食品安全情報blog過去記事

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SMC UK

expert reaction to vitamin B3 supplements and birth defects in mice
August 10, 2017
http://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-vitamin-b3-supplements-and-birth-defects-in-mice/
NEJMに発表されたあたらしい研究がビタミンB3サプリメントとマウスの遺伝的出生時欠損について調べた
エジンバラ大学生殖健康MRCセンター母子健康上級臨床講師Sarah Stock博士
このエキサイティングな新しい研究は出生時欠損の理解を増す。結果は一部の複雑な先天異常がビタミンB3の濃度の低さで悪化する可能性を示唆する。ヒトでビタミンB3サプリメントが有効かどうか、安全量についてはさらなる研究が必要である。
多くの先天異常や流産の原因はわかっていない。例えば葉酸のようなサプリメントはある種の出生時欠損を予防する。しかしビタミンAのように高濃度では先天異常の原因となるビタミンもある。しかし全ての妊娠女性はバランスのとれた健康的な食事の薦めに従うように。
ブリストル大学小児と周産期疫学名誉教授Jean Golding教授
これはしっかりした研究だがプレスリリースは誤解を招く。これは異常のあるたった4人の子どもの研究で、著者はナイアシン代謝に異常がある希な遺伝的変異のある子どもであることを示している。さらなる実験では同様の遺伝的欠損のあるマウスを使っている。
ナイアシン欠乏のヒト集団で先天異常や流産が多いという研究はない。ヒトの食事にナイアシンを加えて妊娠の有害アウトカムを予防したという研究もないことは注記すべきであろう
バーミンガム大学母子医学コンサルタントで上級臨床講師Katie Morris博士
この動物実験は非常に面白い。だがそれを妊娠女性にビタミンB3を薦める理由にはできない。特に実験で使われた用量が推奨量の10倍で、長期大量投与の影響が不明なので。
CARE Fertilityの研究開発部門長で社長で創設者Simon Fishel教授
興味深く重要である可能性がある研究であるが、流産にはいろいろな原因があることを認識すべきである。最大の原因は染色体異常であり、マウスの実験結果はヒトで証明されなければならない。ビタミンB3は食品中に多く含まれるため欠乏症のヒトは遺伝的原因のある可能性があり誰がそうなのかを発見することが必要であろう。

  • ヨーロッパのフィプロニル汚染卵スキャンダルへの専門家の反応

expert reaction to fipronil-contaminated egg scandal in Europe
August 10, 2017
http://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-fipronil-contaminated-egg-scandal-in-europe-2/
Queen’s University Belfast食品安全部長Chris Elliott教授
フィプロニルスキャンダルが拡大している−影響された農場や鶏の群れ、国が増えている。さらに明らかになるだろう。英国の家禽業界は何も悪いことをしていないが影響は大きくなっている。欧州から汚染卵が70万個輸入されていたために予防的対策としてたくさんの食品がリコールされている。より多くの情報がFSAに伝えられればリコールが拡大する可能性がある。汚染製品を摂取したことによる食品関連疾患の可能性は極めて低い。
Imperial College London生化学薬理学教授Alan Boobis教授
英国の加工食品の一部からフィプロニルが検出されている。しかしながら最も高濃度でも、1日に卵を1-2個食べることでEFSAの許容する量を超えることはない。汚染卵から摂取可能な最大量の1万倍を意図的に摂取しても長期影響はない。EFSAとFSAは事態を注意深く見守っている。発見された汚染の程度と英国市場に入った卵の数から、消費者が心配する理由はない。
Elliott Reviewの専門家で食品基準コンサルタントMichael Walker博士
ゆで卵を使ったサンドイッチなどの一部の製品を回収する、消費者を守るためのFSAの予防的対策と企業の責任ある対応を歓迎する。私のリスク評価者への質問は、広く焼き菓子などに使われている液卵が関係ないということはどうやって確認した?そして問題を同定するのに十分な検査は行った?