食品安全情報blog過去記事

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論文

  • 塩の摂取量を制限することが腎疾患のある患者の血圧を下げる

Limiting salt consumption lowers blood pressure in patients with kidney disease
16-Feb-2017
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2017-02/ason-lsc021017.php
・減塩助言は腎疾患患者の収縮期圧を平均11mmHg下げる
・減塩は同時に腎疾患でよくみられる過剰な体液の貯留も減らす
アメリカ人の2600万人以上が慢性腎疾患
Clinical Journal of the American Society of Nephrology (CJASN)の次号に発表。

  • エネルギードリンクは一部の人に致死的な可能性−研究

Energy drinks could be fatal for some – research
February 17, 2017
https://foodmag.com.au/energy-drinks-could-be-fatal-for-some-research/
International Journal of Cardiologyに発表された研究によると、遺伝的不整脈QT延長症候群の人はエネルギードリンク摂取後に危険な不整脈になるリスクが高い。
シドニーのRoyal Prince Alfred病院で行った、16-50才のQT延長症候群の24人の参加した2年間の研究

Consuming saturated animal fats increases the risk of type 2 diabetes
16-Feb-2017
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2017-02/uriv-csa021617.php
The American Journal of Clinical Nutritionに2月17日発表される研究によると、1日12gのバターの摂取は4.5年のフォローアップ後の糖尿病リスクの2倍高いことに関連し、全脂肪ヨーグルトの摂取はリスクの低さに関連する。心血管系リスクの高い人によるPREDIMED 研究の3,349人のデータを解析した結果。

  • 専門家がアマチュアアスリートもドーピングの管理が必要であると警告

Experts warn of the need to control doping also in amateur athletes
16-Feb-2017
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2017-02/uog-ewo021617.php
Granada大学の研究によるとドーピングはプロスポーツ選手だけの問題ではなくアマチュアアスリートにも啓発と予防キャンペーンが必要。The Sport Psychologistに発表。
2003年のアマチュアサイクリストで調べた結果。
Scienceニュース

  • 蚊を撃退したい?シトロネラキャンドルは使わないこと

Want to repel mosquitoes? Don’t use citronella candles
By Gwen PearsonFeb. 16, 2017 ,
http://www.sciencemag.org/news/2017/02/want-repel-mosquitoes-don-t-use-citronella-candles
ネッタイシマカの忌避剤11種類を調べた研究で5つのスプレーのうち1つ、ウエアラブル装置5つ、シトロネラキャンドルが宣伝効果を示さなかった。DEETとレモンユーカリ油スプレーはよってくる蚊を減らしたが、ウエアラブル装置で効果があったのは殺虫剤メトフルトリンを含むクリップでつけられるファンのみであった。残りは忌避作用は弱いあるいは全く何もしないと同じだった。Journal of Insect Scienceに発表。特に厳しく批判されているのはハーブ抽出物を含むブレスレットと超音波蚊撃退装置である。
For mosquito repellents, stick with the spray
16-Feb-2017
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2017-02/esoa-fmr020917.php

  • 5日間の断食で病気と闘い加齢を遅くできる

Five-day fasting diet could fight disease, slow aging
By Mitch LeslieFeb. 15, 2017
http://www.sciencemag.org/news/2017/02/five-day-fasting-diet-could-fight-disease-slow-aging
71人が参加した3ヶ月の臨床試験で、一ヶ月に連続した5日間、1日700-1100カロリーのメニュー(Longo社の製品)に従うことで、体重が平均2.6kg減るとScience Translational Medicineに報告。血圧、体脂肪、ウエストも減った。
3ヶ月では寿命を延ばすかどうかはわからないがLongoはインスリン様成長因子1が減ったという。

Fasting mimicking diet reduces risk factors for aging and multiple age-related disease
15-Feb-2017
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2017-02/cci-fm020717.php
広告代理店がプレスリリースを担っている、会社の宣伝。

  • フィッシュミールに使われる魚の90%が上等な魚

90 percent of fish used for fishmeal are prime fish
15-Feb-2017
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2017-02/uobc-9of021517.php
過去60年毎年平均2000万トンの世界の海で捕獲された魚がヒトの口に入っていない。
ブリティッシュコロンビア大学海洋水産研究所のSea Around Usプロジェクトによる研究。

  • キャンディやグミに含まれる食品添加物が消化器細胞の構造と機能を変える可能性

Food additive found in candy, gum could alter digestive cell structure and function
16-Feb-2017
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2017-02/bu-faf021617.php
NanoImpactに発表された二酸化チタンナノ粒子の培養細胞でのin vitro研究。5日間継続して粒子を暴露させて培養細胞の微絨毛が減ったと報告。
(あまり良い実験ではないが主張は大きい)

