食品安全情報blog過去記事

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その他

  • 2016年公衆衛生トップニュース

The Top Public Health Stories of 2016
by Berkeley Wellness | December 15, 2016
http://www.berkeleywellness.com/healthy-community/health-care-policy/article/top-public-health-stories-2016
1.ジカ拡散
2.女性の心臓発作に注目
3.とうとうリスクのある抗菌成分が禁止された(トリクロサンの件)
4.FDAが塩制限提案
5.新しい栄養ガイドラインがついに採択
6.高血圧が脳に悪いことが明らかに
7.記録破りの暑い年だった
8.FTCがホメオパシー製品を取り締まる
9.愛すべき豆(国際豆年)
10.炭酸飲料税まだ機運
11.選挙があった

11はこれ
Trump下の医療:カリフォルニアの展望
Health Care Under Trump: The California Perspective
by Amanda Z. Naprawa | December 15, 2016
http://www.berkeleywellness.com/healthy-community/health-care-policy/article/health-care-under-trump-california-perspective
心配なことが多く何かがおこることは間違いないがそれでも希望を見出し問題解決のきっかけにしよう、と。

  • 誰かがあなたの論文を丸ごと剽窃したらどうする?

What Would You Do if Someone Plagiarized Your Entire Paper?
By Julianna LeMieux — December 15, 2016
http://www.acsh.org/news/2016/12/15/what-would-you-do-if-someone-plagiarized-your-entire-paper-10595
Michael Dansinger博士はAnnals of Internal Medicineに「Atkins, Zone, Weight Watchers,および Ornishダイエットの大きなHDL粒子レベル増加への1年の有効性:無作為化試験の二次解析」というタイトルの論文を提出し、ピアレビューの結果「却下」された。ここまでは科学の範囲である。しかし1年後、データベースを検索したところほとんど同じ論文が別の雑誌に誰かの名前で発表されていた。これは科学の範疇ではない。剽窃論文はEXCLI journal Experimental and Clincal Sciencesに発表されている。Dansinger博士はAnnals of Internal Medicineにレビューワーについて問い合わせたところ、剽窃論文の著者の一人がDansinger博士の論文のレビューワーだった。そしてAnnals of Internal Medicineからの問い合わせに対して彼らは悪事を認めた。
問題の論文は取り下げられていて、剽窃論文の著者とDansinger博士の手紙が掲載されている。

  • 砂糖の科学を結晶化する

Nature Medicine
Crystallizing sugar science
Nature Medicine 22, 1369 (2016)
http://www.nature.com/nm/journal/v22/n12/full/nm.4250.html?WT.ec_id=JA-NM-201612
(日本語要約では「砂糖漬けの科学」になっているけれど、趣旨が砂糖についての科学的根拠がタバコ同様に圧倒的にならない限りタバコと同じ政策導入にはつながらないだろうという趣旨なので。ただin vitroや動物実験の結果を根拠に果糖をブドウ糖に代えるのがいいとも可能だとも思えない。タバコと砂糖を同じというのは無理がある)

  • 親愛なる高く評価されている専門家へ:アカデミックスパムとのつきあいかた

Natureニュース
Dear highly-esteemed expert: how to cope with academic spam
Daniel Cressey 14 December 2016
http://www.nature.com/news/dear-highly-esteemed-expert-how-to-cope-with-academic-spam-1.21158
スパムを減らすための介入を調べた研究者らは「削除ボタンに慣れよう」という
著名な教授であるAndrew Greyは、そのために他の学者同様、無数のメールを受け取る。それらは学会への参加や雑誌への投稿を呼びかけるスパムメールである。これらのスパムを止める方法をBMJのクリスマス特集に発表した。タイトルは「我々はたくさんのスパムを読む:頼んでいない、望まない学術的招待状の前向きコホート
Greyの研究チームは2014年2月から4月の間に受け取った全てのアカデミックスパムメールを収集した。ひとりあたり平均1日2.1通だった。5月に介入を試した:スパムメーリングリストの購読中止は1ヶ月後39%減ったがその後また増えて2014年より19%減っただけだった。NatureはGreyにこの知見について尋ねた。そのインタビュー。
対策は削除するか反スパム規制で脅迫するか。
送る側には消えろ!
(確かに文面は褒め称えるものが多い。何の関係もない分野だけど。削除に慣れすぎて大事なメールまで削除しているかもしれない)

  • 科学のあるべき場所

Science's rightful place
Jeremy Berg
Science 16 Dec 2016:Vol. 354, Issue 6318, pp. 1355
Obama大統領は最初の就任演説で「我々は科学を正当な場所rightful placeに置き直す」といった。そしてその後何度もこのフレーズを使った。私は他の多くの科学者同様この宣言を歓迎し、「正当な場所rightful place」という用語は示唆に富むと思った。
“rightful”は通常は法的にあるいは倫理的に適切だという意味である。「正しいright」には多様な意味があるが、政治における科学にとって必須なのは事実として正しいということである。
(中略)米国はこれから気候変動、医学、公衆衛生、ワクチンなどいろいろな問題に直面するだろう。2017年は新しい米国政権の中で科学を正当な場所におくために、データと厳密な解析を尊重しよう。
アメリカの科学界は悲壮感を漂わせながら身構えている感じ。)

  • 良い食事を優先しよう

Prioritizing good diets
David A. Cleveland
Science 16 Dec 2016:Vol. 354, Issue 6318, pp. 1385
米国の食環境を巡る矛盾についてのレター。USDAは野菜や果物の摂取を推奨しながら同時に貧困層の心臓代謝異常に関連する作物(穀類?)にも補助金を出している。大学はフードエイドや教育に力を言えているが炭酸飲料やファストフード企業と協力している

  • 米国シーフード輸入制限は機会とリスクになる

U.S. seafood import restriction presents opportunity and risk
Rob Williams et al.,
Science 16 Dec 2016: Vol. 354, Issue 6318, pp. 1372-1374
2017年1月1日、NOAAは米国にシーフードを輸出する国に、漁業が米国海洋ほ乳類保護法U.S. Marine Mammal Protection Act(MMPA)を守っていることを示すよう要求する新しい規則を発効する。米国は世代最大のシーフード輸入国でMMPAは世界で最も強い保護法であるため、資源保護に相当な影響がある可能性がある。一方貧しい地域に経済的困難を与えながらあまり資源保護に効果がないリスクもある。