食品安全情報blog過去記事

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その他

  • ピルを巡る悪戦苦闘の60年

Natureエディトリアル
Six decades of struggle over the pill
05 June 2017
http://www.nature.com/news/six-decades-of-struggle-over-the-pill-1.22102
注目すべき記念日は避妊薬の利益の進歩を強調する、しかし同時にそれを手に入れるために続く戦いも
60年前、FDAが生理不順の治療法を認可した。データはそれが避妊になることも示していたが、その目的で使用することはタブーだった。避妊目的で医師が処方できるようになったのは3年後である。そして結婚前の女性が入手できるまでさらに10年を要した。それからこの薬は奇跡とみなされ単純にピル(錠剤)として知られるまで有名になった。
2015年の避妊薬市場は世界で61億ドルである。疫学者達は避妊薬が女性の教育レベルと収入の向上につながったことを示してきた。
しかしまだアクセスには大きなギャップがある。主な理由は性差別、貧困、文化的禁忌である。
ピルには常に政治闘争とスティグマがつきまとってきたが、この薬は何十年にもわたって進化してきた。
(いろいろ略)

  • イタリアはオリーブの木の悲劇を予防するのに失敗したことを非難される

Natureニュース
Italy rebuked for failure to prevent olive-tree tragedy
Alison Abbott 07 June 2017
http://www.nature.com/news/italy-rebuked-for-failure-to-prevent-olive-tree-tragedy-1.22110
欧州委員会が、この恐ろしい植物の病気の拡大を止めるイタリア当局の広範な遅れを明らかにする
イタリア南部のPugliaの歴史的オリーブ果樹園を破壊したたちの悪い病原体は、北進して欧州の残りの地域を脅かしている。しかし先週欧州委員会が発表した監査報告書によると、イタリア当局は昨年感染拡大の追跡に失敗し、欧州委員会が合意した封じ込め対策を行わなかった。
この地域の科学者は批判を当然だと思っている:彼らの感染を止めようとする努力は過去4年、何度も何度も妨害されてきた。
Puglia北部のBari大学の植物病理学者Giovanni Martelliは「馬鹿馬鹿しい事態だ」という。「速やかな対応が必要なのに、当局の動きはあまりにも遅かった」
治療法のないこの病原体は2013年にPugliaで発生するまで欧州には見られなかった。多分アメリカからきたのだろう。研究者らはその病原体を病気の原因だと突き止めたが抵抗者たちがそれに反対し、2015年には環境保護主義者達の抗議を受けて地元検事が研究者らを病気を起こしたとして犯罪捜査対象にすらした。
5月31日に発表された欧州委員会の監査報告書はイタリア当局の無数の失敗を含む。感染の系統的モニタリングが遅すぎ、感染した木の排除があまりにも遅く、国や地方当局は封じ込めのためのお金を出さなかった。2016年にはイタリアの検査機関は Xylella検体を一件も処理していない−つまりモニタリングをやめている。
欧州委員会はこの病気が欧州全体のオリーブ産業を脅かすことを恐れている。しかし他にも懸念がある。他の欧州の国でXylellaの別の亜種がいくつかみつかっている
イタリアの悲劇
イタリアのオリーブ果樹園の病気コントロールの苦闘は小さな町Oriaが良い例である。2年前、環境保護主義者達が(感染した)古い木を倒すことを妨害するために人間の鎖を作った。彼らはピュロス王のように勝利した(犠牲が多くて引き合わない勝利)−今やその地域周辺の木は全て死に、Xylellaの流行が宣言されている。
(以下長い記事略)

  • 牛乳ではないミルクを飲むことと子どもの身長の低さに関連がある

Drinking non-cow's milk associated with lower height in children
7-Jun-2017
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2017-06/smh-dnm060117.php
American Journal of Clinical Nutritionに発表された研究によると、毎日一杯の牛乳以外のミルク(他の動物の乳や植物飲料)を飲む毎に、子どもは平均より0.4センチ背が低い。三歳時点で、毎日牛乳を3カップ飲む子どもに比べて牛乳以外のミルクを3カップ飲む子どもは1.5センチ身長が低い。24-72か月の子ども5034人のデータを検討した研究。毎日牛乳を飲むのは92%で、毎日牛乳以外のミルクを飲むのは13%。(両方飲む子がいる)

  • MITの研究者:グリホサートは2025年までに全ての子ども達の半分を自閉症にするだろう。はい、はい。

ACSH
MIT Researcher: Glyphosate Will Cause Half of All Children To Be Autistic by 2025. Yeah, sure.
By Josh Bloom — June 7, 2017
http://www.acsh.org/news/2017/06/07/mit-researcher-glyphosate-will-cause-half-all-children-be-autistic-2025-yeah-sure-11337
ラウンドアップの有効成分であるグリホサートはいつだってニュースになってきたが最近は特にそうである。
モンサントに対する訴訟がおこされた。EUががんの原因ではないといった。カリフォルニアがPropositionリストに発がん物質として追加した。国連がヒト発がんリスクになりそうにないと言った。EUフェイスブックの活動家に屈したと批判された。グリホサートとオオカバマダラの減少に関連がある。
これら全てが先月の5月のニュースである。
そこで古いニュースを見返してみるのもいいと思った。2014年にMITの計算機科学と人工知能研究室の上級研究者Stephanie Seneffが、GMOに関する議論のメンバーとして話していたときに(もちろん彼女は反対派)、以下のように言ったのだ:
「このままでいくと、2025年までには2人に1人の子どもが自閉症になるだろう」
神経細胞が一本でも働いていればこんな主張はナンセンスであることを知っている。8年で半分の子どもが自閉症に?あなたはこの主張の根拠とそれがなぜナンセンスなのかを知らないかもしれないのでいくつか証拠を示そう。
Seneff博士の主張を引用しているウェブサイトの一つはナチュラルヘルス同盟Alliance for Natural Healthである。ここは反ワクチン、反GMOサプリメント支持である。ここで自閉症が増える根拠とされるものが示されている。自閉症児の数とグリホサートの散布量のきれいな相関を示すグラフである。(図)
非常に印象的である。ちなみに他に三つの自閉症ときれいな相関を示す図を示そう。自閉症とオーガニック食品の販売量、自閉症ジムキャリーの映画の総数、そして自閉症と大学の授業料である。
全てが関連である。もしあなたがたくさんの出来事を調べたら、二つの物事に完璧な関連があることを見つける可能性はある。ほとんどは無意味な関連である。
(グラフが面白い。データサイエンティストってこういうゴミ情報もたくさん出すので困ったものだ)