食品安全情報blog過去記事

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その他

  • 農産物のPLUコード

Ask the Experts
PLU Codes on Produce
by Berkeley Wellness | July 14, 2017
http://www.berkeleywellness.com/healthy-eating/food/article/plu-codes-produce
Q:製品についているこの数字のステッカーは何?
A:これら4桁あるいは5桁の数字はPLU (Price Look Up)コードと呼ばれるもので、生鮮野菜果物のその品種や大きさ、栽培方法などを同定するものである。野菜や果物協会の国際団体であるInternational Federation for Produce Standards (IFPS)が割りあてていて、スーパーマーケットが値段をつけたりリストを作ったりその他の目的に任意で使われている。例えばコードを見ればレジであなたがどの種類のリンゴを買ったのかわかるので、正しい価格を請求される。
PLUコードは食品業者向けなので買い物客にとっての利用価値は限定的である。それでも興味深いことはある。
4桁の数字は慣行栽培を意味する。例えば標準のイエローバナナは4011である。9から始まる5桁の数字は有機栽培を意味し、オーガニックバナナには94011となる。しかし有機かどうかを区別したいかどうかは小売業者の意向なので有機栽培でも4桁の場合がある。有機を探すのに最良の方法はUSDAの認証シールのままである。
一部のウェブサイトは8で始まる5桁のコードは遺伝子組換えであるのでGMOを避けたいならそれを避けようという間違った報告をしている。IFPSによると、8はGMOのためにとっておいたことがあるが実際に使われたことはなく、将来別の品種に使う予定である。いずれにせよスーパーの生鮮作物にGMOは滅多にない。例外は一部のパパイヤ、ごく希に夏カボチャとスイートコーンである。
PLUコードについてもっと知りたかったらデータベースがある
http://www.ifpsglobal.com/Identification/PLU-Codes/PLU-codes-Search

