食品安全情報blog過去記事

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FDAの研究者らは「チップの上の臓器」技術を評価する

FDA Researchers to Evaluate ‘Organs-on-Chips’ Technology
April 11, 2017
https://www.fda.gov/Food/NewsEvents/ConstituentUpdates/ucm551503.htm
FDAは単三電池程度の大きさのマイクロエンジニアチップに載せたヒト臓器システムを作る新しい試験法の開発に主導的役割を果たしている。2017年4月11日にEmulate Inc.社と、同社の“Organs-on-Chips”技術をCFSANのラボでテストする複数年研究開発で合意したことを発表した。
まず肝臓チップから始め、FDAの科学者が、医薬品の効果や食品中の病原性細菌や化学物質、その他人体に有害な可能性のある物質の影響についてより良い理解を与えるよう設計されたこの技術の有用性を評価する。

  • 「チップの上の臓器」技術:FDAは画期的科学をテストする

‘Organs-on-Chips’ Technology: FDA Testing Groundbreaking Science
Posted on April 11, 2017 by FDA Voice By: Suzanne Fitzpatrick, Ph.D.
https://blogs.fda.gov/fdavoice/index.php/2017/04/organs-on-chips-technology-fda-testing-groundbreaking-science/
チップの上に載っているのが想像できるものはたくさんあるが、その中にヒトの臓器はあまりないだろう。しかし単三電池程度の大きさのマイクロエンジニアチップに載せたミニチュアヒト臓器システムは、FDAの食品科学者たちが注目した革新的試験技術である。そしてFDAは、食品や化粧品やダイエタリーサプリメントに含まれる有害化合物や生物学的ハザードの影響を調べるより適切なモデルとなるよう設計されたこの科学を評価するのに主導的役割を果たす。
2017年4月11日にFDAはEmulate社と同社の“Organs-on-Chips”技術をCFSANのラボでテストする複数年研究開発で合意したことを発表した。この柔軟性のあるポリマーで出来た臓器チップは生きたヒト細胞が並んだ小さな溝を含み、人体の中と同様に血流や空気の流れを作ることができる。チップは透明で、研究者らが研究対象の臓器の働く様子を見ることができる。
研究は肝臓チップから始まるが、腎臓や肺や腸管モデルなどに拡大する。究極の目標は、食品や化粧品やダイエタリーサプリメントに含まれる有害な可能性のある化合物暴露に対して特定の臓器がどう反応するかを、培養細胞や動物実験などの他の方法より精密に予想することである。
チップ搭載臓器は2012年以降FDA国防総省国防高等研究事業局(DARPA)とNIHの官民共同プロジェクトのテーマだった。ハーバードやMITを含む全国の大学に何百万ドルもの研究費が与えられ、Emulateはハーバード大学の生物触発工学Wyss研究所の研究者らが創設した。
このチップは最初医薬品の有効性を評価するために開発されたが食品や化粧品の安全性確保のために有用な技術であるとみなされるようになった。例えばそれはダイエタリーサプリメントの成分や化粧品中化合物が人体でどう処理されるのか、毒素や毒素の組み合わせが細胞にどう影響するのかを見ることができ、その情報は最終的にはヒト健康リスク評価に役立つ可能性がある。
ある意味科学は役にたつ前に何度もやり直しをするコツのようなものである。たくさんの実験と調整と協力と比較。我々が臓器チップ研究でやろうとしているのはそういうことである。科学はFDAの決定の基盤であるが、多くの人はFDA科学がどんなふうに行われているのか認識していないであろう。我々はこの、いつの日か公衆衛生を守るためにルーチンで使われるようになるかもしれない画期的研究の最前線でわくわくしている。
臓器チップがどんなものか知りたい?
ここをクリック。
https://www.fda.gov/ucm/groups/fdagov-public/@fdagov-foods-gen/documents/document/ucm551309.pdf
(インフォグラフィクス)
国防総省のお金が一部入っているから軍事技術だ、参加できない、とか言うのかな日本の「学術」は)