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赤ワインにある物質が「老化との闘いに役立つ」

Behind the headlines:
Substance found in red wine 'helps fight ageing'
Wednesday March 8 2017
http://www.nhs.uk/news/2017/03March/Pages/Substance-found-in-red-wine-helps-fight-ageing.aspx
「赤ワインは『老化のプロセスとの闘いに役立つ』可能性があるがどのくらい飲まなければならないか?」と、The Sunは問う。米国の研究が赤ブドウの皮に含まれる物質であるレスベラトロールが加齢に伴い筋肉や神経を健康に保つことに役立つ可能性があると示した。しかし、研究が人でなく齧歯動物で実施されたので、この話には「それで、あなたはマウスですか?」とも問うのがいいだろう。
研究者は1年かけてレスベラトロールを含む食物をマウスに与えた。その後、レスベラトロールを与えたマウスと普通の食事を与えてきた同じ年齢のマウスの筋肉と神経の細胞を比較した。レスベラトロールが豊富に含まれた食事を与えたマウスにおいては、加齢による変化が少なかった。
赤ワインはレスベラトロールを含むが、1リットルあたり0.2mgから12.6mgと量は幅広く変化する。この研究で摂取された量ほど多くはない。
マウスは毎日体重1kgあたり400mgのレスベラトロールを与えられた。同じ効果を出すためには、英国の平均体重(約70kg)の女性には一日28gのレスベラトロールが必要になるだろうーつまり最もレスベラトロールが多く含まれたワインの2000リットル以上である。平均体重の男性ならばもっと必要になるだろう。
研究者はまたもう一つの化学物質メトホルミンも調べたが、影響は少ないことがわかった。しかし、低カロリーの食事では筋肉と神経の加齢による変化がゆっくりであるようだということを発見した。過去の研究で運動が役立つ可能性があることが示されている。
ということで、永遠の若さのためには飲酒より少食にし、多く運動することが確実なよりよい方策である。