食品安全情報blog過去記事

はてなダイアリーにあった食品安全情報blogを移行したものです

その他

  • 暗い見通しだけでは世界を救えない

Natureワールドビュー
Doom and gloom won't save the world
18 April 2017
http://www.nature.com/news/doom-and-gloom-won-t-save-the-world-1.21850
保存を奨励するには地球の死亡記事を書くのではなく成功物語を共有するのが最良、とNancy Knowltonがいう
解決法のない暗い話ばかりをするのは有効ではない。社会学者は解決法がない巨大な問題は行動ではなく無気力を生むことを何十年も知っている。それなのにいまだに保存のためのコミュニケーションは人々を怖がらせることを主力にしている。実際にはたくさんある成功の物語がほとんど知られていない。楽観的なメッセージが若い人に行動やアイディアのエネルギーを与えた。地球の将来については私は極端に楽観視はできないが、それでも成功を祝福しなければならない。

  • 認識:我々の有用な、現実を見られない能力

Nature書評
Perception: Our useful inability to see reality
Douwe Draaisma
Nature 544, 296
http://www.nature.com/nature/journal/v544/n7650/full/544296a.html
「逸脱:違う見方の科学Deviate: The Science of Seeing Differently」 Beau Lotto Hachette: 2017.の書評
John Locke (1632–1704)は人間の心は生まれたときは白紙で、感覚経験がそこに書き込むと考えた。この本で神経科学者のBeau Lottoはその真逆の考えを提示する。人の心が認識に意味を持たせるのだ。白紙なのは外界の方だ。彼は認識というのは目や耳が受け取ったものではなく、我々の脳が見たり聞いたりするもののことだということを示す。

  • 爆弾攻撃がイタリアのモンサント研究センターを破損した

Science
Bomb attack damages Monsanto research center in Italy
By Marta PaterliniApr. 21, 2017
http://www.sciencemag.org/news/2017/04/bomb-attack-damages-monsanto-research-center-italy
今週初め、イタリアのOlmenetaでイースターの夜半に、誰かが火炎瓶数本でモンサントの研究センターを攻撃した。4月16日のこの攻撃は明らかにGMO研究への抗議で、怪我人はでなかったが消防士が何時間も消火活動を行い、小さな施設の実験用種子が保管されているコールドルームを破壊した。合計4つの火炎瓶が使われ2つは爆発しなかった。壁にスプレーで“Bayer criminal marriage. No GMO.”と書いてあった。これまで犯行声明は出されていない。監視カメラの画像を確認中。
モンサントの研究センターには約1ダースほどの社員がいるがGMOは扱っていない。
イタリアは最近EUが各国に認めたGMO栽培禁止を認める指令により昨年から国内のGMO栽培は禁止している。一方で毎日約1万トンのGM大豆を1年365日使っている、とイタリアの国立研究評議会のRoberto Defezは言う。
(この記事にコメント400。反GMO活動家がScienceのサイトでテロ活動を認める様子は恐ろしい。)

  • 世界のMarch for Scienceからライブ更新

Live updates from the global March for Science
By Science News StaffApr. 22, 2017 ,
http://www.sciencemag.org/news/2017/04/march-science-live-coverage
米国各地、メキシコ、ノルウェー

Natureも
What's happening at March for Science events around the world
21 April 2017
http://www.nature.com/news/what-s-happening-at-march-for-science-events-around-the-world-1.21853

  • アースデー2017

Earth Day 2017
http://ilsi.org/earth-day-2017/
2017年4月22日はアースデー
毎日がアースデーである
(ここでGM食品や飼料が項目にある)

アースデーのサイト
http://www.earthday.org/
March for Scienceになっている
トランプ大統領オルタナティブファクトを掲げて気候変動を否定しているから)

一方アースデー東京は福島の子ども達を保養させるだの有機農業だのオルタナティブな暮らしだので科学は影を潜める。全く違うイベントなのだろうか?
http://www.earthday-tokyo.org/
オルタナティブ」を良いことであるかのように使う人たちと科学は仲良くできないだろう

