食品安全情報blog過去記事

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パーフルオロ化合物

Perfluorinated compounds
(July 2016)
http://www.foodstandards.gov.au/consumer/chemicals/Pages/Perfluorinated-compounds.aspx
パーフルオロ化合物およびその誘導体は衣類や繊維製品、織物の保護、家具、一部の消火剤などを含む広範な製品に使用されてきた人工化合物である。
これらの化合物のヒトへの影響についての科学文献は決定的ではないが、動物実験では低用量で幾分かの影響が示されている。
FSANZの対応
連邦保健省はFSANZにパーフルオロオクタンスルホン酸(PFOS), パーフルオロオクタン酸 (PFOA) 、パーフルオロヘキサンスルホン酸 (PFHxS)の健康ベースのガイダンス値を(HBGV)作るよう求めた。HBGVは一定の期間内に一人の人が有害影響なく摂取できる化合物の量である。
FSANZは食品中にこれらの物質が存在することがリスクとなるかどうかを決める。我々の調査には他のオーストラリアとニュージーランドの政府機関や国際団体を含む重要な関係者への相談も含まれる。
またリスク管理のために規制あるいは規制によらない対応が必要かどうかについても検討する。もし食品基準の変更が必要であれば提案するだろう。
最終報告は2017年半ばを予定している。
サーベイランス
第24回オーストラリアトータルダイエットスタディ第2相では一連の食品のパーフルオロ化合物を調べ、50の食品のうちPFOAは検出されずPFOSは2つからのみ検出された。検出された量は非常に低く(1 ppb)、国際的に報告されている値と同程度だった。
これまでの対応
2015年にNSW食品局がFSANZにEFSAが2008年に設定したPFOSのTDIとシーフードのPFOSの安全な最大量について助言を求めた。この要請はNSWでの局地的汚染地域に関連する。この地域の牡蠣由来PFOSの暴露推定とEFSAのTDIとの比較に基づき、FSANZは一般人に対して健康リスクは低いと予備的結論をした。この地域のシーフードを大量に食べる人についてはEFSAのPFOSの健康ベースのガイダンス値を超える可能性があるが、一般人ではありそうにない。シーフードやその他の食品のPFOS, PFOA およびPFHxSの濃度についてはさらなる研究が必要である。
食品基準
基準1.4.1 汚染物質と天然毒素 では食品中の汚染物質濃度を規制している。この基準は特定の金属や非金属汚染物質や天然毒素の指定食品中最大値を設定している。一般原則として最大基準の有無に関わらず、全ての食品中の汚染物質や天然毒素は合理的に実行可能な限り低くすべきである(ALARA 原則)。