食品安全情報blog過去記事

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エネルギードリンクとその仲間:BfRの映像はカフェイン含有飲料が引き起こす健康リスクについての情報を提供する

Energy Drinks & Co: BfR film provides information on health risks posed by caffeine-containing beverages
30/2016, 03.08.2016
http://www.bfr.bund.de/en/press_information/2016/30/energy_drinks_und_co__bfr_film_provides_information_on_health_risks_posed_by_caffeine_containing_beverages-198197.html
双方向形式「消費者が尋ね-BfRが答える」は、エネルギードリンクに関する最も一般的な消費者の質問にこたえた。
ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)のインタラクティブシリーズ「消費者が尋ね-BfRが答える」の新しいウェブ映像は、特にエネルギードリンクによるカフェイン摂取が引き起こす健康リスクについての情報を提供する。「カフェイン含有飲料がヒトの健康にどのように影響するかについて、国民に疑念がある」とBfR長官Dr. Andreas Hensel教授は述べた。「短時間で過剰なエネルギードリンクを摂取し、それと同時に大量のアルコールを飲み、激しい運動を行い、短い睡眠しかとらないならば、特定の状況下で深刻な健康問題に苦しむことになる。」
BfRの双方向オンラインフォーラムを通して消費者はこの話題についての質問をし、その後最も重要な質問を決める機会を得る。BfRはwww.bfr.bund.de.で発表したばかりのウェブ映像で最も人気のある3つの質問に答えている。

ビデオ
エネルギードリンクは、通常タウリンイノシトール、グルクロノラクトンなどその他の物質と共に、たいてい高濃度のカフェインを含む飲料である。ある事例報告ではエネルギードリンクの摂取後の重大な健康問題を説明している。エネルギードリンクに含まれるカフェインは心血管系と中枢神経系を刺激する。多量のカフェインを摂取した場合には、興奮性の増加、激しい動悸、不整脈、血圧上昇などの有害反応が起こりうる。
BfRの見解では、エネルギードリンクを多量摂取すると健康リスクを生じる恐れがある。さらに、特に多量のエネルギードリンクと多量のアルコールの同時摂取およびまたは激しい運動は健康への悪影響リスクが増すという兆候がある。そのため子供、妊婦、授乳中の女性、カフェインの感受性が高い人などの消費者グループには、そのようなエネルギードリンクの摂取を控えるよう推奨する。
「消費者が尋ね-BfRが答える」というオンラインツールでは、消費者は他のカフェイン含有飲料と比較したエネルギードリンクのリスク評価に関する質問に特に興味がある。エネルギードリンクは、最も多量のカフェインを含む飲料の中で、フィルターコーヒーとならび、1缶(250 ml)あたり約80 mgのカフェインを含んでいる。1本のエネルギードリンクはフィルターコーヒーのラージカップ(200 ml)と同量の、また1カップの紅茶の約2倍のカフェイン量を含んでいる。コーラ缶や1カップの緑茶と比べると、エネルギードリンクは2倍以上のカフェインを含む。
健康的な成人では、短時間で最大200 mgのカフェイン、すなわち約2カップのコーヒー、あるいはエネルギードリンク2缶の摂取は安全だとみなされる。一日を通して成人はその量の2倍を飲むことができる。これは妊婦と授乳中の女性には当てはまらない。彼らは一日を通して2カップ以上のコーヒーを飲むべきではない。体重が少ないため子供と青年はより少ない量しか耐えられない。
この情報はBfRによる勧告ではなく、一般に健康な人では安全だと考えられている上限量を述べているに過ぎない。カフェインへの感受性は個人個人で大きく異なる。そのため感受性の高い人は上記の量より少ないカフェイン摂取を目指すべきである。たとえば循環器系疾患の患者などの、ある人口集団では、高カフェイン摂取が特別な健康リスクにつながる恐れがある。そのような人はカフェインの摂取を、特に多量では、控えるべきである。
ドイツでは、成人の大部分はコーヒーからカフェインを摂取している。一般に青年はエネルギードリンクがカフェインの全摂取量に寄与する恐れがある:2012年以降のドイツの青年での調査ではエネルギードリンクは約10%の割合を占めることが示された。すでに子供たちでさえ、特にチョコレートからカフェインを摂取している。1本のダークチョコレートバーにはエネルギードリンク1缶のおよそ半分に相当する、1カップの紅茶とだいたい同じ量のカフェインが含まれている。1本のミルクチョコレートバーにはエネルギードリンク1缶のカフェイン含有量の4分の1が含まれている。
カフェインの影響とカフェイン摂取の反対意見についてのさらなる情報はドイツ連邦食糧農業省(BMEL)のポータルで提供されている:www.check-deine-dosis.de