食品安全情報blog過去記事

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論文

  • 高血圧の高齢での発症が認知症から守る可能性

Study finds high blood pressure onset in late life may protect against dementia
17-Jan-2017
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2017-01/aa-sfh011117.php
Alzheimer's & Dementia: The Journal of the Alzheimer's Associationに発表された新しい研究では、人生の遅い時期に高血圧になることは90才以降に認知症になるリスクの低さと関連する、特に高血圧の発症が80才以上の場合には。
The 90+ Studyとして知られる90才以上の人を長期追跡する研究の一部の、559人を平均2.8年追跡した研究。

  • カロリー制限でサルが元気で長生き

Calorie restriction lets monkeys live long and prosper
17-Jan-2017
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2017-01/uow-crl011317.php
科学的議論が続く中で待望のアカゲザルでのカロリー制限研究が報告され、カロリー制限が健康で長生きに役立つことが示された。Wisconsin-Madison大学のチームと国立加齢研究所(NIA)のチームの二つの競合するチームが初めて協力した。Nature Communicationsに1月17日発表。
2009年にWisconsin-Madison大学のチームがサルの制限食は生存や疾患に利益があると報告し2012年にNIAのチームが寿命に有意差はなく健康状態は良くなる傾向があると発表していた。今回は協力して何年にも渡って集めた約200のサルのデータを解析し、研究結果の違いの理由もわかった。ひとつは二つの試験の食事制限の開始年齢が違うこと。食事制限は成熟した、高齢サルでは利益があるが若いサルには利益がない。これは齧歯類での研究と大きく違うところである。次に対照群のサルの食べる量が違う。三つ目に食べものの内容が違う。そして最後に性差がある。雌の方が肥満(脂肪が多い)ことによる有害影響に感受性が低いようだ。

  • ミツバチ警告、しかし警戒していない

Bee alert but not alarmed
17-Jan-2017
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2017-01/uom-bab011617.php
オーストラリアで最も致死的なもののひとつがマルハナバチ
有毒生物に咬まれたり刺されたりすることについての13年分のオーストラリアの全国データ解析で、よく出会うのが町や都市であることが明らかになった。またヘビや蜘蛛やクラゲなどの有毒生物の中で最も大きな公衆衛生上の脅威はハナバチであることも明らかにした。
死亡も含めて、有毒生物に刺されたり咬まれたりすることによる入院は全部で約42000で、蜂類が33%、次が蜘蛛の30%、ヘビが15%だった。死亡は64人で、半分以上の34人がアナフィラキシーショックである。ヘビによる死亡は27で、他のどの生物より死亡率が高い。蜂は27人の死亡で養蜂家は1人のみ、ダニが3人死亡、クラゲが3人。他に未知の昆虫が2人を殺している。蜘蛛による死亡は報告されていない。Internal Medicine Journal。

  • ダイエタリーサプリメントにはスタチンに関連する利益とリスクの両方があるかもしれない

Dietary supplement may carry both benefits and risks associated with statins
17-Jan-2017
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2017-01/w-dsm011717.php
紅麹を含むダイエタリーサプリメントが、しばしばスタチン代用品として宣伝されてコレステロールの高い患者に使われている。新しい研究でこれはスタチンに耐えられない患者にとって良い代用品ではないことを発見した。紅麹はスタチンでおこることがある筋肉と肝臓の障害と関連する。紅麹の有効成分はモナコリンで、スタチンの関連化合物である。スタチンは医師の監視下で処方され定期的に血液検査を行い、異常があれば中止される。一方紅麹は自己処方で医師の助言や監視はないため患者は有害影響に気がつかないリスクがある。

  • ゴキブリ団子がゴキブリと喘息症状をやっつける

Bait knocks out cockroaches -- and asthma symptom days
17-Jan-2017
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2017-01/tu-bko011717.php
The Journal of Allergy and Clinical Immunologyに発表されたTulane大学の新しい研究によると、ゴキブリ団子を使ってゴキブリを駆除することで子どもの喘息症状が出る日数を年に約50日減らせる。
喘息患者はゴキブリの唾液や皮や糞に非常に感受性が高いが、多くの専門家はゴキブリ対策として殺虫剤やゴキブリ団子やその他の対策を組みあわせた方法を薦める。これらの対策が低所得家庭にとっては難しいため、もっと簡単な方法を探った。この研究では主に低所得家庭102を対象に、半分の家にゴキブリ団子をおいて2-3ヶ月毎にチェックした。3ヶ月では差はなかったが12ヶ月ではゴキブリ団子をおいた家のゴキブリが22%減って子どもの喘息症状のある日は47日減った。救急または予定しない病院への通院も介入郡で17%少なかった。