食品安全情報blog過去記事

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論文

  • 小さい子どもは丸ごとのブドウで窒息する可能性がある、医師が警告

Young children can choke to death on whole grapes, doctors warn
20-Dec-2016
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-12/b-ycc121616.php
Archives of Disease in Childhoodに発表された小さい子どもが丸ごとのブドウで窒息して緊急手術になった3症例の紹介。2人は死亡。
(プチトマトも怖い)

  • 加工肉の摂取量の多さは喘息症状の悪化と関連する

High dietary processed meat intake linked to worsening asthma symptoms
20-Dec-2016
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-12/b-hdp121616.php
Thoraxに発表された、フランスの2000人以上の喘息患者を20年以上追跡している研究の971人の成人のデータに基づく研究。平均週に2.5単位の加工肉を食べていて4単位以上だと長期に渡る喘息症状の悪化と関連がある。

  • 「出版バイアス」が科学における事実の「是認」に影響するか?

Does 'publication bias' affect the 'canonization' of facts in science?
20-Dec-2016
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-12/uow-db121916.php
eLifeに12月20日発表されたワシントン大学のCarl Bergstrom生物学教授らによる数理モデル。雑誌がポジティブな実験結果を発表しやすい「出版バイアス」は、虚偽の主張が事実として是認されるリスクがあることを警告する。また出版のありようを変えることでそのリスクを最小限にできるという希望も示す。

  • スイスの調査は動物実験の欠陥の可能性を指摘

Natureニュース
Swiss survey highlights potential flaws in animal studies
Ramin Skibba 20 December 2016
http://www.nature.com/news/swiss-survey-highlights-potential-flaws-in-animal-studies-1.21093
実験デザインと統計解析の貧弱さが広範な前臨床動物実験の再現性の無さに寄与している
動物実験をしているスイスの科学者の多くがバイアスを減らすためのガイドラインを知らない
PLOS Biologyに今月発表された研究でスイスの動物実験認可申請1277とその結果の報告の一部を解析した。さらにPLoS ONEにスイスで動物実験を行っている研究者への詳細な調査結果を報告している。
PLOS Biologyの研究では、研究者の求める影響を検出するためのサンプルサイズの計算を行っているのは申請書のうちたった8%であった。動物の無作為割付はたった13%で、処置群かどうかを知らないで結果を測定するとしているのはたった3%だった。
一方PLoS ONEに回答した研究者は69%がサンプルサイズを計算しているという。

  • 狂牛病は脅威のまま。新しい血液検査で検出できる

Mad cow disease remains a threat. New blood tests could detect it
By Kelly ServickDec. 21, 2016 ,
http://www.sciencemag.org/news/2016/12/mad-cow-disease-remains-threat-new-blood-tests-could-detect-it
欧州で200人以上を殺した「狂牛病」の流行は10年以上前がピークだったが、その脅威はまだリアルである。ウシ海綿状脳症に汚染された肉とその特徴であるプリオンと呼ばれるゆがんだタンパク質を食べることは変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD)の原因となりうる。何千人もの欧州人が無症候性キャリアであると考えられていて輸血でプリオンを拡散する可能性がある。そのため何年もの間研究者らは血液供給の安全性を確保するための検査法を探していた。
今週二つのチームがその目標に近づいた。彼らは血中プリオン検出法を示した。
Science Translational Medicineに二つの論文が発表された。ただしどちらも偽陽性率を予想できるほどの検体数は分析していない。どちらのチームもより多数のサンプルで妥当性の検証を