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新規食品と伝統食品:ガイダンス最終化

Novel and traditional food: guidance finalized
10 November 2016
https://www.efsa.europa.eu/en/press/news/161110
EFSAは、リスク管理者が新規食品と第三国の伝統食品を欧州で販売できるかどうかを決める前にこれらの食品が安全であると保証するのに役立てようと、2つのガイダンス文書を発表した。
EFSAは2015年11月の新規食品に関する新しい欧州規則の採択に従いガイダンスを開発した。1997年以降の以前のものに代わるこの規則は、2018年1月に発効し、中央による評価と認可手順を紹介している。EUリスク管理者は新規食品の市販認可を決め、その安全性を確認するための科学的リスク評価を実行するようEFSAに要請することができる。
新規食品と伝統食品とは?
新規食品は1997年5月以前に欧州の人々がかなりの程度消費していない食品を指す。新資源由来食品 (例えばオキアミ由来オメガ-3脂肪酸を豊富に含む油)、新技術の適用(例えばナノ技術)あるいは新物質の使用により得られる食品(フィトステロールや植物ステロール) を含む。
伝統食品は新規食品の一部である。EU以外の国で伝統的に消費されている食品を説明する言葉である。植物、微生物、菌類、藻類、動物由来食品(例えばチアシードバオバブの果実、昆虫、菱の実)が含まれる。
要求されるガイダンス
この新しいガイダンス文書はリスク評価のために申請者が必要とする詳細情報を説明する。またEFSAが新規あるいは伝統食品の安全性を評価できるように情報をどのように提示するかも明らかにしている。
新規食品申請を提出する申請者はその製品を説明するデータを示す必要がある。文書には生産過程、使用目的と使用量に関する情報とともに、新規食品の組成、栄養、毒性とアレルギー性に関するデータを含む必要がある。
EFSAは別のガイダンス文書で第三国(EU以外の国)の伝統食品を取り扱う。申請者は最低25年間EU以外の少なくとも1か国で伝統食品の安全な使用の証拠を示す必要がある。EFSAと加盟国は同様の手順でその証拠を評価する予定である。
関係者
EFSAはガイダンスを開発する際、関係者を密接に関与させた。2カ月間パブリックコメントを募集したのに加え、関係者はブリュッセルの会議でその案に意見を述べる機会があった。

・科学的意見:新規食品に関するガイダンス文書
Scientific opinion: guidance document on novel food
Guidance on the preparation and presentation of an application for authorisation of a novel food in the context of Regulation (EU) 2015/2283
EFSA Journal 2016;14(11):4594 [24 pp.]. 10 November 2016
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/4594
欧州議会と評議会での新規食品EU規則の採択に従い、欧州委員会は新規食品の認可申請の準備と提示のための科学的技術的ガイダンスを改訂し開発するようEFSAに求めた。このガイダンスは新規食品の安全性を論証するためのしっかり構成された申請文書を作るのを支援するために提出情報をまとめる共通フォーマットを提示する。申請は包括的で完全であるべきである。このガイダンスは新規食品の安全性評価に必要なデータの概要を述べる。すべての申請に求められるのは、新規食品、生産工程、組成データ、仕様、提案用途と使用量、新規食品の予想摂取量の説明である。新規食品の使用歴及び/またはその供給源、吸収、分布、代謝、排泄、栄養情報、毒性情報、アレルギー誘発性、についての追加項目がデフォルトとみなされるべきである。もし提出しないなら正当な理由が必要である。申請者は提案された使用状況で様々な項目で示されたデータが新規食品の安全性をどのように支えるかという全体的な考察を提供するようデータをまとめる必要がある。健康ハザードの可能性が確認されたなら、新規食品の予想摂取量と提案された対象集団との関連で議論すべきである。提供された情報に基づき、EFSAは提案された使用状況で新規食品の安全性を評価する予定である。

・科学的意見:第三国の伝統食品に関するガイダンス文書
Scientific opinion: guidance document on traditional food from third countries
Guidance on the preparation and presentation of the notification and application for authorisation of traditional foods from third countries in the context of Regulation (EU) EFSA Journal 2016;14(11):4590 [16 pp.].2015/228310 November 2016
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/4590
欧州議会と評議会による新規食品EU規則の採択に従い、欧州委員会は第三国の伝統食品通知書の準備と提出のための科学的技術的ガイダンスを開発するようEFSAに求めた。このガイダンスは申請者がしっかり構成された文書で申請することを支援するために必要な情報構成のための共通フォーマットを示している。伝統食品の安全性はその組成に関する信頼できるデータ、継続使用経験と提案された使用状況で立証されるべきである。さらに、通常の摂取は栄養上不利益があってはならない。そのような目的で、製品説明、生産工程、組成、安定性のデータ、仕様、第三国の継続使用経験によるデータ及びEU市場のための伝統食品の提案された使用状況についての情報が要求されている。通知文書の枠組みはこのガイダンスで示された項目に従うべきである。このガイダンスはEU加盟国とEFSAが第三国由来伝統食品を評価するのに必要な情報の種類と品質について提供し、申請者を支援することも意図している。申請は包括的で完全であるべきである。申請者は組成についての情報と継続使用経験をまとめ、伝統食品の安全な使用歴がEUに提案された使用状況にどのように関連するかについて簡潔な全体的考察を提供する必要がある。組成及び/または継続使用経験によるデータに基づいて健康ハザードの可能性が確認されたなら、それらは議論されるべきである。提供された情報に基づき、EFSAは提案された使用状況で伝統食品の摂取に関する安全性を評価する予定である。

・技術レポート:新規食品に関するガイダンス案についてのパブリックコメント募集結果
Technical report: outcome of a public consultation on the draft guidance on novel food
Outcome of a public consultation on the draft guidance on the preparation and presentation of an application for authorisation of a novel food in the context of Regulation (EU) 2015/2283
EFSA-Q-2016-00113
10 November 2016
https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/1109e

・技術レポート:第三国の伝統食品に関するガイダンス案についてのパブリックコメント募集結果
Technical report: outcome of a public consultation on the draft guidance on traditional food from third countries
Outcome of a public consultation on the draft guidance on the preparation and presentation of the notification and application for authorisation of traditional foods from third countries in the context of Regulation (EU) 2015/2283
EFSA-Q-2016-00114
10 November 2016
https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/1108e