Collapse of Aztec society linked to catastrophic salmonella outbreak
Ewen Callaway 16 February 2017
http://www.nature.com/news/collapse-of-aztec-society-linked-to-catastrophic-salmonella-outbreak-1.21485
500年前の細菌のDNAが、スペイン征服後におこった人類にとって最も恐ろしい流行のひとつの直接的根拠となる
bioRxivに発表された二つの研究。

  • 閉経後も減量は可能

Weight loss actually possible after menopause
15-Feb-2017
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2017-02/tnam-wla021317.php
太っている閉経期の女性と話をすると、ホットフラッシュと痩せられないことへの苦情を聞くだろう。新しい研究は運動することがホットフラッシュと減量に役立つことを示した。
Menopauseに発表。

  • 研究がビタミンDが風邪やインフルエンザから保護することを確認

Study confirms vitamin D protection against cold and flu
15-Feb-2017
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2017-02/mgh-scv021417.php
ビタミンD欠乏の程度が最も大きい人(血中ビタミンD濃度10 mg/dl未満)では急性呼吸器感染リスクが半分になる
The BMJに発表された11000人以上の人を含む25のRCTのメタ解析。
多くの人がビタミンDは骨や筋肉の健康にとって重要であることを理解しているが、我々の解析からは急性呼吸器感染にも役立つことがわかった、と上席著者の Carlos Camargoマサチューセッツ総合病院医師は言う。

  • 生涯体重増加は食道と胃のがんに関連

Lifetime weight gain linked to esophageal and stomach cancers
15-Feb-2017
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2017-02/cru-lwg021417.php
British Journal of Cancerに発表された研究によると、20代に過体重でその後さらに肥満になった人は食道や胃の上部のがんになる可能性が生涯健康体重を維持する人の3倍高い。
また大人になってから20kg以上体重が増えた人は体重がほとんど変わらない人に比べて2倍食道がんになりやすい。
NCIの研究者らによる40万人以上の人のデータを解析した研究。

  • GM食品:何故「事実のみ」を提示するのは効果がないのか

GM foods: Why presenting 'just the facts' won't work
15-Feb-2017
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2017-02/uoa-gfw021517.php
議論のある科学の問題については、科学者は人々との関わり方を再考する必要がある、と女性のGM食品への態度を調べた新しい研究の著者は言う。アデレード大学の研究者らがフォーカスグループで行った結果をNew Genetics and Societyに発表し、科学者が「事実のみ」を提示し続けるなら、多くの人は、たとえ教育レベルの高い人でも、考えを変えたり関与したりしないだろうことを示した。
この結果は原子力エネルギーや気候変動、予防接種、水道水のフッ素添加などの他の議論の多い科学的問題への公衆の参加にも意味がある。
「我々はこれまでの研究が常に女性の方が男性よりGM食品反対が多いことに興味をもちその理由をもっと理解しようと思った」と共著者のRachel Ankeny教授が言う。
GM食品はコミュニティにとって重要な問題で女性は自宅での食品の準備に今でも大きな役割をもつため、女性の考え方と価値観を理解する必要がある」
フォーカスグループはオーストラリアの多様な教育レベルの女性で、科学者も含む。
「科学のバックグラウンドのある女性は彼らの立場を支持するのに根拠を用いるが、その使い方は私達にとっては驚きであった。」と共著者のHeather Bray博士は言う。
「植物科学のバックグラウンドのある女性は害があるという根拠がないのでGM食品は食べても安全だという。しかし保健科学分野の女性は安全性についての根拠がないからGMは注意するという。これらの認識は、科学の教育レベルの高い集団であっても、リスクについての非常に異なる二つの概念に基づく。」
「科学の背景のない女性にとっては、GM食品は「よくわからない」リスクなので避けるべきである。我々の研究からたちあがる科学とはかけ離れた一連の問題があるが、大きいのは科学への一般的不信である。」
Ankeny教授は今週AAAS年次会合の科学コミュニケーションパネルで話す。
(反論していい?女性が、ではなく食べることに毎日責任を感じている人が、だと思う。男性だって主婦をやれば変わる。それからたとえ教育レベルが高くても自分の専攻分野以外ではみんな素人だということ。むしろ知らないくせに妙な自信をもっているからかえってめんどくさい。正しくリスクを把握し判断するのに必要なのはばらばらになった断片的事実ではなくてその分野に関する体系的で包括的な知識。食品についてはそれがないひとが専門家面してるから混乱する。)