食品安全情報blog過去記事

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その他

  • 作物に害をなすものとの戦いに、CRISPRや微生物やその他が参戦

Nature特集
CRISPR, microbes and more are joining the war against crop killers
Brooke Borel 14 March 2017
http://www.nature.com/news/crispr-microbes-and-more-are-joining-the-war-against-crop-killers-1.21633
農業分野の科学者達は農薬耐性対策として合成化合物以外を模索
写真はフィリピンのバナナプランテーションでの農業用飛行機による抗真菌剤の散布
長い記事

Natureニュース
Trump and Republicans take aim at environmental agency
Jeff Tollefson 10 March 2017
http://www.nature.com/news/trump-and-republicans-take-aim-at-environmental-agency-1.21618
EPA長官Scott Pruittは二酸化炭素が気候に影響するということを否定し、規制を廃止すると約束
EPAがTrump政権と共和党議会の標的となって気候変動から政策決定への科学的データの使い方まであらゆることを変えようとしている。3月9日の下院科学宇宙技術委員会は現在EPAから研究費をもらっている科学者がEPAの助言委員会のメンバーになることを禁止し、新しい規制の正当化のために使われる全ての科学的データを公開することを要求する法案を承認した。同じ日にEPA長官Scott Pruittは二酸化炭素地球温暖化の主要因子ではないと信じると言った。ホワイトハウスEPAの2018会計年度予算を25%カットする予定であるというリーク文書とあわせて、EPAの科学者は崖っぷちに立たされている。
(以下いろいろな反応)

  • 製薬業界と関係のある医師がTrumpのFDA長官候補

Physician with drug-industry ties is Trump's FDA pick
Heidi Ledford  10 March 2017 Updated: 13 March 2017
http://www.nature.com/news/physician-with-drug-industry-ties-is-trump-s-fda-pick-1.21619
Scott Gottliebは利益相反に関して精査されるだろう
Barack Obama大統領による医療システムの改革に声の大きい批判者だった保守派の医師でベンチャー投資家のScott GottliebがFDA長官候補である。
(彼は最悪の選択肢ではないという声を紹介している)

  • ILSIミニシンポジウム

サルコペニアとフレイルティ−評価、有病率、予防
Sarcopenia and Frailty – Assessment, Prevalence and Prevention
December 6, 2016, Biopolis, Singapore
要約
http://ilsisea-region.org/wp-content/uploads/sites/21/2016/12/Summary-Report_Mini-Symposium-on-Sarcopenia-and-Frailty-Assesment-Prevalence-and-Prevention.pdf
プレゼン
http://ilsisea-region.org/event/sarcopenia2016/#presentations

SMC NZ
Flushing out Auckland’s drug use – In the News
March 13th, 2017.
http://www.sciencemediacentre.co.nz/2017/03/13/flushing-out-aucklands-drug-use-in-the-news/
下水に流される薬物を調べた研究によると、オークランドで最も良く検出される薬物はメタンフェタミン
Massey大学の主導した研究で2014年5月から6月の二ヶ所の下水処理施設を調査したところ、メタンフェタミンコデインモルヒネ、メサドンが両施設から高濃度で検出された。MDMA(エクスタシー)とコカインは比較的希でそのパーティードラッグとしての性質に沿って週末にのみ検出される。しかしメタンフェタミンは一週間を通して常に検出され続ける−依存性と働くときに興奮剤として使われていることを示す。
この予備的研究の知見は地元メディアで報道されている
(リンク)

  • ニュージーランドは予防接種をしていない子どもを保育園禁止にする必要はない−Nikki Turner

NZ doesn’t need to ban unvaccinated kids from childcare – Nikki Turner
March 14th, 2017.
http://www.sciencemediacentre.co.nz/2017/03/14/nz-doesnt-need-to-ban-unvaccinated-kids-from-childcare-nikki-turner/
予防接種の率を上げるためにオーストラリアの「予防接種しなければ払わない」モデルをニュージーランドも採用すべきか?予防接種助言センターのNikki Turnerはノーという、現在の我々のアプローチに効果があるので。
一部抜粋
国の目標水準を設定して医療従事者や保護者に効果的にコミュニケーションをするシステマティックなアプローチにより過去25年にわたって予防接種カバー率は劇的に改善してきた。1991年には2才までに全部の予防接種を受けている子どもは56%でマオリや太平洋諸島のこどもはもっと低かったが、1995/6年には72%になり2017年には95%弱になった。だからニュージーランドにはオーストラリアのような厳しい対策は必要ないと信じる

