食品安全情報blog過去記事

はてなダイアリーにあった食品安全情報blogを移行したものです

食品添加物としてのポリグリセリンポリリシノール酸(E 476)の再評価

Re-evaluation of polyglycerol polyricinoleate (E 476) as a food additive
EFSA Journal 2017;15(3):4743 [54 pp.]. 24 March 2017
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/4743
食品添加物及び食品に添加される栄養源に関するパネル(ANS)は食品添加物として使用されるポリグリセリンポリリシノール酸(PGPR、E 476)の安全性を再評価する科学的意見を提出した。1978年に食品科学委員会(SCF)はPGPRの許容一日摂取量(ADI)を7.5 mg/kg体重(bw)/日と設定した。PGPRは消化管で加水分解され、遊離ポリグリセロール、ポリリシノール酸、リシノール酸に遊離される。ジ-及びトリグリセロールは吸収され代謝されないまま尿に排泄される;長鎖ポリグリセロールは吸収が少なく、主に変化しないまま便に排泄される。PGPRの急性経口毒性は低く、短期亜慢性試験でPGPRは高用量で有害影響なく耐性があることが示された。PGPR (E 476)は遺伝毒性や発がん性に関する懸念はない。PGPRの1つの生殖毒性試験は限られ、健康ベースのガイドライン値を導出する適切な試験ではなかった。PGPRのヒトの研究は明らかな有害影響の兆しはないことを示した。パネルは参照点を見いだすために2年間の統合慢性毒性/発がん性試験を検討し、唯一の用量である2,500 mg/kg bw/日をPGPR (E 476)の無毒性量(NOAEL)とした。その結果、パネルは現在のデータセットはSCFが割り当てたADI 7.5 mg/kg bw/日から25 mg/kg bw/日に改訂する理由となると結論した。暴露推定はADI 25 mg/kg bw/日を超えず、提案された使用拡大はこのADIを超過する暴露にはならない。パネルはPGPR (E 476)のEU仕様書の改訂を助言した。