食品安全情報blog過去記事

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その他

  • カナダの予算では研究は凍ったまま

Scienceニュース
Research stays frozen in Canadian budget
By Wayne KondroMar. 22, 2017 ,
http://www.sciencemag.org/news/2017/03/research-stays-frozen-canadian-budget
水曜日にリベラル政権の二回目の予算が発表され、-30℃にまで凍えた。カナダの首都には春は来ない。
アメリカの研究者がカナダに逃げる、わけにはいかないようだ)

  • 韓国の科学者は政治的混乱の中変化を探る

Natureニュース
South Korea’s scientists seek change amid political chaos
Mark Zastrow 22 March 2017
http://www.nature.com/news/south-korea-s-scientists-seek-change-amid-political-chaos-1.21690
大統領の弾劾はこの国の基礎研究支援のシフトの機会

Conventional Produce Is Not Dirty, But The Marketing Tactics Of Big Organic Are
Mar 14, 2017 、Steven Savage
https://www.forbes.com/sites/stevensavage/2017/03/14/is-conventional-produce-dirty-no-but-the-marketing-tactics-of-big-organic-are/#11bd3d7b465c
過去12年間毎年環境団体EWGが「ダーティーダズン(汚い12の作物)リスト」を発表している。これは残留農薬が多い作物の名前をあげて消費者にオーガニックを買おうと呼びかけるものである。このリストのもとになっているのはUSDAの農薬データ計画PDPの結果を深刻に歪めたものである。PDPのデータは実際には販売されている食品は極めて安全であることを示している。EWGはこの種の科学的根拠とはほど遠い戦略を用いてアメリカ人の農産物摂取に影響を与えてきた。さらにEWGはこの戦略でオーガニック業界から多額の資金を得ている。
今年のリストでは特にほうれん草を悪者にしている。農作物に検出された残留農薬は全て低濃度で健康上の懸念とはならない。健康のためにできる最良のことはたくさんの野菜や果物を食べること、で専門家の意見は一致している。残念ながらアメリカ人は足りていない。ほうれん草を食べないように薦めることは無責任である。
先に書いたように、実際にはオーガニック農産物にも農薬成分は含まれる。合成ピレスロイドペルメトリンと除虫菊のピレトリンは作用機序は同じである。USDAは慣行栽培のほうれん草から平均0.8ppmのペルメトリンを検出していてこれはEPAの設定したトレランスの4.2%にすぎない。心配する必要はない。USDAは同じ季節のオーガニック検体からも平均0.9 ppmペルメトリンを検出している。
(いろいろ略)

  • フレズノの子どもの血液からはまだ高濃度の鉛が検出される

High levels of lead still detected in Fresno children’s blood
March 22, 2017
http://www.fresnobee.com/news/special-reports/housing-blight/article140095238.html
カリフォルニア公衆衛生省のデータによると、フレズノの北部LowellおよびYokomiに住んでいた子ども達の血中鉛濃度が非常に高い。郵便番号93701 の地域の6才未満の子どもの約14%が5マイクログラム/dL以上だった。他に8つの郵便番号の地域で鉛濃度が高かった。新しい問題ではなく、貧困層の古い建物から鉛入りの塗料がはがれ落ちているため。

  • 2000年以降のオーストラリアでのヘビに咬まれての死亡の半分以上は自宅で

More than half Australian snake bite deaths since 2000 occurred at victim’s home
https://www.theguardian.com/environment/2017/mar/23/more-than-half-australian-snake-bite-deaths-since-2000-occurred-at-victims-home
35人の犠牲者のうち約3/4が男性で20%はヘビを排除あるいは殺そうとして咬まれている
メルボルン大学のオーストラリア毒研究ユニットの公衆衛生専門家Ronelle Weltonらの研究。

  • ほどほど飲酒と心臓の病気についての研究への専門家の反応

SMC UK
expert reaction to research on moderate drinking and heart conditions
March 22, 2017
http://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-research-on-moderate-drinking-and-heart-conditions/
The BMJに発表された新しい集団ベースのコホート研究が飲酒と心血管系疾患の関連を調べた
英国アルコール研究財団の研究政策部長James Nicholls博士
この大規模研究はいわゆる「J字曲線」、つまり多くの場合ほどほど飲酒者はたくさん飲む人や全く飲まない人より心疾患になる可能性が少ない、が存在するという強い根拠を提供する。既存の研究は適量飲酒が心疾患リスクが低いことを示唆するが多くの問題があった。例えば病気のために飲酒を止めた人や、この種の研究に参加する高齢飲酒者はしばしば健康な人であること、あるいは若いときの飲酒パターンデータがないことなどが結果を歪める可能性がある。この研究はそれらの多くの懸念に対応している。
この研究は保護作用についての根拠を提供しながらも著者らはだからといって飲酒が薦められるわけではないと賢明にも指摘している。どんな保護作用もたまたま暴飲すれば意味が無くなってしまうし、健康のためには運動や良い食生活のようなもっと良い方法がある。
あなたがガイドラインに従って飲酒しているなら、それにより寿命が長くなることも短くなることもないだろう。
UEA栄養教授Aedin Cassidy教授
40年以上に渡って推奨限度以内の飲酒は心血管系疾患リスクの低減と関連することが知られてきた。この新しい大規模研究はこの見解を支持する。
この研究とは別に、NHSの膨大なデータを研究者に使うことを認めることは、公衆衛生上の助言をより精細にし、臨床ケアを改善し将来の研究に役立つだろう。