食品安全情報blog過去記事

はてなダイアリーにあった食品安全情報blogを移行したものです

その他

  • 遺伝子編集騒動の中、酵素企業がNgAgoタンパク質に投資

Natureニュース
Enzyme firm invests in NgAgo protein at centre of gene-editing row
David Cyranoski 20 January 2017
http://www.nature.com/news/enzyme-firm-invests-in-ngago-protein-at-centre-of-gene-editing-row-1.21343
デンマークの企業Novozymesが中国のゲノム編集センターと合意
酵素製造業者が中国の大学とCRISPR-Cas9の強力な代用となるタンパク質の使用を探る合意に署名した。問題のタンパク質NgAgoが遺伝子編集者として働くという論文の結果には何人かの科学者が再現に失敗し疑っている。Novozymesが遺伝子編集にNgAgoを使う計画があるかどうかは不明である。同社は「我々はこの技術を調べてみて可能性があると考えたがまだ開発の初期で使えるかどうかを決める段階ではない」という。Novozymesは石家荘のHebei科学技術大学に非公開の投資をした。
(欧州でも酵素分野ではGMは盛んに使われている。食品成分の加工用にも)

  • 科学者が大規模トランプ抗議デモに参加

Scientists join massive protest against Trump
Sara Reardon 22 January 2017
http://www.nature.com/news/scientists-join-massive-protest-against-trump-1.21345
白衣を着た女性科学者たちがワシントンでの「女性の行進」に参加

  • 科学者のトランプ政権への期待と恐れ

Scientists on their hopes and fears for Trump administration
Jane J. Lee 20 January 2017
http://www.nature.com/news/scientists-on-their-hopes-and-fears-for-trump-administration-1.21344
科学者の発言を拾っている

  • 最新の加齢対策流行は「若い人の血」

'Young blood' latest age-fighting fad
Jan 22, 2017,
http://timesofindia.indiatimes.com/life-style/health-fitness/health-news/young-blood-latest-age-fighting-fad/articleshow/56715133.cms
プリンストンを卒業したが医師免許はない32才のJesse Karmazinは、若い人の血漿を輸血することで加齢を逆転させることができると主張する。現在Ambrosiaというベンチャーを立ち上げて「若い血」の臨床試験を開始している。Karmazinは1ヶ月8000ドルで2リットルの血漿を一回注入した人は若返ったように見えると主張する。しかし多くの医師や科学者は彼の試験はあまりにもデザインが悪く何の根拠にもならないだろうという。一部の人はこの試験は詐欺だという。
(普通の臨床試験は患者からお金をとったりしない)

Shutting down Ontario coal plants has benefited asthmatics, says Asthma Society
January 22, 2017
http://www.cantechletter.com/2017/01/shutting-ontario-coal-plants-benefited-asthmatics-says-asthma-society/
喘息学会長Vanessa Foranによると、2014年4月にオンタリオの石炭火力発電所が石炭を燃やすのを止め、その後水銀、酸化硫黄、酸化窒素の大量の削減と温室効果ガスの87%の減少に繋がった。しかし石炭火力発電の停止は、全てのオンタリオ住人がよく知っているように、この州のエネルギーコストの上昇をもたらした。

  • Gwyneth PaltrowのGoopは膣用翡翠の卵を売っている

Gwyneth Paltrow's Goop Is Selling Jade Eggs For Your Vagina
Jan 20, 2017
http://www.forbes.com/sites/brucelee/2017/01/20/gwyneth-paltrows-goop-is-selling-jade-eggs-for-your-vagina/#83d57b940cf3
66ドルで1-2インチの卵形の石を膣に入れるとして売っている
性的エネルギーを育て血の道をきれいにするclear chi pathways in the bodyなどと宣伝。
産婦人科医等から一斉に批判されている
(何故オーガニックだのデトックスだのに傾倒している人がこういうわけわからないものは平気で身体に入れるんだろう)

  • 朝食は痩せたままでいるのに役立つ?

Can breakfast help keep us thin?
By Candice Choi
http://limaohio.com/news/226467/can-breakfast-help-keep-us-thin
栄養科学はトリッキー
シリアルメーカーは朝食を食べることが痩せたままでいるのに役立つという信仰を布教してきた−その一部はその考えを支持する研究にお金を出すことによって。
じゃあ朝食は悪いのか?どちらでもない。そのことが示すのは、メーカーがお金を出した研究の場合、信頼できる食事助言と誇大広告を見分けるのは難しい、ということだ。栄養科学はしばしば決定的ではなく、灰色の部分はマーケティングによってねじ曲げられる余地がある。
「正義の味方バイアス」
科学者には決定的ではない研究を引用するとき、朝食が良いというふうに間違って解釈する傾向がある。これはあらゆる種類の食事についての考えについて可能性があり、例えば先月砂糖を制限する助言の背景にある科学は弱いという研究が発表された。この研究は企業がお金を出したと批判されたが、食事助言の脆弱性を強調するものである。
「良くない、良くない」
研究の資金源を開示するのはここ最近当たり前になったので過去の文献についてはわからない。たとえ資金源がわかっても全ての研究に意味があるわけでもない。
(略)
2015年の更新食事ガイドラインでは減量のために朝食を勧めることはなくなった。

  • 何故脂肪はあなたが思うほど悪くないのか

Why fats aren't as bad as you may think
Jan 22, 2017
http://www.cbc.ca/news/canada/british-columbia/eat-fat-get-thin-1.3943210
あなたは脂肪を摂取して体重を減らすことができる−しかしそれはあなたが一日中チーズバーガーを食べるべきだということではない
脂肪の多い食品は長い間栄養士や健康オタクの軽蔑の対象だった。しかしニューヨークタイムスのベストセラー「脂肪を食べて痩せるEat Fat, Get Thin」の著者Mark Hyman博士によると脂肪への先入観の多くは何十年にもわたる間違った研究に基づくという。「我々は脂肪は悪者で、脂肪(fat)を食べると太る(fat)と言われ続けてきたが、それは事実ではない」とCBCのBC Almanacで述べている。
中略
Hymanは減量の鍵は脂肪を全く食べないこと、ではなくて消化する炭水化物の量を制限して加工の少ない脂肪を食べること、だという。

おまけ
60年後にばれた米「砂糖業界」の大陰謀(上)「低脂肪ダイエット」のウソ--大西睦子
http://www.huffingtonpost.jp/foresight/sugar_b_14275570.html
こういう陰謀論でおもしろおかしく誇張するの、やめたほうがいい。
マリオン・ネスレは業界が悪いと言うけれど、最大の問題は砂糖でも脂肪でも「食べ過ぎ」。アメリカ人はいつだって食べ過ぎるのは自分のせいじゃなくて誰かのせい、という説を探している。そういう説を提供し続けることで「食べ過ぎ」から逃げ続けていて、結局公衆衛生上の利益にはならない。