食品安全情報blog過去記事

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論文等

  • 一見無害なウイルスがセリアック病の引き金を引く可能性

Seemingly innocuous virus can trigger celiac disease
6-Apr-2017
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2017-04/uocm-siv033117.php
Scienceに発表された研究。レオウイルスをマウスに与えると炎症性の免疫応答の引き金を引くことと、セリアック病患者のレオウイルス抗体レベルがセリアック病でない人より多いことを報告。

  • The Lancet:構造的人種差別、集団投獄、医療システムが米国の不平等の増加を拡大させている

The Lancet: Structural racism, mass incarceration, and health care system fuel growing health inequalities in the USA
6-Apr-2017
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2017-04/tl-tls040517.php
・住居の分離などの構造的人種差別と懲罰的薬物法が米国の不平等を悪化させている
アメリカ人のうち最も裕福な1%は最も貧しい1%より10-15年長生きし、健康の不平等は拡大している
・著者らは医療費負担適正化法改訂を求める

  • ミツバチを救うには、ヒトの行動が変わらなければならない

To save honey bees, human behavior must change
6-Apr-2017
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2017-04/esoa-tsh040417.php
管理のまずさがミツバチ病原体を拡散させている、ミツバチ研究者が言う
近年のミツバチの複雑な健康問題とコロニー消失の答えを探すなかで、養蜂業専門業者や趣味の養蜂家達は鏡をみる時であろう。
アメリカ昆虫学会のJournal of Economic Entomologyに発表されたRobert Owenのリサーチエッセイ。ヨーロッパミツバチ(Apis mellifera)を苦しめている病原体の拡散に重要な寄与をしているのはヒトの行動である。一部の研究者らはコロニー崩壊症候群などのような病気の特効薬を探しているが、多くの問題はヒトの行動が原因である、とOwenはいう。
Owenはオーストラリア養蜂ハンドブックの著者で、養蜂販売会社のオーナーでメルボルン大学の博士論文提出資格者である。彼はミツバチ病原体の拡散を許した人的要因は
・商業授粉のための定期的大規模、規制の緩いミツバチコロニーの移動
・ミツバチの寄生虫などの管理に農薬や抗生物質を不注意に大量に使って耐性を作った
・国際的ミツバチの取引による国際的な病気の拡散
・趣味の養蜂家達の技術の無さによる病気の管理が出来ていないこと
などで、より厳しい規制を求めている
(養蜂家(活動家)に対して、他人の批判に明け暮れるより鏡を見ろ、とプロの養蜂家が言う)

  • 何故我々はディナーにお互いを食べないのか?カロリーが少なすぎる、と新しい人食研究が言う

Why don’t we eat each other for dinner? Too few calories, says new cannibalism study
By Michael PriceApr. 6, 2017
http://www.sciencemag.org/news/2017/04/why-don-t-we-eat-each-other-dinner-too-few-calories-says-new-cannibalism-study
ヒトはおそらく最も危険な狩猟肉だろうが、栄養が少ない。平均的ヒトのカロリーを計算した少々ゾッとする研究は、ヒトを食べるのは栄養をとるためというよりむしろ儀式的なものだろうと示唆する。
Scientific Reports