食品安全情報blog過去記事

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論文

  • 食事からのオメガ3脂肪酸の摂取量の多さが糖尿病性網膜症リスクの低さと関連する

Greater intake of dietary omega-3 fatty acids associated with lower risk of diabetic retinopathy
18-Aug-2016
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-08/tjnj-gio081616.php
JAMA Ophthalmologyに発表された研究によると、2型糖尿病の中高年の人で、最低500mg/dの長鎖オメガ3多価不飽和脂肪酸の摂取(油分の多い魚を週に2回食べると達成できる)は糖尿病性網膜症リスクの低下と関連する。スペインPREDIMED研究。

  • オリンピックでのお腹の不調−リーキーガット症候群?

Olympic stomach upsets -- leaky gut symdrome?
18-Aug-2016
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-08/uop-osu081716.php
たくさんのリオオリンピック選手がお腹の問題を報告している。選手村で食中毒になったという説は公式見解は否定している。Plymouth大学のRaymond Playford教授はそれが「リーキーガット」のせいではないかと言う。暑いときに激しい運動をすると「ヒートストローク熱中症)」とお腹の症状がおこる。Playford教授らはAmerican Journal of Clinical Nutritionに健康食品亜鉛カルノシンを単独でまたはウシの初乳と一緒に摂ると役にたつかもしれないという(8人での)研究を報告している。
(うさんくさいので覚えておく。アスリートは注意。これが大学のプレスリリース)

  • ゲノム配列の決定が如何にしてがんのケアにおける人種格差を拡大するか

How genomic sequencing may be widening racial disparities in cancer care
18-Aug-2016
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-08/uomh-hgs081816.php
科学者が異なるがんの原因となる遺伝子変異について研究すればするほど、彼らは治療の効果に対してたくさんのお金を払う可能性のある少数の患者の治療法開発に集中する。マイノリティは置き去りにされていることが新しい研究で示唆された。JAMA Oncology
(移植だって貧しい人から豊かに人に偏っているのだから再生医療でも最新がん治療でも格差の拡大になるのは明らか。地味な公衆衛生のメリットを享受する人たちはお金持ちでも大声でもない。)

  • 細胞では一部の酸化剤は必要

In cells, some oxidants are needed
18-Aug-2016
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-08/jdc-ics081816.php
活性酸素分子は多くの病気で傷害をひきおこすが、同時に細胞の防御機構に警告もする
Molecular Cellに発表された線虫とヒトの細胞でのIRE-1研究
(この論文の知見が特にどうこうというのではなく、最近の流行が活性酸素悪玉説に異議を唱える、というものであるという例)

Polyunsaturated fat in adipose tissue linked to lower mortality
18-Aug-2016
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-08/uu-pfi081816.php
JAMA Cardiologyに発表されたUppsala大学の研究によると、皮下脂肪組織のオメガ6脂肪酸リノール酸が高齢男性の15年間フォローした死亡率の低さと関連する。脂肪組織のリノール酸の割合が多いことは主に各種植物油を多く摂っていることを反映する。
食事研究では長期にわたる食事からの摂取量の信頼できる測定が大きな課題であり、脂肪組織の脂肪酸組成は価値のある貢献ができるだろう。ウプサラ成人男性縦断研究(ULSAM)では853人の男性の71才の時の血液と脂肪組織を採取している。食事記録との相関は良好だった。脂肪組織のリノール酸は心血管系疾患との明確な関連はなかったが総死亡とは関連した。