食品安全情報blog過去記事

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論文

  • 米国で重大な肝臓関連疾患増加

Serious liver-related condition on the rise in the US
3-Oct-2016
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-10/w-slc100316.php
新しい解析によると肝硬変と慢性肝不全の急性増悪(ACLF)が米国で増加している。2001年から2011年の間に肝硬変による入院数が371000から659000に二倍になりそのうちのACLFの率が1.5%から5%に増加した。Hepatologyに発表された。感染症合併症が増加している。

Chemical exposure linked to lower witamin D levels
3-Oct-2016
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-10/tes-cel100316.php
内分泌学会の雑誌Journal of Clinical Endocrinology & Metabolismに発表されたNHANESのデータを解析した研究。尿中のフタル酸類やBPA濃度と血中ビタミンD濃度の関連を調べた。
Relationships Between Urinary Phthalate Metabolite and Bisphenol A Concentrations and Vitamin D Levels in U.S. Adults: National Health and Nutrition Examination Survey (NHANES), 2005–2010 - See more at: http://press.endocrine.org/doi/10.1210/jc.2016-2134#sthash.WxQCUY7T.dpuf
http://press.endocrine.org/doi/10.1210/jc.2016-2134
DEHPの代謝物の総量が4分位増加するごとに血中ビタミンD濃度が1.90%減少する。
(人数が多いので有意差がつくけど、それ、何の影響も無くない?)

  • 人生のスパイス:シナモンがあなたの胃を冷やす

The spice of life: Cinnamon cools your stomach
3-Oct-2016
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-10/ru-tso100316.php
Scientific Reportsに本日発表された研究によるとあなたの食事にシナモンを加えると最大2℃も体温を下げられるかもしれない。メルボルンのRMIT工科大学の有名なKourosh Kalantar-zadeh教授らの豚を使ったプロジェクト。飲み込むことが可能なガスセンサーを用いるプロジェクトの一環として胃内の二酸化炭素を測定した。豚は室温で餌を与えると胃内の二酸化炭素濃度が上昇する。シナモンを加えると胃酸とペプシンの分泌が抑制され消化の際の豚の体温を下げる。
(豚だし。消化悪くしてる?という疑惑が。「冷え性にシナモン」という宣伝にとっては不都合。もともとこの手の「冷え」だのは口からでまかせでしかないけど)

  • 衣類を洗うと環境中に何千ものマイクロプラスチック粒子が放出される、研究が示す

Washing clothes releases thousands of microplastic particles into environment, study shows
3-Oct-2016
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-10/uop-wcr100316.php
新しい研究によると家庭用洗濯機一回あたり排水に70万以上の顕微鏡サイズの繊維が放出される可能性がある。Marine Pollution Bulletin。この研究は海洋のマイクロプラスチックの国際専門家で最近議会での証言などで化粧品のマイクロビーズ使用禁止につながったPlymouth 大学のRichard Thompson教授らのグループによる。Thompson教授はこの研究が化粧品へのマイクロビーズ使用禁止のような反応をすべきと主張しているわけではないという。化粧品へのマイクロビーズの使用にはメリットがないが衣類には明確なメリットがある。介入はデザインの変更や排水の濾過などにより排出を削減する方向で行われるべきだろう。

  • WHO紀要

Bulletin of the World Health Organization
Volume 94, Number 10, October 2016, 709-784
http://www.who.int/bulletin/volumes/94/10/en/
・ブラジルの遺伝子組換えAedes aegypti使用:リスク認識と評価
OxitecのOX513Aについて。2014年4月、ブラジルが世界初の遺伝子組換え蚊の野外放出を認めた国になった。それから2年、ジカウイルスの流行により蚊の放出に関する一般の懸念が加わったため認識されているリスクの再調査とリスク評価の更新を行った。母親のジカ感染と小頭症の関連は一般人と政策決定者の両方の蚊対策の重要性の認識を大きく増加させた。OX513Aの安全性と有効性の可能性に変わりはない