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欧州人のアルテルナリア毒素への食事暴露評価

Dietary exposure assessment to Alternaria toxins in the European population
EFSA Journal 2016;14(12):4654 [32 pp.]. 23 December 2016
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/4654
アルテルナリア毒素は穀物、オイルシード、果物、野菜を汚染する恐れのある菌類が生産する二次代謝産物である。4つの個別のアルテルナリア毒素への慢性暴露評価は15563分析結果/4249例(アルテルナリオール(AOH)について3648、アルテルナリオールモノメチルエーテル(AME)について3654、テヌアゾン酸(TeA)について4168、テントキシン(TEN)について4093)を用いて評価された。分析結果のほとんどは左側打ち切りデータで(92%)、数値化結果は1290得られたのみである(主に「オイルシード」と「穀物製粉製品」)。AOHへの暴露が最も多いのは幼児で、平均暴露3.8 〜71.6 ng/kg体重(bw)/日 (最小下限値−最大上限値(LB–UB)) 、95パーセンタイル暴露11.4 〜270.5 ng/kg bw/日(LB–UB)だった。全体として「果物と果物製品」がAOH食事暴露に最も重要な原因である。AMEへの最大暴露は「幼児」で、平均暴露3.4 〜38.8 ng/kg bw/日(LB–UB)、95パーセンタイル暴露10.3 〜97.3 ng/kg bw/日(LB–UB)だった。AMEへの食事暴露の主な原因は「植物油」と「仁果類」(梨)である。TeAへの暴露が多いは「幼児」で、平均暴露100 〜1,614 ng/kg bw/日(LB–UB)、95パーセンタイル暴露では「乳児」が多かった(98–3,603 ng/kg bw/日(LB–UB))。「乳幼児用穀物ベース食品」が「乳児」と「幼児」の主な原因でほかの年代クラスではトマトとトマトベース製品だった。TENへの最大暴露は「幼児」で、平均暴露1.6 〜33.4 ng/kg bw/日(LB–UB)、95パーセンタイル暴露は別の年代クラスでおよそ55 ng/kg bw/日(UB)だった。「果実野菜」(トマト)がTENへの食事暴露の主な原因だった。基づくデータは限られるが、ベジタリアンは一般の集団よりアルテルナリア毒素への食事暴露が高いように思われる。