食品安全情報blog過去記事

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論文

  • 腫瘍の遺伝子検査結果は同じ患者でも異なる

Tumor gene test results can differ in same patients
15-Dec-2016
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-12/uowh-tgt120916.php
どの遺伝子検査をしたかによって検出される遺伝子変異と推奨される抗がん薬が同じ患者でも大きく異なる場合がある
JAMA Oncologyに発表された予備的研究。同じ患者で、市販の次世代遺伝子配列検査2つを比較したところ大きく異なる可能性がある。9人の患者でFoundationOneとGuardant360の検査を行った。一人の患者の場合どちらの検査でも変異は見つからず、残りの患者では全部で45の変異があったがそのうち二つの検査で一致していたのはたった10(22%)だった。二人の患者では二つの報告は全く一致しなかった。薬の候補としてあげられたのは全部で36だったが同じ患者で二つの報告で一致していたのは9だけだった。

  • The Lancet Public Health:英国ソフトドリンク業界税は特に子ども達に相当な健康上の利益があると推定される

The Lancet Public Health: UK soft drinks industry levy estimated to have significant health benefits, especially among children
15-Dec-2016
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-12/tl-tlp121416.php
2018年4月導入される英国の課税による健康への影響をオックスフォード大学のAdam Briggs博士らが推定。この制度で、業界が飲料の砂糖含量を減らす、課税分を飲料価格に上乗せ、砂糖の少ない飲料の宣伝広告、の3つの対応モデルで推定した。
(予想して、実際にどうなったか調べて、予想の何があたって何がダメだったかを検証して学問をすすめていくことが大事で、断片だけをセンセーショナルに報道したり政治利用したりするのは違う)

  • 美味しい食品は体重増加の原因?

Does good-tasting food cause weight gain?
15-Dec-2016
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-12/mcsc-dgf121516.php
新しいMonellセンターの研究によると、食品の望ましい味は体重増には繋がらない。
美味しさは我々の食品選択を決定するが長期にわたってどれだけ食べるか、は決めない。
肥満研究者はこれまで実験用ネズミにチョコチップクッキーやポテトチップ、甘いミルクなどの人間にとって美味しい食品を与えた結果食べ過ぎて太ることを示してきた。これらの研究は美味しいものは食べすぎになるから太るという考えを支持するものとされてきたが、感覚の質と食欲を分離していないのでほんとうにそうかどうかは言えなかった。そこでTordoff らは食べ過ぎと体重増加に与える味の役割を評価する実験(マウス)を行い、その結果をPhysiology & Behaviorに発表した。