  • ジオクレンズホームハーモナイザーレビュー

Choice
Geoclense Home Harmonizer review
By Ashley Iredale Last updated: 06 March 2017
https://www.choice.com.au/electronics-and-technology/gadgets/tech-gadgets/articles/geoclense-home-harmonizer-review
この装置はあなたの身体的精神的疲労困憊(drained)を減らすのに役立つか、あるいは単にあなたの銀行預金口座からお金を流出させる(drain)だけか?
電磁波や電波、宇宙エネルギーなどを中和すると称する装置
CHOICEが検査した。
地磁気に影響するかどうか感度の高いコンパスで調べたが針は宣伝通りには動かなかった
・光子の数を測定したが測定可能な変化はなかった
・部屋の酸素濃度に影響しなかった
・マルチフィールドEMF計でコンピューターのモニターと電源トランス由来の電磁場を測定したがどちらも強いEMF場を作るがジオクレンズ装置は何の影響もなかった
・ジオクレンズ装置が陰イオンを作ると宣伝していたので市販の陰イオン産生装置と比較したが全く作らない。ネガティブになったのは我々の意見のみ。
一つだけ、宣伝内容が正しいことがあった。電力を使わないということである。そもそもプラスチックのプラグなので驚くべきことではないが、何故必要なのかは疑問である。
値段は165ドル

  • 「43の砂糖の別名」:「隠された砂糖」を避けるためにより明確な食品表示を求める

'43 different names for sugar': Calls for clearer food labels to avoid 'hidden sugars'
24 Apr 2017
http://www.sbs.com.au/news/article/2017/04/24/43-different-names-sugar-calls-clearer-food-labels-avoid-hidden-sugars
消費者団体Choiceが、オーストラリア人は食品の表示に掲載されているより多くの添加された砂糖を食べている、という
Added sugar
20 April 2017
https://www.choice.com.au/food-and-drink/nutrition/sugar/articles/added-sugar
「別名」はアガベシロップ、コーンシロップ、デーツシロップ、はちみつ、乳糖、ブドウ糖、パームシュガー、ライスシロップ、フルーツジュース、等

3 Marylanders die from carfentanil overdoses
Apr 23, 2017
http://www.wbaltv.com/article/3-marylanders-die-from-carfentanil-overdoses/9547325

  • Burton依存センターの創設者がBlack Mamba「ゾンビ」の増加に警告

Burton addiction centre founder warning after rise in Black Mamba 'zombies'
By HelenKreft | Posted: April 24, 2017
http://www.burtonmail.co.uk/burton-addiction-centre-founder-warning-after-rise-in-black-mamba-zombies/story-30280305-detail/story.html
Burtonで、Black Mamba(別名スパイス)という薬物を使用してゾンビのようなトランス状態になる人が増えている

  • 科学か詐欺か:ターメリックは本当に腫瘍を小さくし痛みを緩和し細菌を殺すのか?

Science or Snake Oil: can turmeric really shrink tumours, reduce pain and kill bacteria?
April 24, 2017
https://theconversation.com/science-or-snake-oil-can-turmeric-really-shrink-tumours-reduce-pain-and-kill-bacteria-76010
ターメリックはインドや南アジアの郷土料理によく使われる黄色いスパイスで、Curcuma longaという植物の根から作られ食品業界では天然色素としても使用されてきた。
文献では抗酸化作用があるとされる。他に抗炎症、抗菌、抗がん性があるともされる
痛みに対して
糖尿病や心疾患に対して
がんに
(文献紹介略)
安全性
研究は経口摂取したクルクミンは全てが吸収されるわけではないことを示す。そのため吸収促進目的で脂肪やピペリンなどの他のものを使う。1日12gまでの大量摂取では下痢、皮膚の発赤、頭痛、黄色便などの原因となる。インド人は1日100mg程度のクルクミン、ターメリックにして2-2.5gを使っている。しかし彼らは長期にわたって、通常一生摂取している。インド人にがんが少ないことがターメリックの摂取と関連させられることがあるがそのような関連を示す長期試験はない。
短期間高用量でメリットを得ようと今やターメリックを点滴する人たちがいる。ターメリックの高用量でもターメリックの点滴でも利益があるという根拠はない。実際のところ非常に高用量ではクルクミンは抗酸化作用ではなく酸化促進作用を示す。また齧歯類では腫瘍を作る。
クルクミンが炎症マーカーを減らす幾分か期待できる影響を示してはいるものの、多くの研究は実験室あるいは動物実験で、質の高いRCTで確認されるまで、ターメリックは健康的な食生活の一部となるスパイスとして口から摂取するのがベストだろう。

