食品安全情報blog過去記事

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論文

  • 医師の遺伝子検査の誤解が乳房切除の決定を阻害する

Physicians' misunderstanding of genetic test results may hamper mastectomy decisions
12-Apr-2017
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2017-04/sumc-pmo041017.php
新たに乳がんと診断された女性2000人の調査で、遺伝子検査の後両方の乳房を切除した半分が実際には追加リスクとなる遺伝子変異をもっていなかったことを発見した。そうではなく、意味があるのかどうかわからない遺伝子変異を持っていた。このことは遺伝子検査の結果をより良く理解するには遺伝子カウンセラーが必要であることを強調する
(変異がある=リスクが高いって考えてしまうんだろうな)

UBC researchers connect common fats to a lazy lifestyle and diabetes
12-Apr-2017
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2017-04/uobc-urc041117.php
Sanjoy Ghosh教授らは欧州21ヶ国の女性の各種データ(テレビを見る時間、血糖、都市化の程度、GDPなど)を調べてn-6多価不飽和脂肪酸の摂取量とじっとしている生活習慣増加に明確な関連があることを発見した。PLOS Oneに発表。
(本気で言っているだろうか?)

  • ヒトの「ノックアウト」が何故一部の薬は効かないのかを明らかにするかもしれない

Scienceニュース
Human ‘knockouts’ may reveal why some drugs fail
By Jocelyn KaiserApr. 12, 2017 ,
http://www.sciencemag.org/news/2017/04/human-knockouts-may-reveal-why-some-drugs-fail
もしある遺伝子がマウスで何をしているか知りたいと思ったら、科学者はその遺伝子をノックアウトする。ヒトではできないが、天然のノックアウトの人がいる−生まれつき一つまたはそれ以上の遺伝子がない。10500人のパキスタン人のDNAをしらべた研究で1300以上の遺伝子が明確な医学的問題なくノックアウトされていることがわかった。この研究はこれまでアイスランドや英国で行われてきたいくつかの見かけ上健康な人でのノックアウト遺伝子を探す試みの最新のものである。「ヒトゲノムプロジェクトは我々に18000の遺伝子の部品のリストを与えた。そしてこのプロジェクトはその部品が無いことにどんな意味があるのかを理解しようとするものである」とこの研究を主導している心疾患遺伝学者Sekar Kathiresanは言う。パキスタンでは多くの人がいとこと結婚するので同じ変異のある遺伝子を子どもに伝える可能性が高い。結果は本日Natureに発表。

  • 一回の手術でオピオイドフリーから長期使用者へ:研究は手術の重要な役割を示す

From opioid-free to long-term user, in one operation: Study shows key role of surgery
12-Apr-2017
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2017-04/mmu-fot041017.php
手術前に喫煙、飲酒、鬱、不安あるいは痛みの問題のある患者は何ヶ月も経ってからもオピオイドを処方されている可能性さらに高い
手術には常にリスクがあるが、新しい研究はそれに新しいリスクを加える:長期オピオイド使用者になるリスクである。手術前にオピオイドを使っていなかったが手術後の痛みを緩和する目的でオピオイドを投与された人の6%が3-6ヶ月経ってもまだオピオイドを使っている。JAMA Surgeryに発表。この率は小さな手術でも大きな手術でも変わらないが、南部の州で少し高い。

Restrictions on trans-fatty acid consumption associated with decrease in hospitalization for heart attack
12-Apr-2017
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2017-04/tjnj-rot041017.php
JAMA Cardiologyに発表された研究によるとニューヨークの心血管系イベントによる入院は、レストランでのトランス脂肪酸制限のない郡より大きく減っている。
ニューヨーク市がレストランでのトランス脂肪酸制限を発効したのは2007年7月で同様の制限がその後いくつかの郡で行われた。2002年から2013年の統計を用いて、トランス脂肪酸制限から3年以上で全体の心臓発作の減少傾向にさらに追加の減少(心臓発作でマイナス7.8%)を示した。

  • 水の中の裸のDNAが魚が来たかどうかを語る

Naked DNA in water tells if fish have arrived
12-Apr-2017
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2017-04/tca-ndi040517.php
昨年毎週6ヶ月間に渡ってニューヨークのイースト川とハドソン川の水1リットルから濾しとった環境DNA (eDNA)から、いくつかの重要な魚が調べた日に泳いでいったかどうかがわかる。PLOS ONEに発表された。下水経由でニューヨーカーが食べた魚のDNAも検出される。eDNAの利用は新しい研究分野である。

Mapping food color regulations in the EU and the US
12-Apr-2017
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2017-04/ecjr-mfc041217.php
欧州委員会JRCがStuttgart大学と協力してEUと米国の食用色素に適用される規制をレビューした。その結果最も重要な違いや規制の調和を増す方法を示唆する
規則は異なる
着色料の歴史は有害な物質の過剰使用の事例が多い。今日、着色料は世界中で最も厳しく規制されている食品成分であろうが、世界中で規則が同じではないので輸出業者は製品の調整が必要である。そのことが余分なコストとなり貿易障壁となっている。
欧州と米国の色素規制を詳細に比較しそのような障壁を減らせないか検討した。EUで認可されている着色料の多くが米国で認可されておらず、逆もそうである。
Comparison of food colour regulations in the EU and the US: a review of current provisions
Food Additives & Contaminants: Part A Volume 34, 2017 - Issue 3
http://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/19440049.2016.1274431

  • オーストラリアにおける添加された糖と砂糖で甘くした飲料の摂取量低下:肥満予防の課題

Declining consumption of added sugars and sugar-sweetened beverages in Australia: a challenge for obesity prevention
Jennie C Brand-Miller and Alan W Barclay
Am J Clin Nutr April 2017 vol. 105 no. 4 854-863
http://ajcn.nutrition.org/content/105/4/854.abstract
オーストラリアでは4つの独立したデータで添加された糖の入手しやすさや摂取量が減っていることが確認された。しかし肥満は増加している。このことは添加された糖や砂糖入り飲料由来のカロリーが肥満の頻度と単独で関連するという広く信じられている信念に疑問を提示する。
アメリカの脂肪を悪者にする対策で失敗したのに繰り返す。単独の何かを悪者にすることで肥満が解決するとは思えない)