食品安全情報blog過去記事

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茶、ハーブティー、食品サプリメントのピロリジジンアルカロイド

Pyrrolizidine alkaloids in tea, herbal infusions and food supplements
27 July 2017
http://www.efsa.europa.eu/en/press/news/170727
食品中のピロリジジンアルカロイドへの暴露には、特に茶とハーブティーを頻繁に多く摂取する消費者には、発がん性の可能性があるため、ヒトの健康に長期の懸念が起こりうるとEFSAの専門家は述べた。
ピロリジジンアルカロイドを生産する植物を原料にした食品サプリメントの摂取も、有害健康影響をもたらす短期毒性を引き起こす暴露量になることがある。
EFSAは、意図せずフードチェーンに入り込む可能性のある様々な植物種が生産する毒性の大グループである、ピロリジジンアルカロイドによるヒトと動物の健康リスクに関する2011年の助言を改訂した。
欧州委員会は、ハチミツ、茶、ハーブティー、食品サプリメントの毒性量に関するより最新のデータを用いて概算した暴露を考慮して、リスク評価を改訂するよう求めた。2011年にEFSAは、当時十分なデータを入手できる唯一の食品カテゴリーだった、ハチミツを多く摂取する幼児と子供に長期の健康懸念の可能性があると結論した。
EFSAの専門家は、食品に最も一般的に存在し、モニタリングと毒性・発がん性のさらなる研究が継続的に望まれる食品と飼料中の17のピロリジジンアルカロイドを同定した。

Risks for human health related to the presence of pyrrolizidine alkaloids in honey, tea, herbal infusions and food supplements
EFSA Journal 2017;15(7):4908 [34 pp.]. 27 July 2017
http://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/4908
 EFSAは、ハチミツ、茶、ハーブティー及び食品サプリメント中のピロリジジンアルカロイド(PAs)に関連したヒト健康リスクに関する科学的意見と、これらの品目を含む食品と飼料中に存在するPAsを同定するようECから要請された。2011年、EFSAのCONTAMパネルは、食品及び飼料中のPAsの存在に関連するリスクを評価した。ハチミツに限定された汚染実態データをもとに、CONTAMパネルはハチミツの摂取量が多い幼児と子供への健康影響の懸念の可能性があると結論した。2016年には、新たな汚染実態データを含んだ新しい暴露評価を公表し、リスクキャラクタリゼーションの更新に利用された。今回EFSAは、新たな慢性(発がん)リスク評価の結果として、PAsのうちリデリイン(riddelliine)への暴露による雌ラットの肝血管肉腫の発生増加をもとに参照ポイントとしてBMDL10 237 μg/kg体重/日を設定した。このBMDL10にもとづく平均暴露量に対する慢性暴露のMOEは、成人が> 1,000,000から5,700、若い集団は> 10,000,000から約4,900であった。喫食者のみの95thパーセンタイルのMOEは、茶及びハーブティーでは成人が395,000から1,500、若い集団で43,000から770、ハチミツでは成人が593,000から13,500、若い集団が339,000から7,600であった。パネルは、特に茶及びハーブティーの摂取頻度及び量が多いヒトではPAsへの暴露に関連した健康影響の懸念の可能性があると結論した。PA産生植物の食品サプリメントの摂取は、急性/短期毒性を生じる暴露量になりうることも指摘した。入手可能な汚染実態データの分析により、CONTAMパネルは、食品及び飼料中のモニタリング用として17のPAsを同定した。パネルは、食品及び飼料中のPAsを継続的なモニタリングとより感度が高い特定分析法の開発を推奨した。