食品安全情報blog過去記事

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その他

  • 妊娠中の不健康な食生活とそれに関連するエピジェネティック変化が子どものADHDと関連するかどうかを調べた研究への専門家の反応

SMC
expert reaction to study investigating unhealthy diet in pregnancy and associated epigenetic changes linked to ADHD in children
August 18, 2016
http://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-study-investigating-unhealthy-diet-in-pregnancy-and-associated-epigenetic-changes-linked-to-adhd-in-children/
Journal of Child Psychology and Psychiatryに出産前の高脂肪高砂糖食とエピジェネティックマーカーとそれらのADHDとの関連を調べた研究が発表された。不健康な食事がADHDの症状の多さと関連すると報告している。
小児科と子どもの健康学会コンサルタント地域小児科医Neel Kamal博士
このアプローチは新しく期待できる。IGF2のDNAメチル化を介した影響という説明はありそうである。さらなる研究が役立つだろう
オックスフォード大学生理学名誉教授John Stein教授
この研究は予備的なものだが非常に面白い。母親が妊娠中に脂肪と砂糖をたくさん食べた場合の影響が子どもが13才になっても続くことが報告されているがその一部がIGF2のDNAメチル化のせいかもしれない。関連は弱く砂糖と脂肪が原因だと証明したわけではないが面白いのは第11番染色体であることである。砂糖と脂肪の影響を区別できるかもしれない。
小児科と子どもの健康学会精神衛生部長Max Davie博士
非常に興味深い論文で、再現性の確認が必要。
但し限界はある。特定の子ども達についてのもので一般化できない可能性がある
現時点ではこの研究を理由に臨床の行動が変わることはない
King’s College London精神医学心理学神経科学研究所子供青少年精神医学名誉教授Eric Taylor教授
妊娠中の高脂肪/砂糖食と子どもの行動上の問題の関連については既に知られている。しかし関連があることはそれが原因であることを意味しない。この研究では不健康な食事が赤ちゃんのDNAを変えることによりその後の問題を引き起こすのではないかというプロセスについて調べてみた。結果は示唆的であるが決定的ではない。不健康な食事が後のADHDと直接関係することを示したものではなく、既に行動に問題がある子ども達で妊娠中の不健康な食事とDNAのメチル化の関連と、DNAのメチル化とADHDの症状の関連を示した。影響は大きなものではなく全ての子どもで見られているわけでもない。しかし今後の研究を導く価値はある。
ADHDの子どもの親はこの研究を、自分の食事のせいで子どもがADHDになったと受け取るべきではない。ADHDの原因は多数あり、通常は影響の小さい因子が多数一緒になって関与する。単一の原因に帰すことは普通は不可能である。ただこの研究は妊娠女性は健康的な食生活をするように、という既存の公衆衛生メッセージを強化する

  • 子ども肥満戦略への専門家の反応

SMC
expert reaction to childhood obesity strategy
August 18, 2016
http://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-childhood-obesity-strategy/
政府が子どもの肥満対策計画を発表した
Southampton大学発達科学研究所長Mark Hanson教授
待ち望んでいた子ども肥満行動計画が今や発表された。それは英国が直面している問題の大きさを正しく強調している。
政府の計画にはいくつかの良いことも含まれるが、この分野の専門家や多くの保護者ががっかりしたのはまだ十分ではないということである。WHOが今年1月に発表したECHO報告書を引用していないのは驚きである。政府の計画では医療従事者や教師同様子ども達や保護者の責任が大きいという立場を続けている。生まれたときから既に肥満への道のりを歩き始めているという、子どもの肥満の一生的性質については無視している。将来親になる可能性のある人たちに、妊娠前から健康的なライフスタイルにし、妊娠前や妊娠中は肥満と糖尿病を予防し母乳を与えることを推進する必要がある。政府の計画が不足していることは現実的な危険である。
この計画はこれがこの問題への対策のための対話の始まりであると言っているのは良い。肥満を止めるには全ての関係者が参加する必要がある

  • 砂糖税:英国業界は課税は失業と値上げをもたらすだろうと主張

Sugar tax: UK businesses claim levy will result in job losses and higher prices
Tuesday 16 August 2016
http://www.independent.co.uk/news/business/news/sugar-tax-uk-effects-obesity-levy-higher-prices-job-losses-businesses-claim-a7193351.html
2016年の予算の一部としてソフトドリンク業界に砂糖税を課すことが発表され、英国の業界団体は再考を求めるキャンペーンを火曜日に開始した。“Face the Fact, Can the Tax campaign”は砂糖税は肥満を減らさず失業と価格の上昇を招くと主張する。

  • Jamie OliverがTheresa Mayが子ども達の肥満対策計画に失敗していると言う

Jamie Oliver says Theresa May is failing children over obesity plans
19 August 2016
http://home.bt.com/news/uk-news/jamie-oliver-says-theresa-may-is-failing-children-over-obesity-plans-11364080625091
政府の子ども肥満対策がTheresa May総理大臣によって生ぬるいものになったと主張。
Jamie Oliverは食品業界に対してお菓子のテレビでの宣伝禁止やスーパーでの販売制限などのもっと厳しい対策を要求している