  • 専門家インタビュー 誤解を招く健康宣伝を取り締まる

Expert Q&A
Cracking Down on Misleading Health Ads
by Jeanine Barone | July 14, 2017
FTCの広告副主任であるMary EngleとのQ & A。この部署ではOTC医薬品、ダイエタリーサプリメントその他健康製品の宣伝の文言を規制している。ここに詐欺的及び誤解を招く広告と取り組むFTCの役割について議論する
米国において誤解を招くあるいは詐欺的広告の問題はどのくらい大きい?
消費者にとって正確な健康情報は重要なので、極めて問題であると思う。しばしば見るのは簡単には解決できない問題に対して魔法の治療法や特効薬を提供するものである。それは消費者にお金を無駄にさせるだけでなく、健康問題の解決に必要な対処をしなくなる可能性がある。正確な推定はないが、消費者は毎年詐欺または効果のない製品に数百万あるいは数十億ドルを費やしていると思う。
FTCが最近執った注目すべき対応についていくつか紹介できる?
一つはSuppleという製品を作っている会社についてのもので、この製品はグルコサミンとコンドロイチンを含み関節や軟骨を再構築したり関節炎の痛みを治療できると宣伝されていた。魔法の効果を宣伝し、テレビやラジオのインフォマーシャルで流されていた。グルコサミンとコンドロイチンは何年もの間関節痛治療用として宣伝されていて多くの人が根拠はないのに信じていたため私はこれが重要な事例だと考えた。質の高い研究の多くはグルコサミンとコンドロイチンは関節痛に効果はなく関節を再構築したりしないことを示していた。我々は企業に宣伝の根拠には質の高い臨床試験を要求する。また事例の解決の際には消費者への返金を求める。この事例では数十万ドルを取り戻した。
もう一つの事例は記憶に良いというサプリメントPrevagenを売っていた会社である。この会社は成分はクラゲから見つかったもので記憶を改善し認知機能に良く臨床的に証明されていると宣伝していた。これらの宣伝は虚偽であると我々は主張しているがこの会社とはまだ決着していない。
もう一つはオピエートの離脱症状に役にたつというサプリメントである。製品名はWithdrawal-Ease(簡単離脱)で、明確に効能を示唆しているが効果があるという根拠はない。これは重大な問題で、この国では現在オピエート依存が流行している。止めるには専門家の監視が必要で、この事例は誤解を招く宣伝が消費者を効果のある治療法から遠ざける可能性の例である。
企業が消費者を騙したり規則をかいくぐったりする戦略にはどういうものがある?
一つよく見るのは「科学的ブレイクスルー」について語るもの、あるいはたくさんのジャーゴンを使ってその製品が効果があるメカニズムを説明したりするものである。もう一つは消費者の体験談である。例えばこれまでずっと体調が悪かった、あるいは何度も減量に失敗してきたのにこの製品をつかったらびっくりするほどうまくいったというような。しかしこれらの体験談はしばしばでっち上げ、あるいは大幅な誇張である。あるいはうまくいったのは別の原因(低カロリー食と運動のような)であったりする。
一部の健康製品の宣伝は、実際には広告なのに記事のように作られていることがある。これは詐欺的?
これは重要な問題で、いくつかの事例で対応してきた。FTCは広告は広告と認識できなければならないと言う。記事と見間違わせてはならない。
例えば2年前にSpeakという発話に問題のある子ども用ダイエタリーサプリメントを宣伝しているNourish Lifeという会社と決着した事例がある。内容は多数のビタミンで、子どもの保護者の体験談をたくさん使っていた。またApraxiaResearch.comという、独立した研究情報サイトを装ったウェブサイトを運営していた(取り下げられている)。しかしこのサイトは実際にはSpeakの広告であり、この事例ではこの会社は詐欺的宣伝をしただけではなく広告のフォーマットが詐欺的であった。
もう一つの事例は2016年のSmart Click Mediaという企業がダイエタリーサプリメントを販売しているウェブサイトに「Doctor Trusted医師の信頼」という誤解を招くシールを提供していたものである。お金を出してこのシールをウェブに掲載すると、それをクリックすると独立した医師が製品を評価したという声明が出る。しかしこれは無意味で、たった二人の医師がお金をもらって住所と電話番号があるかどうかを一回見ただけである。
医薬品企業からしばしば参加費をもらって、企業がスポンサーをしたイベントについてブロガーが投稿するよう薦められたりすることがあると聞いたことがある。しかしブロガーがお金をもらったり他の方法で投稿を薦められていることは消費者には明確ではないかもしれない。これにはどう対応する?
そのような場合、製薬会社はツイートや他のソーシャルメディアでスポンサー関係を明確にすべきである。法により、どんなものでもお金を払った広告はそれを開示しなければならない。ツイートも企業が直接間接にお金を払った広告ならそうである。もし何かを受け取っているのにそれを開示しないで製品を宣伝していたらそのブロガーも企業も責任を問われる可能性がある。
通常我々の調査は広告主、この場合は製薬企業、を先にするが、イベント主催会社や広告代理店も調査する。そして個人ブロガーや投稿した人にも責任を問うことがある。最近我々はブランドからお金をもらったことを開示しないでインスタグラムに写真を投稿しているフォローワーの多い個人に山ほどの警告文書を送付している。これは健康やウェルネス製品に限らない。しかし我々は個人にも資金提供の有無を開示する義務があることを注意した。
あなたの任期中にFTCが虚偽または誤解を招く広告に対して最も重要な勝利は何だと思う?
私はザクロジュースPom Wonderfulとの訴訟だと思う。我々は彼らの心疾患や前立腺がん、勃起不全予防や治療効果を問題にしたが合意に至らなかったため訴訟を起こさざるを得なかった。我々は勝訴したが彼らは控訴した。そして控訴審でも勝訴した。彼らは最高裁に見直しを求めたが最高裁は却下した。裁判は終わった。これは本当に重要な勝利だった。我々はこの会社のジュースと二つのサプリメントの疾患宣伝に疑問を提示した。
この事例で重要なことは、FTCの法では製品が何であれ同じ広告基準が適用されるということである。食品だからといって根拠のない宣伝ができるわけではない。言っていることの根拠が必要である−この場合はRCT。
消費者が虚偽または誤解を招く宣伝から身を守るためにできることは?
宣伝には常に疑いを目をむけること。もし魔法の画期的何かやこれまでヨーロッパにしかなかったものが米国で入手可能になった、あるいは科学専門用語がたくさんあったら、それらの広告は疑うべきである。健康について調べるときはNIHやその他政府機関や大学の研究所のような、信頼できるウェブサイトを見ること。製品を購入するときには必要な場合には取り消しできるようにクレジットカードを使う。
また無料お試しには十分注意をすること。詐欺師は「リスクはない、4.99ドルで試して、満足できなかったら30日以内に返却すればお金は戻ります」というだろう。しかしそうはならない。一旦会社があなたの支払いに関する情報を入手したら、彼らはクレジットカードに毎月こっそり引き落とす、あるいは銀行から自動引き落としをするだろう。あるいはあなたが同意しないままに毎月何かが送られてくるだろう。それらを返却使用とするとたくさんの制約が科せられて実質不可能だろう。こうした企業による詐欺的課金には非常に多くの事例がある。もし何かにひっかかったら、FTCのウェブサイトに苦情を申告できる。