  • 食品表示はアレルギーのある消費者にとってもっと明確である必要がある、専門家が言う

Food labels need to be clearer for consumers with allergies, experts say
http://www.abc.net.au/news/2017-04-24/food-labelling-ineffective-for-allergic-consumers-experts-say/8466554
オーストラリアのスーパーマーケットで販売されている包装済み食品に印刷されている警告は今や過剰に使用されすぎていて消費者にとって意味が無くなっている
予防的表示「痕跡程度のものを含むかもしれない」のようなものがあまりにも多い
企業側はそれを消費者を守るための努力だと擁護する。
(極微量でも反応するからと言われたらそうなってしまう。)

  • 特別な規制にも関わらず、起業家達はカナダ食用大麻市場に噛みつきたい

Despite special regulations, entrepreneurs hope to take bite of Canada's marijuana edibles market
Apr 23, 2017
http://www.cbc.ca/news/business/canada-legalization-marijuana-edibles-1.4079341
カナダ政府の大麻合法化計画に不確実性がある中、大麻を入れた食品大麻"edibles"はどういう規制がかかるだろうか?大麻入り食品は娯楽用大麻が合法化するまで販売されることはないだろうと考えられるが、大麻文化の中では需要が大きくビジネスのチャンスと見ている人たちがいる。
アスピリンをクッキーに入れようなんて考えないのに大麻はこんなことばかり。医療目的なんて嘘)

  • 週末にオタワでは新たに6例のオピオイド過剰使用が報告された

6 new cases of potential opioid overdoses reported in Ottawa over the weekend
Apr 23, 2017
http://www.cbc.ca/news/canada/ottawa/six-new-suspected-overdose-cases-ottawa-hospital-1.4081332
新しい事例は金曜日に保健当局から警告が出された後

  • 生産性と環境的価値のバランスをとるには科学研究が鍵−Tom Richardson

SMC NZ
Scientific research the key to balancing productivity and environmental values — Tom Richardson
April 24th, 2017.
http://www.sciencemediacentre.co.nz/2017/04/24/scientific-research-the-key-to-balancing-productivity-and-environmental-values-tom-richardson/
農業を収益をあげながら環境も守るものにすることができる、とAgResearch長官のTom Richardsonは言う。我々に必要なのは科学である。
他の記事からの抜粋
我々は生産量を増やすために土地を作ることはできないし何世代にも渡る入れる量を増やすことを続けるわけにもいかない。我々はもっと賢くならなければならない。
利益のあがる農業と環境改善の両方を可能にするより良い牧場、より良い家畜、より良い農場システムを作ることができる。これらに我々科学者が取り組んでいる。

コンシューマーラボ
Product Review: Kelp Supplements Review
4/22/17
https://www.consumerlab.com/reviews/Kelp_Supplements_Review/Kelp/
昆布に注意!コンシューマーラボのレビューに合格したのはたった50%。
もし昆布サプリメントを使うなら、慎重に選ぶことが重要である。コンシューマーラボの検査の結果、半分が表示されている量の約200%のヨウ素を含み、安全上の懸念となる。さらにそのうち一つは有害金属のヒ素を含む。

(そう言えば日経の広告誌(新聞の折り込み)に「スーパーフードブルーグリーンアルジー」とか書いてあって、それ毒素入りだろ、と思った。
Detection of microcystin synthetase genes in health food supplements containing the freshwater cyanobacterium Aphanizomenon flos-aquae
Toxicon Volume 46, Issue 5, October 2005, Pages 555–562
http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S004101010500231X