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食品中過塩素酸塩の調査データ‐2005-2006 及び2008-2012トータルダイエットスタディ結果

Survey Data on Perchlorate in Food - 2005-2006 and 2008-2012 Total Diet Study Results
Page Last Updated: 05/03/2017
https://www.fda.gov/Food/FoodborneIllnessContaminants/ChemicalContaminants/ucm077615.htm
FDAは2005年から2012年の間の食品中の過塩素酸塩濃度に全体的な変化はないと考える。過塩素酸塩は環境に存在し、飲料水システムや食品中に存在する天然及び人工の化学物質である。過塩素酸塩濃度は栽培された場所及び水中の過塩素酸塩の量によって同一の食品でも大きく変化する。
2008年と2012年の間において、FDA過塩素酸塩のため食品サンプルを合計5,464採取し検査したが、2005年と2006年の間に採取した937のサンプルと比較した食品中の過塩素酸塩の濃度は全体として変化がなかった。2008年から2012年の間の毎年の過塩素酸塩の継続分析ではまた毎年食品中の過塩素酸塩の一貫性のある変化は見られなかった。
2008-2012のデータは2005-2006のデータと比較すると、ボローニャソーセージ、サラミ及びカラードグリーンのようないくつかの食品においては過塩素酸塩平均濃度が比較的高く、他のプレーンベーグル、箱入りのマカロニチーズ及びミルクチョコレートのような食品においては過塩素酸塩は比較的低い平均濃度であった。これらの違いはサンプルが採取された際の地域や季節の相違、2008-2012のサンプル数の増加を含む多くの要因に起因する可能性がある。
FDAはこれらのサンプルをトータルダイエットスタディTDS)の一環として採取した。これは国内の様々な場所から毎年、40種のべビーフードを含む約280種類の食品のサンプルを分析したものである。
FDAは対象となった人々の過塩素酸塩の暴露を評価する際、食品カテゴリーごとの平均的な過塩素酸塩濃度を考慮した暴露評価を行うためにこれらのデータを使用した。暴露評価の結果は2回に分け公表された;2008年に公表された2005-2006データ(1)と2016年に公表された2008-2012データ(2)である。これら2つの暴露評価における対象となった人々の過塩素酸塩の評価された平均摂取はEPA(米国環境保護庁)の過塩素酸塩参照用量(RfD)である0.7µg/kg・ bw/dayを下回った。
例えば2008-2012のデータに基づき幼児の過塩素酸塩の評価された平均摂取は0.36 から 0.48µg/kg・bw/day でおよそEPAのRfDの半分である。RfDは生涯かけて健康に悪影響が及びそうにない、ヒト(影響を受けやすいサブグループを含め)に対する1日の経口暴露量である。
(1) Murray CW, Egan SK, Kim H, Beru N, Bolger PM.米国食品医薬品局トータルダイエットスタディ: 食事における過塩素酸塩ヨウ素の摂取。J Expo Sci Environ Epidemiol 2008: 18:571-580.
(2) Abt E, Spungen J, Pouillot R, Gamalo-Siebers M, Wirtz M.米国食品医薬品局のトータルダイエットスタディから食事における過塩素酸塩ヨウ素の摂取の更新: 2008-2012. J Expo Sci Environ Epidemiol December 2016 (online).

さらに詳しい情報は以下で参照できる。
Perchlorate Questions and Answers
https://www.fda.gov/Food/FoodborneIllnessContaminants/ChemicalContaminants/ucm077572.htm

データ
(1)Table 1. TDS Perchlorate Data for 2005/2006
https://www.fda.gov/Food/FoodborneIllnessContaminants/ChemicalContaminants/ucm077615.htm#collapse1
(2)Table 2. TDS Perchlorate Data for 2008-2012
https://www.fda.gov/Food/FoodborneIllnessContaminants/ChemicalContaminants/ucm077615.htm#collapse2