  • 人々に理解を得ようとして欧州は動物実験を公開する、しかし米国は透明性は低い

To woo public, Europe opens up on animal experiments, but U.S. less transparent
By Meredith WadmanJul. 14, 2017 ,
http://www.sciencemag.org/news/2017/07/woo-public-europe-opens-animal-experiments-us-less-transparent
先月、ロンドンの生命医学研究での動物実験支援グループが、一般の人々を普通でない実験室デジタルツアーに招待し始めた。LabAnimalTour.orgではオックスフォードの神経科学実験室で頭にボルトのあるサルをみたりHarwell研究所の8000匹のマウスが一つの部屋にいるところをチェックしたりできる。別の動画ではブリストル大学でブタが手術の準備をされている。ブリストル大学では20年前にアニマルライツの活動家に爆弾で建物を壊され、動物科学者が標的にされたりしているが公開することにはポジティブだった。一方米国では公開には消極的である。欧州での経験からは公開性を高めることが活動家の攻撃を増やすことにはならないという。むしろ一般の耐性と信頼性を構築する。
世論調査機関は定期的に動物実験を認めるかどうか聞いているが支持率は低下している。(グラフ有り)

  • 新しい水銀汚染の脅威:世界の健康に注意

New mercury pollution threats: a global health caution
Samuel J Spiegel
The Lancet , Volume 390, No. 10091, p226–227, 15 July 2017
2017年8月16日に水俣条約が発効するが、どうやってこの複雑な問題に各国政府が取り組むのかについては疑問が多い。Trump政権は石炭火力発電からの水銀排出環境規制を取り除くために活発に動いているしアジアやラテンアメリカでは小規模な金の採鉱に水銀使用が増加している。小規模採鉱業者は彼らの生存権が認識されない限り水銀使用を減らす努力は失敗するだろうと言う。

  • 活動家が人道的「GMO」トウモロコシのハイチへの輸送を攻撃する−しかしその種子は遺伝子組換えではない

Activists attack humanitarian ‘GMO’ corn shipment to Haiti — but seeds aren’t genetically engineered
Kevin Folta | July 11, 2017
https://geneticliteracyproject.org/2017/07/11/activists-attack-humanitarian-gmo-corn-shipment-haiti-seeds-arent-genetically-engineered/
The Haiti Sentinel紙が最近Samuel Maxime編集長による特集を掲載した。そのスキャンダルはメキシコからハイチにCIMMYTにより「遺伝子組換えトウモロコシ種子」150トンが送られるという話だ。Samuelは明確に不快で、これはハイチの農業をCIMMYTの支配下におくための陰謀だという。そしてコメント欄は種子の寄贈を悪だとして反対するものばかりだ。ソーシャルメディアでいつもの反GMO団体が反対の宣伝をしている。
しかし贈られるHUGOトウモロコシは遺伝子組換えではない。収量が多い優れた品種だ。CIMMYTにより通常の交配によって作られ、2007年にハイチに導入されていたのだが、品質管理がなされていなかったためにかつての性質を失い、あらためて提供される。
この事例は反GMO団体が実際には反農業であることを再確認する。

  • IAFP2017年次会合でのILSI北米技術委員会がスポンサーをした議論

食品安全に関する現在の展望
A Debate: Current Perspectives in Food Safety
Wednesday, July 12, 2017
https://iafp.confex.com/iafp/2017/webprogram/Session3616.html
質問が3つあってそれぞれプレゼンの前後で投票する形
・良い食品、悪い食品、醜い食品:醜い期限切れの食品を食べるように薦めるべきか?
・誰を非難すべき?消費者も食品安全の一端を担う?
・どっちが本当の肥満原因(オベソゲン)?ピザかピザの箱か?