食品安全情報blog過去記事

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その他

  • 水中出産:呼吸すべきかしないべきか?

Water Birth: To Breathe Or Not To Breathe?
By Jamie Wells — September 20, 2016
http://www.acsh.org/news/2016/09/20/water-birth-breathe-or-not-breathe-10183
先週水中出産している女性の動画が話題になり1900万回以上も見られた。紹介する文章は「水中出産動画は出産が穏やかなものであることを証明」「この母親の信じられないほどの平和な出産ビデオが流行」「動画によると水中出産は簡単そう?」など。インターネットには祝福が溢れ安全性についてはほとんど議論されていないが、特にメリットもないのにリスク要因を増やすのは良い考えではない。2006年に私はNeoReviewsに水中出産で溺れるところだった乳児の症例報告を発表した。この事例は「出産センター」からNICUに移送された重症呼吸困難の乳児で、出産は無事だったが2.5時間後に呼吸不安定になり酸素濃度が維持できなくなって3.5時間後に救急車を呼ばれた。最初に出産センターはわけのわからない報告をしていたが乳児の状態が悪化した9時間後、赤ちゃんは水中出産で、血だらけの水の中にはっきりしない時間見失われていたことを白状した。
スウェーデンでは熟練助産師2人のもとでの乳児の窒息と肺に水が入っての死亡例があった1994年以降水中出産は中止になっている。
(以下文献等の紹介含む長い記事。ネットは人と違うことをやって目立ちたい人が目につきやすいので真似したりエスカレートしたりしないように。)

Natureニュース
US government approves controversial drug for muscular dystrophy
Heidi Ledford 20 September 2016
http://www.nature.com/news/us-government-approves-controversial-drug-for-muscular-dystrophy-1.20645
限られたデータに基づく決定はFDAの医薬品評価のやり方の変化の前触れかもしれない
FDAはたった12人の少年での試験に基づきDuchenne筋ジストロフィー治療用の最初の医薬品を認可した。この9月19日の発表は臨床試験データの乏しさと患者の需要の強さとのバランスをとろうと1年以上奮闘した結果である。患者団体はこの決定に喜んでいる。しかしFDAの担当者の中にはデータの少なさから患者に偽りの希望を与えることになる心配をしている人もいる。

  • 猫はいかにして世界(とバイキングの船少々)を征服したのか

How cats conquered the world (and a few Viking ships)
Ewen Callaway 20 September 2016
http://www.nature.com/news/how-cats-conquered-the-world-and-a-few-viking-ships-1.20643
古代のネコのDNAの大規模研究が中近東とエジプトから世界に家猫が拡大した様子を描く

  • 東京大学が6つの有名な研究グループのデータ改ざん告発を調査

Scienceニュース
University of Tokyo to investigate data manipulation charges against six prominent research groups
By Dennis NormileSep. 20, 2016 ,
http://www.sciencemag.org/news/2016/09/university-tokyo-investigate-data-manipulation-charges-against-six-prominent-research
東大が6つのグループの22論文でのデータ改ざんについて調査を開始した。大学が疑われている研究者の名前を明らかにしていないが日本語で投稿された文書では7つの論文でもと病院長の糖尿病専門医Takashi Kadowakiが連絡先の著者になっている。KadowakiはScienceInsiderのメールに対して「匿名の告発人による全く根拠のない非難だ。」と語っている。東大の今日の本調査を行うという発表は予備的調査を行った後でのものである。

  • 有害な可能性のある化学物質が家庭のダストに広く見られる

Potentially harmful chemicals widespread in household dust
14-Sep-2016
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-09/gwum-phc090716.php
Environmental Science & Technologyに発表されたこれまで発表されてきた論文のデータを集めて解析したもの。消費者製品に使用されている化合物が家庭内のダストから検出されている。フタル酸類、フェノール類、難燃剤等。最大濃度がフタル酸で7,682ナノグラム/gダスト。
(有害Harmful、発がん性cancer-causing agent 、危険dangerous 、大量high amounts、重大な健康ハザードserious health hazardsといった単語をふんだんにちりばめ、たとえ僅かでも積み重なって相乗作用をすると脅す、環境団体Natural Resources Defense Council (NRDC)とSilent Spring Instituteの支援した研究。掃除をしましょう)

  • 規制対象外タバコにより厳しい規制が必要−ニュースから

SMC NZ
Stronger regulations needed for loose tobacco – In the News
September 20th, 2016.
http://www.sciencemediacentre.co.nz/2016/09/20/stronger-regulations-needed-for-loose-tobacco-in-the-news/
オタゴ大学の公衆衛生研究者らが政策決定者に対してニュージーランドの若者により安価な選択肢が拡大していることの対策として規制強化を求める
Tobacco Controlに発表されたその研究では自分で巻くタバコを使っている若者はそれらがよりナチュラルで害が少ないと考えている。
この知見を報道するニュージーランドメディアをリンク。

Obesity gene no barrier to weight loss, study shows
Tuesday 20 September 2016
https://www.theguardian.com/society/2016/sep/20/obesity-gene-weight-loss-gain-study-diet
体重増加に関連する遺伝子をもつ人はそうでない人と同じくらい減量計画により減量する
BMJ
FTO genotype and weight loss: systematic review and meta-analysis of 9563 individual participant data from eight randomised controlled trials
http://www.bmj.com/content/354/bmj.i4707
食事制限でも運動でも、遺伝子に関係なく体重は減る

  • 報告: 'Erin Brockovich'毒素が飲料水から発見された

Report: 'Erin Brockovich' toxin found in drinking water
September 20, 2016
http://www.usatoday.com/story/news/nation-now/2016/09/20/erin-brockovich-toxin-drinking-water/90757898/
今週発表された報告書によると、環境活動家Erin Brockovichにより有名になった発がん物質、6価クロムアメリカ人の飲料水から検出された。
Phoenixの平均濃度は全国の中でも高い方でカリフォルニアの健康目標の400倍。一部の井戸水が特に高かったのでその分を考慮しても20倍。
(カリフォルニアの法基準は10 ppbで健康目標は0.02ppb  日本の水道水基準は0.05mg/L(50ppb))

  • 強壮剤が必要?我々の半分が毎日ビタミン剤をとっている

Need a pick-me-up? HALF of us are now popping a daily dose of vitamins
20 September 2016
http://www.dailymail.co.uk/news/article-3799269/Need-pick-HALF-popping-daily-dose-vitamins.html
・毎日ビタミン剤を使用している人が1年で5%から46%に増えた。
・販売も増加し、英国人は年に4億1400万ポンドを使っている
・Mintelの研究ではたまに使う人は65%
・この数字は研究結果がビタミンの有効性に疑問を提示しているにもかかわらず。
女性向けサプリメントが最もシェアが大きく、男性向けは市場は小さいが成長率は高い。女性使用者の1/3は健康プラクティショナーの勧めで取り始めていて男性は1/5。