食品安全情報blog過去記事

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その他

  • 動悸を引き起こす可能性のあるコーヒー

The cup of coffee that could cause heart palpitations
Friday, March 31, 2017
http://gantdaily.com/2017/03/31/the-cup-of-coffee-that-could-cause-heart-palpitations/
「世界で最も強いコーヒー」Black Insomnia Coffeeが米国で販売開始。一杯でカフェインの上限摂取量を超える。
1オンス当たり58.5mgのカフェインを含む。FDAは1日400mg以下を推奨している
その会社の発表
https://www.aquaspresso.co.za/wp-content/uploads/2017/03/Black-Insomnia-Coffee-PRESS-RELEASE-23-MARCH-2017.pdf
2016年7月にSean Kristaforがケープタウンで作った会社

  • マイクロバイオームと非伝染性疾患

ILSI
The Microbiome and Noncommunicable Diseases
https://academic.oup.com/nutritionreviews/pages/the_microbiome_and_noncommunicable_diseases_
Nutrition Reviewsからいくつかの論文を公開

The Danger of Loosely Regulated Supplements
March 27th, 2017
https://www.truthinadvertising.org/danger-loosely-regulated-supplements/
無免許の操縦士が商用航空機を運転していたらどう思う?全てのドライバーが道路のどっち側を運転するか好きに決められたどうなる?政治的傾向に関係なく連邦規制機関が規制するべきだろう。
もし連邦政府が医薬品の安全性とその中身と実際に効くかどうかについて市販前に要求している規制を撤廃したらどう思う?これが、さらに悪いことに、1994年にDSHEAが出来たときにおこったことだ。
「でも待って、ダイエタリーサプリメントは薬じゃない」とあなたは言うかもしれない。それらはサプリメントで、ナチュラルで、いいものだと。ほんとうに?少し説明しよう。
多ければ多いほどよいということはない
最初に、サプリメントを使用している人は彼または彼女の健康を増進しようと思っている。サプリメントが魔法でないならそれには人体に何らかの良い影響をするであろう物質が入っている。サプリメントの有効成分は化学物質である。健康に影響を与えるために化学物質をとる時、我々はそれを医薬品と呼ぶ。単純に規制されていないため、植物由来だからといって安全性も有効性も保証されない。サプリメントに入っている物質を大量に摂ると何らかの良い影響がある可能性はあるが、有害あるいは恐ろしいものである可能性の方が高い。
例えば緑茶。緑茶を一日一杯飲む人には何の問題もないだろう。緑茶サプリメントが売られているが一錠に10-12杯のお茶と同程度の量の化学物質(ポリフェノール)が入っている。そして緑茶サプリメントを使用していた人の肝障害の事例が40例報告されている。実際、薬物誘発性肝障害のうちの20%がダイエタリーサプリメントによる。1日にわたって緑茶を飲むことでは問題の化合物の量は少なく、意味のある毒性はない。
宣伝ゲーム
法律は安全性の根拠無く薬理作用のある物質を販売することを許しているだけではなく、サプリメント業者に根拠無く法外な誤解を招く効果の宣伝を許している。詐欺に対する法律はあてはまるので注意して広告している。「健康をサポート」のような言い方を使うことでメリットを示唆できる。
例えばある物質が正常な人体機能に必要で、欠乏は害があるとする。するとその物質は健康をサポートするものだと言える。だからといってたくさん摂れば良いということを意味しない。
ナチュラルは安全とイコールではない
(略)
政府の予算は削減されているので、我々は自分自身をこの400-500億ドル産業から守らなければならない。ダイエタリー差プロ面と業界は政治家に6桁の寄付をしている。

