食品安全情報blog過去記事

はてなダイアリーにあった食品安全情報blogを移行したものです

よくある食品添加物が大腸がんと「関連」

Behind the headlines
Common food additives 'linked' to bowel cancer
Tuesday November 8 2016
http://www.nhs.uk/news/2016/11November/Pages/Common-food-additives-linked-to-bowel-cancer.aspx
「なぜ加工食品が大腸がんを引き起こす可能性があるのか:よく使われる添加物が腸内細菌を変えて腫瘍が大きくなるのを許す」とMail Onlineが報道した。これはマウスで乳化剤という食品添加物が炎症を誘発しそれが大腸がんの引き金となるかどうかを調べた研究による。研究者らはマウスを3群に分け、二つの群にはCMCかP80のどちらかの乳化剤を与え、三つ目には水を与えた。またマウスには炎症とがんを誘発する毒素を与えた。全体として、乳化剤を与えたマウスはいくらかの炎症性の変化に加えて腫瘍が多く大きかった。その理由は乳化剤が腸内細菌のバランスを変えてがんができやすい環境にする可能性があると示唆された。
しかしこの知見は警鐘的であるがそれがヒトにあてはまるというのは時期尚早である。動物実験の結果は直接ヒトにはあてはまらない。このマウスは炎症とがんをおこす毒素に加えて、ヒトが摂取するよりはるかに多くの乳化剤を投与されている。
全ての食品添加物は使用前に安全性評価が行われ、使用が認められている量でヒトにがんリスクがあるとは確実に言うことはできない。添加物についてはFSAにさらなる情報がある。