コンシューマーラボ
Product Review: Vitamin C Supplements
Initial Posting: 3/10/17 Last Update: 3/14/17
https://www.consumerlab.com/reviews/vitamin-C_supplement_review/vitaminc/
20%が品質検査に失格(表示より多い)

  • 科学研究を訴訟に巻き込むな

Nature Medicine 23, 265 (2017)
http://www.nature.com/nm/journal/v23/n3/standfirst/nm.4303_ja.html?lang=ja
日本語要約
「最近、あるサプリメントがヒトで安全性が確認されていない化合物を含んでいることを明らかにした論文の著者と共著者が、そのサプリメントの製造・販売企業に名誉毀損で訴えられたのは、典型的な例の1つである。訴訟は何度も繰り返されたが、最終的に著者側の勝訴となった。だが、弁護士費用、証拠となる資料作成などに費やされた莫大な時間とエネルギーは、本来なら研究に注ぎ込まれるべきものであることは明らかだ。また、この企業のCEOは今回の訴訟により、「同じような口出しをすれば訴えられる」と、研究者が公表をあきらめるようになることを期待していると語っている。」
(こういう悪徳企業と弁護士が栄えることが「規制改革」の目的なの?)

  • チーズを食べて人が死に、米国の未殺菌ミルクムーブメントは重大な後退に直面

With people dying from eating cheese, the US raw-milk movement faces a serious setback
By Neha Thirani Bagri March 14, 2017
https://qz.com/932309/with-people-dying-from-listeria-due-to-eating-cheese-the-us-raw-milk-movement-faces-a-serious-setback/
チーズが原因と考えられるリステリア感染の発生が未殺菌ミルクを巡る激しい議論に再び火をつけた。3月9日にCDCが、ニューヨーク北部の職人的チーズメーカーのVulto乳製品製造所の未殺菌ミルクチーズを食べてバーモントとコネチカットで2人が死亡、他に4人が病気になったと発表した。全員がリステリア感染でVultoは全ての未殺菌ミルクチーズをリコールした。調査はまだ続いているが亡くなった男性の未亡人が会社を訴えている。
欧州では未殺菌ミルクのチーズはよく見られるが米国では州により様々である。未殺菌ミルク製品の提唱者は殺菌で風味が損なわれると主張するがFDAは未殺菌ミルクには危険な微生物がいて重大な健康リスクになるといっている。
(以下それぞれの言い分略。未殺菌ミルクムーブメントなんかいらない)

  • Belle Gibsonはがんになったという主張で人々を誤解させた、と判事が言う

Belle Gibson misled public with cancer claims, judge says
Wednesday 15 March 2017
https://www.theguardian.com/australia-news/2017/mar/15/belle-gibson-misled-public-with-cancer-claims-judge-says
ウェルネスブロガーBelle Gibsonは末期の脳腫瘍やその他のがんを食事療法と代替療法で治したと主張してウェルネス帝国を築くことにより消費者法に違反したと連邦裁判所が判断した。罰は後日伝えられる。判決の場にBelle Gibsonは不在で裁判の全ての主張に反論しなかった。
(中略)
今週初めGibsonフェイスブックにクリーニングダイエットと浣腸で15cmの寄生虫を出すのに役立ったという投稿をしている。
(オーストラリア。)

  • 自由党が選挙に勝ってから医療用大麻の使用者が4倍になった

Number of medical marijuana users has quadrupled since Liberals won election
March 14, 2017
http://www.ctvnews.ca/health/number-of-medical-marijuana-users-has-quadrupled-since-liberals-won-election-1.3325207
CTV Newsが入手したデータによると医療用大麻使用者として登録されているカナダ人は大麻を合法化するとキャンペーンを行ったJustin Trudeau首相になって3万人から13万人に急増した。全国大麻アクセス協会のDerek Ogdenは月に10-15%大麻業界が拡大していると言う。カナダ最大の都市の警察は規制されていない大麻の販売業者を取り締まり、多くの人が医師の処方を求めて登録を希望している。一部の病院の医師は患者に会うことすらなくSkypeで診療して患者は郵便で大麻を入手している
(医療用じゃないだろうに)