食品安全情報blog過去記事

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放射能事故についてのリスクコミュニケーションとヨウ素錠剤の配布

Risk communication about radiation accidents and the distribution of iodine tablets
2016-08-15
http://www.rivm.nl/en/Documents_and_publications/Scientific/Reports/2016/augustus/Risk_communication_about_radiation_accidents_and_the_distribution_of_iodine_tablets
原子炉で事故があった場合、放射性ヨウ素が放出される可能性がある。これを吸入すると特に子どもに、甲状腺がん発症リスクが高い。しかし適切な時期にヨウ素錠剤を摂ると人体の放射性ヨウ素の吸収が予防できる。
そのような事態に備えて、原子力発電所近くに住む40才までの人にはヨウ素錠剤が配られている。2014年7月にオランダは原子力発電所の100km以内に住む18才までの人と妊婦にもヨウ素錠剤を配布すべきだと決定した。
この報告書は放射線事故やアクシデント、ヨウ素錠剤の配布についてのコミュニケーションが如何にして人々の情報の必要性や彼らの認識と調和できるかについて検討した。
人々には誰が錠剤を使用すべきか、何故必要でいつ摂るべきかについての明確な情報が必要である。またほとんどのオランダ人は核事故の健康影響についてやそれらの影響から保護するための方法についてあまりよく知らないようである。専門家と違って多くの人は事故現場から相当遠いところでも事故があればたくさんの人が死んで奇形が生じると思っている。従って人々が心配していることについて話し合うことが重要である。さらに人々は防護策についてあまり知らない。例えば多くの人は最良の方法は直ちに避難することだと考えている。しかしながら線量により一時的シェルターで十分である場合もある。ヨウ素錠剤が正確に使用されることを確保するためには、標的集団に対して対象者の名前を特定しさらなる指示を待つよう示したカバーレターをつけて配布することが薦められる。