発表された研究。英国。278の出来合離乳食(そのうち174がオーガニック)と55のベストセラー乳幼児用料理本のレシピを使って作った408の自宅で作った離乳食の栄養、値段、食品の多様性を検討した。
一食あたりの食品の多様性では市販のもののほうが上回る、値段は自宅で作ると燃料費を入れないで約半分。

  • 筋肉を作るにはどのくらいのタンパク質が必要?(動画)

How much protein do you need to build muscle? (video)
19-Jul-2016
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-07/acs-hmp071916.php
ACSの動画シリーズ
普通の人とアスリートでは必要量が違うので正確にどのくらいかは個別に栄養士に相談

  • Cancer Research UKは最も恐ろしいがんの率が増加しているため打ち克つ努力を強化

Cancer Research UK boosts efforts to overcome deadliest cancer as rates climb
19-Jul-2016
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-07/cru-cru071916.php
Cancer Research UKは膵臓がん研究への投資を三倍にする。
イングランドウェールズ膵臓がん患者は100人中1人しか10年以上生存せず、この率は1970年代からあまり変わっていない。さらに膵臓がんの率が過去10年で9%増加した。
英国では2014年に4800人の女性が膵臓がんと診断され4400人が膵臓がんで死亡したが2004年は3900例と3700の死亡だった。

  • カナダの北部の先住民コミュニティーの水銀暴露

Mercury exposure in Canada's northern indigenous communities
19-Jul-2016
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-07/cmaj-mei071916.php
水銀含量の多い魚やその他の野生生物を食べるカナダの北部先住民の水銀暴露は多いが、臨床ガイドラインがこの集団にとっては適切ではない。CMAJに発表されたレビューでは医療従事者に対して水銀暴露の影響や魚や海洋動物を多く食べる患者の管理法についての指針を提供する。著者は水銀の多い食品の摂取についてはバランスが大切で、もし完全に避けるように薦めてしまうと十分な栄養がとれなくなる可能性があることに注意している。