食品安全情報blog過去記事

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論文

  • 心血管系疾患予防のための行動カウンセリングについてのUSPSTFの助言

USPSTF recommendation regarding behavioral counseling for cardiovascular disease prevention
11-Jul-2017
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2017-07/tjnj-urr070617.php
USPSTFがプライマリーケア専門家に、肥満でない、高血圧でなくやコレステロールや血糖値が異常ではなく糖尿病でもない成人に健康的食生活や運動を薦める行動カウンセリングを行うことを決めるのは個別にするよう助言する。既存の根拠は、この集団に対しては行動カウンセリングの心血管系疾患予防の効果はポジティブではあるが小さいことを示している。
USPSTFのC助言。JAMAに発表。
(既に健康な人は「ますます健康」にはならないよ。そういう人にお金を使わせるために「未病」といっている)

  • PAINS-キラー:UNCの研究がよく使われている医薬品スクリーニングツールの重大な問題を発見

PAINS-killer: UNC study finds serious issues with popular drug screening tool
11-Jul-2017
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2017-07/uonc-pus071117.php
PAINS(汎試験系干渉化合物)は偽陽性の大きな発生源である。7年前に科学者チームが480の分子断片をPAINSアラートとして同定した。そのうち328がたった4つ以下の化合物で作られることを発見した。

  • 植物が芋虫を共食いにする

Natureニュース
Plants turn caterpillars into cannibals
Laura Castells 10 July 2017
http://www.nature.com/news/plants-turn-caterpillars-into-cannibals-1.22281
害虫に攻撃されたときにトマト植物が作る化合物が、昆虫の行動を変えることができる
害虫に警告を発する化合物、ジャスモン酸メチル(MeJA)をトマトに様々な量暴露すると、昆虫にとって栄養を減らす毒素を作る。それから芋虫(Spodoptera exigua)に食べさせると、MeJAをより多く暴露したトマトのほうが失うバイオマスが少なかった。芋虫の方はMeJA処理した植物を食べた方がより早く死に、仲間に食べられていた。
Nature Ecology & Evolutionに発表。

  • 証明されていない幹細胞を用いた介入の販売:対応要請

Marketing of unproven stem cell–based interventions: A call to action
Douglas Sipp et al.,
Science Translational Medicine 05 Jul 2017
http://stm.sciencemag.org/content/9/397/eaag0426
幹細胞を使った根拠のない治療法の宣伝は世界的問題で、規制の努力に抵抗性があることがわかっている。ここに我々は各国と国際レベルでの協調的アプローチを提案する
(登録すると無料でアクセスできる。適切な情報を与えられていない消費者に個人の選択だとか自由だとかの一見美しい単語を並べて唆すやつらは世界中で活躍中。専門知識を軽視し個人の感覚を大事にしようという主張は詐欺師にとってこの上なく有り難い)

Study reveals an elevated cancer risk in Holocaust survivors
10-Jul-2017
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2017-07/w-sra070617.php
CANCERに発表された新しい研究は、ホロコーストのサバイバーに小さいけれど一貫したがん発症リスク増加があることを示す。飢餓、過密、感染症心理的ストレスなどが寄与しているかもしれない。

  • 脳トレーニングは意志決定や認知機能に影響しない

Brain training has no effect on decision-making or cognitive function
10-Jul-2017
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2017-07/uops-bth070617.php
Journal of Neuroscience。市販の脳トレLumosity™を使って64人の健康な若年成人で10週間調べた結果。

  • コーヒーを飲むことは全原因による死亡リスクを減らす、研究が発見

Drinking coffee reduces risk of death from all causes, study finds
10-Jul-2017
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2017-07/icl-dcr070717.php
1日3杯程度のコーヒーを飲む人は飲まない人より長生き、Annals of Internal Medicineに発表された研究が発見。これはこの種の研究としては最大のもので、研究者は英国を含む10のヨーロッパの国の50万人以上のデータを解析した。IARCとImperial College Londonの研究者がコーヒー摂取の多さは全原因による死亡リスク削減と関連するが、特に循環器と消化器疾患による死亡リスク低下と関連することを発見した。EPIC研究のデータを用いた。コーヒーを多く飲む人は若い、喫煙者、飲酒する、肉を多く食べ、野菜や果物を少なく食べる。これらの要因を注意深く調整するとコーヒー摂取は全原因による死亡リスクを減らす。カフェイン無しコーヒーでも同様であったが分離が難しい。
(コーヒーをたくさん飲むことと不健康なライフスタイルが関連するが、その不健康なライフスタイルを全て無くしてしまえば、という仮定の上でのこと。現実の人間にそれができるかどうかは別。もともと丈夫な人が選抜されていそう)

  • NIHの資金提供を受けたチームは世界の運動量研究にスマートホンのデータを用いる

NIH-funded team uses smartphone data in global study of physical activity
10-Jul-2017
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2017-07/niob-ntu071017.php
Natureにはっpyぷされたスタンフォード大学のScott L. Delp博士らの研究。スマートホンアプリの匿名ユーザー717527人の歩数を解析。参加者は111ヶ国に及ぶが少なくとも1000人のユーザーがいる46ヶ国を解析した。世界平均では1日5000歩。
(地図がある。暑い国の人は歩かない?)