食品安全情報blog過去記事

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その他

  • トランプの時代に科学の誠実さを確保すること

Ensuring scientific integrity in the Age of Trump
Gretchen T. Goldman et al.,
Science 17 Feb 2017:Vol. 355, Issue 6326, pp. 696-698
トランプ新政権が米国政府における科学の役割に不確実性をもたらしている。初期の兆候としては科学的根拠を歪めるあるいは無視するようである。過去20年の根拠から、そのような脅威に直面した場合、科学を支持する人たちは政府の政策決定プロセスにおける科学の誠実さをまもるためにできることがある。
アメリカ人は今でも科学を高く評価している。
科学コミュニティはこれまで主にお金を要求してきたが政策決定における科学についてはあまり主張してこなかった。しかし最終的には対応した。
参加し、支持し、弁護せよ
最初に、政府の科学者の仕事の価値を支援することを示さなければならない。次に科学コミュニティは公衆保護のための科学的起訴を擁護する準備をすべきである。三つ目に意志決定者に科学者が関与するプロセスを擁護しなければならない。最後に科学者は個人個人が科学コミュニティ以外の場所で意志決定者に科学的助言を提供したり科学の重要性を伝えたりすることに参加できる。
(長い記事。いろいろ略)

  • Robert F. Kennedy Jr.は「ワクチン安全性」委員会はまだ準備中という

Robert F. Kennedy Jr. says a ‘vaccine safety’ commission is still in the works
By Meredith WadmanFeb. 15, 2017
http://www.sciencemag.org/news/2017/02/robert-f-kennedy-jr-says-vaccine-safety-commission-still-works
本日ワシントンのNational Press Clubでの記者会見で語った。ホワイトハウスはこの件についての取材に反応していない。

  • 米国はルイジアナの医薬品とダイエタリーサプリメント製造業者に不正商標表示の未承認医薬品および不正商標表示で異物混入ダイエタリーサプリメントの販売を中止する永久差し止め同意判決

司法省プレスリリース
United States Files Consent Decree of Permanent Injunction Against a Louisiana Drug and Dietary Supplement Manufacturer to Stop Distribution of Misbranded and Unapproved New Drugs and Misbranded and Adulterated Dietary Supplements
Thursday, February 16, 2017
https://www.justice.gov/opa/pr/united-states-files-consent-decree-permanent-injunction-against-louisiana-drug-and-dietary
Pick and Pay, Inc./ Cili Minerals LLC (Cili Minerals)社とそのオーナーで CEOのAnton S. Bothaに対して。製品はADD-Ease, Bone Structure, CilZinCo, カルシウム, ホウ素, カリウム, Cilver, 硫黄、ゲルマニウムなど。
FDAから何度も警告されていた。

Natureエディトリアル
The dark side of social media
15 February 2017
http://www.nature.com/news/the-dark-side-of-social-media-1.21478
心理学者がインターネットの荒らしはどんな努力でも変えられないようであることを発見
Computers in Human Behaviourに発表された研究。インターネットで反社会的行動をしている「荒らしtrolls」コミュニティに参加しようとした。
(いろいろ略)
他に二つのポイントがある。ほとんどの汚い言葉や侮辱的メッセージはソーシャルメディアの規則に反するが何の対応もされなかった。二つ目は「荒らしに餌を与えない」はほとんど影響がない。彼らは既にシステムにあるオルタナティブファクトやフェイクニュースを食べて生き、糾弾を生き甲斐にして成長している。

  • トルコパラドックス:科学者は緊急事態の中で繁栄することができるか?

Natureニュース特集
The Turkish paradox: Can scientists thrive in a state of emergency?
Alison Abbott 15 February 2017
http://www.nature.com/news/the-turkish-paradox-can-scientists-thrive-in-a-state-of-emergency-1.21475
政治的混乱がトルコの野心的京急開発計画を脅かす
トルコは2005年にEU加盟交渉を始めて以来研究資金を急増させてきて2014年にはさらに拡大すると発表していた。

エディトリアル
Steps to help Turkey build a future on research
15 February 2017
http://www.nature.com/news/steps-to-help-turkey-build-a-future-on-research-1.21476
トルコ政府は科学計画を成功させるには大学職員の解雇をやめ歓迎的研究環境を作るべきだ

  • 追悼George Klein (1925–2016)

Nature 542, 296 (16 February 2017)
http://www.nature.com/nature/journal/v542/n7641/full/542296a.html
妻Evaと一緒に、腫瘍抑制遺伝子を発見。また免疫系ががん細胞をどうやって排除するかについての研究を行った。12月10日に91才で亡くなった。

覚え書き2 疑似科学としてのホメオパシー
Commission on Pseudoscience and Research Fraud
Memorandum #2
HOMEOPATHY AS PSEUDOSCIENCE
(Abstract)
February 7, 2017
http://klnran.ru/2017/02/memorandum02-homeopathy/
本文はロシア語、要約のみ英語
ホメオパシーの理論には科学的意味が無く、ホメオパシーによる診断や治療は疑似科学であり効果はない。
またホメオパシーは安全でもない。患者は効果のない薬に相当なお金を費やし、有効な治療をおこなわない。
特にロシア保健省に対して20年以上前に根拠無く医療システムに取り入れたことを再検討すべきと薦める

