食品安全情報blog過去記事

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  • サプリメントメーカーがハーバードの医師を黙らせようとし、学問の自由を裁判にかけた

A supplement maker tried to silence this Harvard doctor — and put academic freedom on trial
By Rebecca Robbins @rebeccadrobbins January 10, 2017
https://www.statnews.com/2017/01/10/supplement-harvard-pieter-cohen/
違法あるいは危険な可能性のある分子を含むダイエタリーサプリメントについて指摘した論文をピアレビューのある雑誌に発表しメディアのインタビューに答えたハーバードの医師を、サプリメントメーカーが中傷と名誉毀損だとして訴えた。
STATはこの件について膨大な裁判文書を精査し関係者にインタビューし調査した。この裁判は将来の減量や筋肉増強錠剤の安全性についての研究、公衆衛生問題についての学問の自由、そして我々がサプリメントに何が入っているのか知る能力について重大な意味がある。
ハーバードの研究者Pieter Cohen医師は11月にマサチューセッツ連邦裁判所で名誉毀損裁判に勝った。しかし彼を訴えた男、Hi-Tech PharmaceuticalsのCEOであるJared Wheatはこの判決を負けだとは考えていない;彼はおおっぴらにこの時間とお金のかかる法廷闘争が学者をサプリメント業界を調べることは恐ろしいことだと思わせるだろうと期待している。もしそれに効果がなければ、Donald Trump大統領を頼って国の法律を変えさせるだろう。
一方異物混入されたHi-TechサプリメントはCohenだけでなくFDAも警告しているにも関わらずまだ販売され続けている。FDAがHi-Techにいくつかのサプリメントのリコールを命令したがWheatは拒否し、ほんの僅か組成をいじっただけである。
この話はサプリメント業界の荒々しい世界への入り口である。医薬品企業と違って、サプリメント製造業者は市販前に安全性と有効性を示す必要がない。臨床試験を行う必要もない。規制当局に相談する必要もない。
監視がほとんどないため、極めて儲かる業界になった。Wheatの会社は年間1億ドル以上の収益がある。そのため製品の安全性に疑問を示す学者の裁判に30万ドルから40万ドル使ったところで惜しくもない。彼はインタビューで他の学者に対して「訴えられる可能性があるのだからよく考えたほうがいい」と言っている。
Pieter Cohenはニュースを見ていて自分が2億ドルの損害賠償を求めて訴えられたことを知った。最初は信じられなかったが事実だった。Cohenは数週間前にDrug Testing and AnalysisにHi-Techサプリメントが違法にアンフェタミン類似物質BMPEAを含むことを報告していた。Cohenにはこの研究のための研究費すらろくになかったがこの論文でサプリメント批判者として有名になった。
Cohenは幸運なことにハーバードが味方だった。それでも裁判は大変な消耗であった。
裁判で明らかになったことの一つがWheatは十代の頃からエクスタシーを売っていて、数年の実刑に服したこともある。Hi-Tech社は過去に何度も違法行為を行っている
(長い記事。いろいろ略。日本もこれと同じようになりたいというのだから正気の沙汰ではない。)

  • フランスが砂糖入り炭酸飲料のお代わり禁止

France bans sugary soda refills
Published January 31, 2017
http://www.foxnews.com/food-drink/2017/01/31/france-bans-sugary-soda-refills.html
肥満増加対策として、フランスがレストランに、客に砂糖入り飲料のお代わりを低虚数流ことを禁止する新しい法律を通過させた。フランスでは全国でセルフサービスのドリンクバーで炭酸飲料が提供されていることは滅多にないけれど。金曜日発効。

  • カナダ心臓脳卒中財団2017カナダ人の健康報告書

The Heart & Stroke 2017 Report on the Health of Canadians
http://www.heartandstroke.ca/what-we-do/media-centre/report-on-health
子ども向けに不健康な食品の広告が多すぎる
報告書はここからダウンロードできる

Nutritional Supplements for Osteoarthritis
by Berkeley Wellness | January 31, 2017
http://www.berkeleywellness.com/supplements/other-supplements/article/nutritional-supplements-osteoarthritis
長い間関節炎にまさに「魔法の治療法」のようにグルコサミンとコンドロイチン硫酸が宣伝されてきた。どちらの物質も天然に人体で作られるが、痛みを緩和するだけでなく病気を元に戻すとすら宣伝されてきた。しかしグルコサミンとコンドロイチン硫酸を使うことはしっかりした一貫した根拠が無く、リスクがあったとしても小さいので、試してみようと思うかもしれない。米国で販売されている他の全てのサプリメント同様、これらは規制されておらず、従ってあなたが何をどのくらいの量使っているかは定かではない。グルコサミンとコンドロイチンについては「関節炎にグルコサミン:イエス、ノー、多分?」(http://d.hatena.ne.jp/uneyama/20161109#p12)も参照
MSM(メチルスルホニルメタン)とSAM-e(S-アデノシル-L-メチオニン)もまた関節炎の痛みを緩和すると宣伝されている。MSMを使うことを支持する信頼できる科学的根拠はない。SAM-eについては予備的研究があるが決定的ではない。
もしあなたがサプリメント−あるいはその他の証明されていない治療法−を試そうとしているなら、それについて医師に相談するように。あなたの使っている医薬品と干渉したいる有害だったりするのを避けるために。