食品安全情報blog過去記事

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  • カリフォルニアの腎臓がん研究は発症率の低下、傾向の終わりを示す

Study of California kidney cancer shows declining incidence, end of a trend
18-Aug-2017
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2017-08/uoc--soc081817.php
Kidney Cancerに発表された1988年から2013年までのカリフォルニアの腎臓がんについてのレビュー。過去20年にわたって増加してきた腎臓がんの増加傾向が終わったようである。そして腎臓がんでの死亡の増加を伴わない、小さな限局的な腫瘍の増加は、進歩した診断技術の使用による偶発的発見によるものであろう。
(そんなに大きくはないけれどこれも過剰診断の問題。「早期発見」されたものが将来悪性になるのか特に悪さをしないものなのかを見分けることができないという基本的問題。)

  • 脂肪と心疾患:ドグマに挑戦する

Fat and heart disease: challenging the dogma
The Lancet Volume 390, No. 10096, p731, 19 August 2017
Stuart Spencer
Nina Teicholz のベストセラー本「脂肪についての大きな(嘘への)驚きThe Big Fat Surprise」の書評。
いかにして貧弱な科学が政策の根拠とされ宣伝されてきたかを暴露したもの。この本では飽和脂肪が諸悪の根源という言説に疑問を提示しているが、他の「いわゆる事実」とされるものに対しても疑問を抱くべき。
(根拠がないあるいは薄弱なのに事実扱いされているものって結構ある。)