  • あなただけではない:科学論文は読むのが難しくなっている

Natureコラム
It's not just you: science papers are getting harder to read
30 March 2017
http://www.nature.com/news/it-s-not-just-you-science-papers-are-getting-harder-to-read-1.21751
2015年の論文は19世紀の論文より読むのが困難である−そしてその理由は単語だけのせいではない、Philip Ballがいう
スウェーデンの研究チームが現代の科学テキストは一世紀前より人を寄せ付けないことを示唆する。まったくだ。例えばNatureを無作為に取り出すと、要約に以下のような文章を発見するだろう:
ここに我々はマウスではDND1が、主にmRNAの3’非翻訳領域にあるUU(A/U)トリヌクレオチド配列に結合し、そして直接CCR4-NOTデアデニラーゼ複合体を動員することで標的mRNAsを不安定化することを示す
しかしカロリンスカ研究所神経科学者William Hedley Thompsonとその同僚が彼らの解析で取り組んだのはこの種の専門用語だらけの文だけの問題ではない。122の主要雑誌に1881年から2015年までに発表された70万以上の英語の要約を点数化した。彼らの研究はリプリントサーバーbioRxivに3月28日に発表されたが、増えているのは専門用語だけではないことを示唆する。
著者らによると「一般科学専門用語」つまり技術用語ではないが科学論文の標準的語彙としてよく使われる多音節の単語が増えている。頑健な‘robust’, 有意な‘significant’, さらに‘furthermore’および背景にある‘underlying’といった日々使うが特に科学文献に多い単語を含む。これらの単語そのものが曖昧なわけではないがそれらが多くなると文章を読むのに精神的負荷が大きくなる。
Thompsonらは読みやすさの標準指標、単語当たりの音節数や一文当たりの単語数、一論文当たりの予め定義された標準用語以外の単語の数などを使って文章を調べた。これらの指標では傾向は極めて明確で、1881年以降読みやすさは著しく減少している。
(略)
ではどうやったら科学論文の読みやすさを改善できるのか?まず最初に魔法のように上手に書けるようにはならないことを認識すべきである。論文案を最初に書くのは研究チームの若いメンバーであることが多く、良い文のモデルを知らず既存の雑誌を見習って書く。そして彼らはジャーゴンに溢れて複雑なものが科学論文だと思う。それが原因の一つであろう。ではどこに良い文のモデルがある?必ずしも科学者とは限らない良いライターがどこにでもいる。洗練された読者が洗練された書き手を作る。学生達にNatureではなくDarwinやDawkins やDickensを薦めてみたら?

  • ガルシニアは減量に役立つ?

Can Garcinia Help You Lose Weight?
by Jeanine Barone | March 30, 2017
http://www.berkeleywellness.com/supplements/herbal-supplements/article/can-garcinia-help-you-lose-weight
もしもナチュラルで安全なダイエタリーサプリメントを口から食べるだけで痩せられるならいいのだけれど。Garcinia cambogiaはそんな特効薬として宣伝されてきた。この熱帯果物はアフリカとアジアで育ちヒドロキシクエン酸(HCA)を含む。HCAは1960年代後半に初めて同定され、多くの減量製品に使われてきた。動物実験や実験室での研究でガルシニアのHCA(や他の化合物)が食欲を抑制し過剰な炭水化物由来カロリーを脂肪として貯蔵するのを阻害することで減量に役立つ可能性が示唆された。しかしヒトでの質の高い研究はない。さらにHCAに効果があるのは炭水化物の多い食事を食べた場合のみで作用時間は短く、食べる1時間前に使用しなければならない。その場合であっても意味のある効果はない可能性がある。
Natural Standardデータベースはサプリメントやその他の製品の根拠をレビューし、ガルシニアの減量根拠は矛盾していて明確ではないと結論している。同様にNCCIMもガルシニアが減量に役立つという信頼できる根拠は見つけていない。
(文献紹介略)
ガルシニアのリスク
ガルシニアについて最も懸念となるのはヒトの症例報告と動物実験で肝臓に有害影響があることが示されていることである。
(文献紹介略)
基本
重大なリスクがある可能性があり、利益があるという根拠がないことを考えると、我々はガルシニアとそれを含むダイエット製品は避けるように強く薦める。

  • デングはジカの最悪の部分を引き出すかもしれない

Scienceニュース
Dengue may bring out the worst in Zika
By Jon CohenMar. 30, 2017
http://www.sciencemag.org/news/2017/03/dengue-may-bring-out-worst-zika
ウイルスの世界でも近縁種は複雑な関係がある。新しいマウスの研究で、動物がデングまたは西ナイルウイルスの抗体をもっていると、ジカウイルスからの病気がより重くなることを示した。このような「抗体依存性の増幅」(ADE)がヒトでもおこるなら、最近のブラジルでの爆発的感染に関与した可能性がある。ブラジルでは90%以上の人がデングに感染している。ADEはまたワクチン開発を複雑なものにする可能性がある。