食品安全情報blog過去記事

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論文等

コメント

  • ハザード同定に基づく発がん性分類計画は時代遅れになり社会にとっても科学にとっても役に立たない

Classification schemes for carcinogenicity based on hazard-identification have become outmoded and serve neither science nor society
Alan R. Boobisa, Samuel M. Cohen, Vicki L. Dellarco, John E. Doe, Penelope A. Fenner-Crispe, Angelo Moretto, Timothy P. Pastoor, Rita S. Schoeny, Jennifer G. Seed, Douglas C. Wolf
Regulatory Toxicology and Pharmacology
Available online 22 October 2016
http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0273230016303038
・IARCや国連GHSのようなハザード同定にもとづく発がん物質分類は時代遅れである
・強さや作用機序の異なる化合物が同じ分類にされている
・意図せぬ結果を招いている:健康への恐怖、コスト、公的研究資金の流用
・ハザードとリスクキャラクタリゼーションに基づくより新しいアプローチを用いるべきである
・発がん性についてのコンセンサスを得るために国際イニシアチブが必要
IARCモノグラフのようなハザード同定のみに基づく分類計画は時代遅れになった。それらは1970年代に発達した概念、化合物は発がん物質とそうでない物質に分類できる、に基づいている。このような分類は強さや作用機序の大きく異なる物質を同じカテゴリーにする。だから加工肉を食べることとマスタードガスが同じカテゴリーになる。ハザードとリスクキャラクタリゼーションに基づく包括的でバランスのとれたハザード、用量反応、暴露の描写が必要で、それにより情報を与えられた上でのリスク管理対策がとれる。リスクに基づいた意志決定の枠組みではハザードは用量や強さや暴露の文脈を十分考慮し、ハザードのみのアプローチによる悪影響、つまり健康恐怖、不必要な経済コスト、有用な製品が使用できない、不必要な研究への公費の投入、などを避けることができる。標準化した、国際的に許容できる発がん物質評価方法が直ちに必要である。そのアプローチはWHO IPCS作用機序枠組みを含む既存の国際コンセンサスに基づく基本概念に取り入れるべきである。
(研究者の中に恐怖を煽って無駄な研究費を出させるというビジネスモデルができちゃってるのが。基本リスクベースでいくというのは大きな流れではある。ハザードしか語らない人たちは無視すればいいのに)

  • タバコ包装の画像は喫煙による死亡率を有意に減らす

Study: Graphic pictures on cigarette packs would significantly reduce smoking death rate
3-Nov-2016
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-11/gumc-sgp103116.php
Tobacco Controlに発表された米国研究

  • HIV感染者の喫煙はHIVそのものより寿命を短くする

Smoking may shorten the lifespan of people living with HIV more than HIV itself
3-Nov-2016
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-11/mgh-sms110116.php

  • 「病気を気にしている健康人」は心疾患リスクを高くしているかもしれない

'Worried well' may be boosting their risk of heart disease
3-Nov-2016
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-11/b-wm110116.php
BMJ Openに発表された研究によると、病気になるのではないかと不必要な心配をする人々、'健康維持過敏症Worried well'と呼ばれる人、は心疾患リスクを増やしているかもしれない。不安は心疾患のリスク要因であることが知られている。そして健康不安や特に病気ではない身体の症状を気にして医者に相談する行為もまたそうである。ノルウェー長期健康研究プロジェクトHordaland健康研究(HUSK)の7052人の参加者のデータから。
1953年から57年に生まれた人に1997年から1999年の間に質問と身体検査を二回行い2009年末までフォローアップした。全体として234人(3.3%)が虚血性イベントをおこしたが、その割合は健康不安のある人が6%以上でそうでない人3%の二倍も高かった。

  • 子ども達は塩を摂りすぎ続け、リスクに晒されている

Kids continue to consume too much salt, putting them at risk
3-Nov-2016
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-11/ehs-kct110116.php
Journal of the Academy of Nutrition and Dieteticsに発表された研究によるとアメリカの子ども達のナトリウム摂取量は推奨限度を超えている。2011-2012 NHANESデータを用いて6-18才の2142人の食習慣を調査した。平均ナトリウム摂取量は3526 mg/dで、推奨摂取量は年齢により1900-2300mg/dで約90%が摂りすぎ。

Soda tax falls flat
3-Nov-2016
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-11/cu-stf110316.php
11月8日に4つの市が炭酸飲料やその他の砂糖入り飲料への課税について投票を行う。一部の推進者が課税で価格を上げ消費者の摂取量が減って健康改善になると言う。しかしカリフォルニアのバークレーで行われた同様の課税を研究した経済学者によると価格は税の半分しか上がらない。Journal of Policy Analysis and Managementに発表。

  • 健康的レシピと効果的ソーシャルマーケティングキャンペーンは食習慣を改善する

Healthy recipes and effective social marketing campaign improve eating habits
3-Nov-2016
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-11/osu-hra110316.php
Food Heroソーシャルマーケティングキャンペーンが低所得層により栄養のある食事を薦める有効な方法であることをオレゴン州立大学の二つの研究が発見した。Food Heroは2009年から行っている。NutrientsとJournal of Nutrition Education and Behaviorに発表。
Food Hero
http://www.foodhero.org/
レシピは簡単で手に入りやすい材料。