食品安全情報blog過去記事

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論文

  • 欧州における食物繊維:定義、摂取源、助言、摂取量および健康との関係についての最新の知見

Dietary fibre in Europe: current state of knowledge on definitions, sources, recommendations, intakes and relationships to health
Alison M. Stephen et al., Nutrition Research Reviews Published online: 05 July 2017
https://www.cambridge.org/core/journals/nutrition-research-reviews/article/dietary-fibre-in-europe-current-state-of-knowledge-on-definitions-sources-recommendations-intakes-and-relationships-to-health/B263D1D7B3440DC9D6F68E23C2B4212F
食物繊維の研究は過去4-50年に渡って続き、今や多くの国では食品成分表に食物繊維が表示されるようになった。このレビューでは分析法や認められている健康強調表示、推奨摂取量や各国の摂取量などを評価した。
オープンアクセス ILSI

  • 科学におけるAI革命

Science
The AI revolution in science
By Tim AppenzellerJul. 7, 2017 ,
http://www.sciencemag.org/news/2017/07/ai-revolution-science
特集

  • 如何にして一匹の猫がプラスチック業界に革命をもたらしたか

How one cat revolutionized the plastics industry
Jul. 5, 2017
http://www.sciencemag.org/news/sifter/how-one-cat-revolutionized-plastics-industry
1897年、ドイツの化学者Adolf Spittelerがミルクとホルムアルデヒドを混ぜるとプラスチックのようなものになることを発見した。この発見をしたのは彼の猫であるとScientific Americanが報告している。夜の実験室に侵入した猫がホルムアルデヒドの瓶にぶつかって中身をミルクのボウルに入れた。翌朝Spittelerはミルクが固まっているのを発見した。好奇心は彼の猫を残念ながら殺したが、新しい研究分野を開拓した。

  • 人生後半での幸福:心が重要な役割を果たす

Well-being in later life: The mind plays an important role
7-Jul-2017
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2017-07/hzm--wil070717.php
BMC Geriatrics。加齢そのものは気分やQOLの低下と不可分ではない。むしろ鬱や不安が客観的幸福を損なう、とKarl-Heinz Ladwig教授は言う。平均年齢73才の約3600人のデータに基づく研究。

  • 世界の食糧システムの脆弱性に対応する

Addressing the vulnerability of the global food system
The Lancet Volume 390, No. 10090, p95, 8 July 2017
http://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(17)31803-2/fulltext
エディトリアル
6月7日にChatham HouseがChokepoints and Vulnerabilities in Global Food Tradeという報告書を発表した。この報告では世界の食糧システムが、スエズ運河黒海の港、ブラジルの交通網のような14のいわゆる難所(chokepoint)を通る極めてデリケートな貿易ルートに依存していることを示す。これらは予想できない気候や戦争や地方が通行止めできてしまうといったことで影響される脆弱性をもつ。そしてそれらのリスクが気候変動で大きくなることを強調する。
現在の食糧システムは20世紀半ばまでに成立したもので世界のエネルギー摂取量の60%がトウモロコシ、小麦、コメの3つの作物に由来する。このシステムの安定性が脅かされている。
世界の食糧システムの失敗を防ぐために、気候に優しい食糧生産へと優先順位を再考すべき時である。
(ちなみにこの号のLancetは医療の過剰使用と過小使用についてのシリーズが掲載されている。日本は過剰(主に検査の)が問題なのだけれどそれに対処するには相当な変革が必要そう。)