SMC UK
expert reaction to study investigating the impact of vitamin D supplements on acute respiratory infections
February 15, 2017
http://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-study-investigating-the-impact-of-vitamin-d-supplements-on-acute-respiratory-infections/
BMJに発表された統計的レビューとメタ解析がビタミンDサプリメントが、特にビタミンDレベルの低い人に、安全で急性呼吸器感染症をリスクを下げると報告した
王立国立整形外科病院小児科相談医Benjamin Jacobs博士
Martineauの研究は大きな前進である。25の臨床試験の厳密な解析によりビタミンDの安全性と理利益についての強い根拠を示す。ビタミンDが骨の健康に良いことは既に広く受け入れられているが他の健康影響についてはまが多くの人が疑っている。
Martineauの研究はビタミンDを使用している人、全ての年代の患者を含む、の呼吸器感染が明確に下がっていることを示す。この知見の主な注意点は、ビタミンDは毎日または毎週投与したときだけ有効で、大量を月に一回、あるいはもっと少ない頻度で与えられたときは利益がみられず有害ですらある可能性がある、ということである。
Bollandや他の懐疑者はこの解析の欠点を探したが見つからなかった。Martineauのデータは世界中の質の高い臨床試験の11000人の患者由来のもので、強固である。全体へのビタミンDサプリメントあるいは食品へのビタミンD強化はいまや否定できない。政府と医療の専門家はビタミンD政策をつくるのにMartineauの研究を考慮する必要がある。
登録栄養士で英国栄養士会広報官Catherine Collins氏
ビタミンDは必須栄養素の中でも最も複雑なバックグラウンドのあるものである。それはビタミンではなく、皮膚に日光が当たると合成できるホルモン前駆体である。しかし日光と皮膚がんに関する「日光安全性」メッセージやライフスタイルや文化的要求のため、多くの人がビタミンDを今は食事から摂っている。そして油分の多い魚やレバーはあまり好まれないため、食事からの摂取量は不足していて欠乏症が増えている。
ビタミンD欠乏の血液検査は活性のないプロホルモンを測定する−活性型ビタミンDは血液中カルシウム濃度に反応して必要に応じて副甲状腺で作られる。活性型1,25ビタミンDの測定は単に副甲状腺機能を見ているだけでビタミンが十分かどうかをみているわけではない。そしてこの血中濃度の解釈が難しいことが、皮膚の色や年齢や体脂肪率でで変わり日光暴露で複雑になる食事からの摂取量や生物学的利用度の予想が難しいことに加わって、ビタミンDを研究の難しい栄養素にしている。それでもビタミンDは骨の健康以外にも重要な機能があり、多くの研究で免疫系への影響がしらべられている。
この論文はビタミンDの免疫系で既に確立されている役割を確認した。そしてビタミンD欠乏の人にとってはサプリメントが重要な役割を果たすことを確認した。サプリメントの選択にあたっては「少ない方が良い」ようで、保健省やEFSAのガイドラインにある、日光に当たらずビタミンDの多い食品をあまり食べない人は1日10mgが最適だろう。
このレビューでは高用量サプリメントの方が低用量サプリメントより効果が小さいように見える。研究数は少ないがこれは生理的にありそうなことで、我々の人体は大量に薬理作用のあるような栄養成分の量より普通の食品にあるような少量のほうが好きらしい。この場合大量とは30,000 IU/ 750mcgで、サケの切り身75枚あるいは750個の卵の黄身、あるいはマーガリン20箱を一度に食べることに相当する。
(以下略)
内分泌学会会員でBirmingham大学分子内分泌学教授Martin Hewison教授
この研究は重要で先のBollandらの研究と同等の厳密さであるがいくつか進歩している。データを層別にしてビタミンDを補充する前に欠乏症だった人に最も大きな利益が観察されることを示した。最初からビタミンDが十分だった人にはビタミンDサプリメントはあまり効果がない。二つ目はビタミンDの投与は毎日あるいは毎週の場合にのみ有効である。そして最後はこの研究を説明できるメカニズムがたくさんの前臨床研究で支持されている。
この研究は英国のようなビタミンD欠乏リスクの高い人たちにとって重要であろう。
英国免疫学会広報Catherine Hawrylowicz教授
観察や実験研究でビタミンDの補充は急性気道感染感受性を下げるだろうと予想されていた。しかし様々なデザインの臨床試験は一貫して利点を示してはいない。
このメタ解析と系統的レビューはこれまでで最大規模のもので、全体への影響は弱いが、ビタミンDをもともと欠乏である人に頻繁に与えることにはより大きな利益があることを示した。
PHE栄養科学部長Louis Levy教授
SACNの根拠のレビューに基づき、我々は筋骨格系の健康のため、一部の人には年中ビタミンDを1日10マイクログラムサプリメントで摂ることを薦め、秋と冬には全員が使用を検討するよう薦めている。
感染症へのビタミンDの影響についての根拠は一貫せず、この研究は感染予防のためにビタミンDを薦める根拠としては十分ではない。

Lethal drug carfentanyl found at Brisbane mail centre, Queensland police issue urgent warning
http://www.abc.net.au/news/2017-02-17/lethal-drug-carfentanyl-found-brisbane-mail-centre-qld/8280790
皮膚や目に触れた人はリスクが高い
警察はこの薬物が中国で合成されて世界中の娯楽用薬物販売業者により輸入されている、という

Deadly overdose on Queen West may have involved fentanyl
Thursday, February 16, 2017
http://toronto.ctvnews.ca/deadly-overdose-on-queen-west-may-have-involved-fentanyl-1.3289500
水曜日にQueenとBathurst地域で28才の男性がヘロインを過剰使用して死亡したが多分それにはフェンタニルが入っていた、と警察が疑っている。

Fentanyl linked to 5 overdoses in Barrie, Ont. among people who attended party
Thu., Feb. 16, 2017
https://www.thestar.com/news/gta/2017/02/16/fentanyl-linked-to-5-overdoses-in-barrie-ont-among-people-who-attended-party.html
トロント北部の市でのパーティでコカインだと信じて使用した5人が過剰使用になっtが実際にはフェンタニルが入っていた可能性があると警察が言う。10月の事件の調査報告。5人が使用したのはヘロインとフェンタニルである。