食品安全情報blog過去記事

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SMC

  • 飽和脂肪と冠動脈心疾患リスクを調べた研究への専門家の反応

expert reaction to study looking at saturated fats and coronary heart disease risk
November 23, 2016
http://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-study-looking-at-saturated-fats-and-coronary-heart-disease-risk/
飽和脂肪の摂取量の多さと冠動脈心疾患リスクの増加が関連する可能性についてBMJに発表された
ケンブリッジ大学MRC疫学ユニットプログラムリーダーNita Forouhi博士
著者らが明示している観察研究の欠点と食事測定の限界にも関わらず、これは重要な貢献である。この研究の知見は飽和脂肪を多価不飽和脂肪に置き換えることの利益を主張する食事ガイドラインへの明確な支持を提供する。
いろいろな脂肪のような栄養素の根拠を蓄積することは重要ではあるが、カナダの著者によるエディトリアルがさらに重要な点を指摘している、注目すべきは個々の栄養素ではなく、食品や全体的食事パターンである。
King’s College London栄養と食事名誉教授Tom Sanders教授
これは重要でタイムリーな研究である
(略)
私の意見では、この研究の基本は飽和脂肪をより健康的な不飽和脂肪あるいは精製していない炭水化物に置き換えることが重要であるということで、それは現在の食事ガイドラインにも沿っている。
Durham大学公衆衛生における知識交換講師で州の登録栄養士Amelia Lake博士
この大規模研究は我々の食事の飽和脂肪を不飽和脂肪に交換する必要があることを強調する。
我々は栄養素のことより食品について考えるべきである。我々が食べるのは栄養素ではなく食品だからである。

  • 病気予防のためにビタミンDサプリメントを摂ることの利益の根拠について議論した二つの記事についての専門家の反応

expert reaction to two articles discussing the evidence on the benefits of taking vitamin D supplements to prevent disease
November 23, 2016
http://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-two-articles-discussing-the-evidence-on-the-benefits-of-taking-vitamin-d-supplements-to-prevent-disease/
BMJの2つの記事で病気予防のためのビタミンDサプリメントの利益と害が議論された
食品科学と栄養コンサルタント企業のDPR社の創業者でReading大学食品バイオサイエンス客員教授David Richardson教授
Louis Levyのコメントに同意。子どもや青少年、出産可能年齢の女性のビタミンD不足への対応に失敗すると公衆衛生に重大な長期の影響をもたらす可能性がある。ビタミンD不足が多いので対応が必要である
私の意見では助言や用語の使用に統一性がない。意志や専門家、消費者、業界に混乱がある。SACNの助言は1日10マイクログラムのサプリメントでありそれは歓迎できるがEFSAの科学委員会は15マイクログラムである。
バーミンガム大学分子内分泌学教授内分泌学会員Martin Hewison教授
著者は複数の研究を解析して普通の健康な成人にはビタミンDサプリメントは追加の健康上のメリットはないと結論している。ビタミンDの利益はビタミンD欠乏の人でのみ観察されるだろう。ビタミンD欠乏の定義にはまだ議論の余地があるがそれは対象とする疾患により異なる。しかし目的の量がどこであっても英国の、特に冬はビタミンD欠乏リスクが高く、SACNは1日10マイクログラムのサプリメントを薦めている。
ビタミンDの機能の最も期待できそうな一部は臨床試験で適切に研究されていないことは重要である。実施が困難なものもある。持ち帰るべきメッセージは、ビタミンDについては健康上のメリットを評価するための臨床試験を始める前にもっと知る必要があり、それまではPHDのビタミンD助言は一般の人にとって賢明で従うべきであろう。