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食品添加物としての脂肪酸(E 570)の再評価

Re-evaluation of fatty acids (E 570) as a food additive
EFSA Journal 2017;15(5):4785 [48 pp.]. 5 May 2017
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/4785
食品添加物と食品に添加する栄養源に関するEFSAのパネル(ANS)は食品添加物として使用する際の脂肪酸(E 570)の安全性を再評価する科学的意見を提供する。この食品添加物はカプリル-(C8)、カプリン-(C10)、 ラウリン- (C12)、 ミリスチン- (C14)、 パルミチン- (C16)、ステアリン- (C18) 、オレイン酸 (C18:1)を含み、単独であるいは組み合わせて存在している。1991年に食品科学委員会(SCF)は脂肪酸(ミリスチン、ステアリン、 パルミチン 、オレイン酸)のグループ許容一日摂取量(ADI)を「特定しない」と設定した。脂肪酸(E 570)は通常の食事由来の遊離脂肪酸と同じ方法で吸収される。それらは急性毒性が低いことが示されている。亜慢性毒性についての入手可能な研究は限られているが、食事の最大10%の用量で毒性影響の証拠はない(9,000 mgラウリン酸/kg体重(bw)/日に相当)。脂肪酸(E 570)に遺伝毒性の懸念はないと考えられる。慢性毒性、生殖毒性、発達毒性に関するデータはこれらのエンドポイントについての結論を出すには少なすぎる。パネルは食品添加物脂肪酸(E 570)の寄与は全ての食事源(食品添加物と日常の食事)由来飽和脂肪酸全体の暴露の平均して1%にしか相当しないと指摘した。パネルは、EU委員会規則No 257/2010の下で再評価された特定の食品添加物のリスク評価の概念の枠組みで述べられたアプローチに基づき、前述の結果を考慮して、食品添加物脂肪酸(E 570)は報告された使用と使用量で安全上の懸念はないと結論した。